SESと受託開発の事業が成長中。今季中に自社サービスのリリースを予定
創業以来、メインで行ってきたSESビジネスが大きく拡張。この4年間で売り上げが10億円程増え、若手メンバーを中心に人材採用も活発化。株式会社デジタルブロックスは、まさに成長著しい注目企業の一つといえそうだ。
「事業の核となっているSESビジネスでは、当社のプロパーとパートナー企業とでチームを作り、お客様の支援を行なっています。SESにありがちなメンバーを一人だけ派遣してシステム開発を請け負うスタイルではなく、チームワークで束になってサポートするため、お客様との関係性も強く、トップパートナーとして優先的に色々な案件を回していただける環境が作られています」
同社の成長の理由についてそのように語るのは、2019年12月に代表取締役社長に就任したばかりの山口亮氏。
二つ目の事業の柱として受託開発事業も順調に成長しており、その割合は年々増えているという。成果物の質の高さだけでなく、人材を含めたサービス面全般を高く評価されており、リピートや紹介が後を絶たないという。
「SESも受託開発も、業種を絞らずに幅広く手掛けてきましたので、そこが当社の強みであり特徴かもしれません。最近はBtoCの案件も増えていますので、対応できる業務の幅は確実に広がっています。それに伴って、社員が活躍できるフィールドも着々と広がっていて、優秀な人材が育つ素地ができているのです」(山口氏)。
新体制がスタートしたことで、新しいビジネスも動き出した。自社サービスの開発だ。
「主に中小企業に向けた、シンプルで低コストの独自のセールスフォースを企画中です。今期中のリリースに向けて準備を進めています。今後加わっていただくメンバーには、そこでも力を発揮してもらいたいですね」(山口氏)。
血の通ったコミュニケーションで育つ「人間力」
同社の成長の鍵となっているのが、技術力に加えた「人間力」へのこだわりだ。
「当社ではコミュニケーション力を高めることが技術の一つだと真剣に考えています。技術者が開発の仕事を生涯続けるには、営業面で強みを持つことが間違いなく必要ですから、そのために社員間でのコミュニケーションの機会を増やすようにしています」(山口氏)。
例えば、SESであっても、まとまった仕事をチームで請け負うスタイルが多いため、働く場所が社内なのか、客先なのかの違いぐらいでチーム一丸となり仕事をするのが当たり前の環境が用意される。
結果、メンバー間のコミュニケーションが常に発生し、ブロックが組み合わされるようにチームワークを発揮して、クライアントの課題に向き合う環境が自然につくられる。部下を放置したり、月1回の帰社日にだけ顔を合わせるような希薄な関係性は、デジタルブロックスではあり得ない。
「常に現場で一緒に働くわけですから、先輩社員が若手をフォローしやすく、メンバーの成長に繋がります。また、良いも悪いも全部が見えるので、評価がしやすいというメリットもあります。働きぶりをしっかり見て評価する熱心な上長が多いこともあり、評価に対する不満は年々少なくなっていますね」(山口氏)。
社員間のコミュニケーションという点では、社内イベントが充実している点も見逃せない。バーベキュー大会、ボーリング大会、運動会、社員旅行、ゲーム大会等、定例のイベントだけでもとても多く、しかも参加率が高いところから、同社の社風がうかがえそうだ。
「面白いイベントのアイデアが出たら、それに賛同して企画を立てようという雰囲気が生まれます。色々なことを面白がり、何でも楽しもうとする人が多いのが、デジタルブロックスの特徴の一つかもしれませんね」と話すのは、システムソリューション部部長の小野○○氏。
ちなみに、イベントの費用については「社員会」という組織を作り会費を積み立てており、積み立てだけで足りない分は会社が負担する仕組みとなっている。社員は費用がほとんどかからずにイベントに参加でき、社員旅行も激安で海外旅行が楽しめると評判だ。
「部署の垣根もなく、上下関係もそれほど厳しくない、まさに風通しの良いフランクな社風」と職場の雰囲気について語る山口氏。そうして育まれる一体感とチームワークの良さが、「デジタルブロックスらしさ」としてクライアントからも高く評価されている。
「同じ現場で同じ課題を共有し合うことで、何年経っても『あの時はこういうことがあったよね』と話せる関係が築けるものです。信頼関係のあるいいチームワークをつくっていくには、一緒に苦労して、笑って、語らい合う時間が必要です。お客様から当社の人材を高く評価していただけるのは、そういう環境から育まれる社員一人ひとりの人間力の高さなのだと思っています」(小野氏)。
「努力できる人」がきちんと評価され、成長できる会社に
ゼネラルリサーチ社の2019年7月の調査で、「エンジニアが選ぶフォロー体制が充実しているIT企業」「職場の雰囲気が良いIT企業」「IT企業従業員満足度」の項目で1位に選ばれた同社。そうした魅力的な組織を引き継ぎ、「社員が一層前向きに働ける環境を作りたい」と意気込む山口氏の思いは着々と反映され始めているという。
「社長が変わったことで、社内の雰囲気は大きく変わりました。何より決断が早くなり、皆が安心して働ける場面が増えています。特に、コロナウイルスへの対応については、いち早く指針を示してくれたことで、皆の不安が少なくなりました」(小野氏)。
社長就任と同時に、「大切な人を幸せにしよう。」という企業理念や、6項目にまとめた行動指針についても、従来から大切にされてきたマインドを改めて明文化。
「私の仕事は、社員の気持ちを高めることです。そのためには言葉を発信したり、私自身が一生懸命に仕事をする姿を見せたり、皆が頑張ろうと思える仕組みをつくることを何より大事にしています」と山口氏は力強く語る。
「一緒に働きたいのは『努力ができる人』です。私は頑張る人が好きで、努力をすることを厭わない前向きさを持つ人を応援したいと常々思っています。デジタルブロックスには既にそのようなメンバーが沢山いますし、これからもそういう人を増やしていきたいと思っています。努力できる人が楽しく働ける会社にしていきたいですね」(山口氏)。
「技術については、とにかく『好き』でいてほしいです。何事に対しても『何でこうなるんだろう』と好奇心を持って向き合えるような人と、一緒に働きたいですね」(小野氏)。
会社の規模は着々と拡大し、それに見合う体力もついてきた。人間力を高く評価される人材も育ってきている。新しいことに積極的にチャレンジしていける環境が整ってきているからこそ、「やりたいことを持っている人」の力がもっと必要だと山口氏は話す。
「自社プロダクトの企画に限らず、社内イベントや組織づくり、制度面等のアイデアも、遠慮なく提案してほしいですね。いい色はすぐにでも吸収していくつもりですし、そこがうちのいいところだと思っています」(山口氏)。