株式会社SCOグループ

「予防診療」の普及を推進し、国民の健康増進への貢献をビジョンに掲げる株式会社スマートチェックアウト。同社は歯科医院向けの決済サービスを通じて、予防歯科の普及に力を入れている。同社が提供するクレジットカード決済サービス『Pay Light』は全国6,000件以上の歯科医院に導入済みだ。2022年からは同サービスを進化させた『Pay Light+（プラス）』の提供をスタート。これはスマートフォンでクレジットカード、分割デンタルローン、口座振替、定期診療のサブスクリプション等、あらゆる支払いが行えるマルチペイメントサービスで、毎月400件の申し込みが入っているという。

患者の決済ニーズに多様化しているが、クレジットカード決済は手数料が3%かかるため、導入には二の足を踏む歯科医院が多かった。そこで同社は、『Pay Light』で手数料を1.5%と国内最低水準に抑え、さらに初期費用・ランニングコストを無料にすることで、導入の促進に成功した。さらに次世代サービス『Pay Light+』では、全ての支払いを同サービスで利用できるマルチペイメントシステムを確立した。

特筆すべきは分割デンタルローンへの対応だ。提携先のクレジットカード会社とのコラボレーションにより、『Pay Light＋』では、デンタルローンに加え、クレジットカード支払い・口座振替・サブスク払いが全て１つに真tもまり、オンラインで完結できるようになった。分割デンタルローンが組みやすい『Pay Light+』が普及すれば、患者は保険が利かない自由診療も積極的に受けるようになる。それは同社が目指す「予防診療」の推進に繋がっていくのだ。さらにその先には、同社がビジョンとして掲げている「国民の健康増進への貢献」がある。

この「国民の健康増進への貢献」が同社の目的地であり、歯科医院への決済サービス提供は、いわば“イントロ”である。いずれはあらゆる医療機関に対する決済サービス導入を実現させたい、と同社は考えている。冒頭で紹介したように『Pay Light+』は毎月400件の申し込みがあり、2022年内には全国1万件への導入を目指している。歯科医院は全国に約7万件と言われているので、1/7に同社の決済サービスが普及する計算だ。

1万件への導入という目標に向かって、『Pay Light+』は大規模なバージョンアップを進めている。予約～来院受付～支払いをスマートフォンでシームレスに行えるマルチペイメントサービスとして、さらに利便性を高める予定だ。そこで同社の開発体制を強化することになった。

同社のシステム部は、現在社員5名＋外部パートナーという体制で開発を進めている。プログラミング等の実装作業は外部パートナーの力を最大限に活用。社内では部長とエンジニアが常に意見を出し合い、サービスに反映させている。

エンジニアのモチベーションリソースはいくつも挙げられる。第一に「自社サービス」を手掛けているという事実がある。しかもその自社サービスは、エンジニア自身もユーザーとなるものなので、常に自分に引き付けてより良いサービスを考えられることが大きい。さらにそのサービスが目指すものが「国民の健康増進への貢献」であることから、世の中の人々の役に立っているとの実感も得られる。

第二に、頼りになる部長の存在である。メンバーの教育はもちろん、メンバーからの意見も随時吸収。フロントに立って、他部署とのコミュニケーションも積極的に行っている。エンジニアに対するアンケートによれば、「このような環境だからこそ自分もどんどん提案ができる」「裁量が大きく、サービスのアップデートに関わる機会に恵まれている」と好評だ。

第三に挙げられるのは、同社の代表取締役 玉井雄介氏が、エンジニアが働きやすい環境を作るために心を砕いていることだ。2022年6月現在、同社の社員は「出社」が基本だが、エンジニアについてはフルリモート勤務が可能だ。これは経営トップの玉井氏が「その方がエンジニアにとって働きやすいのであれば」という計らいで実現した働き方で、実際にエンジニアは全員フルリモート勤務である。なお、半年間の育児休暇を取得し、家族との時間をしっかり作った男性エンジニアもいるそうだ。

このような環境の中で、まずは年内の大規模なアップデートを完了させることがシステム部の目標となっている。しかし、今後はさらに壮大な計画がシステム部を待ち受けている。それはPHR（Personal Health Record：個人の健康・医療・介護に関する情報）を集積したプラットフォームの構築だ。患者が自らの治療履歴や処方された薬に関する情報を保持し、プラットフォームに登録。必要な時には本人がアクセスし、医療機関に開示する仕組みだ。このプラットフォームが実現すれば、何らかの事情で病院を変えても、問診票に一から記入したり、レントゲンを撮り直したり…という手間がなくなり、すぐに受診できる。そうなれば「予防診療」がさらに浸透し、健康増進に繋がる。この重要なプラットフォームの構築にも、システム部のパフォーマンスが期待されているのだ。

実は同社にとってエンジニアを公募するのは初めての試みだが、受け入れ体制は既に十分に整っていると言えるだろう。

前項でも触れたように、フルリモート勤務が可能であること。また、勤務スタートに当たって必要な備品は原則として全て希望通りのものを揃えられる。

教育にも熱心だ。例えば「教育メンバーシップ」制度では、月1万円を支給の上限として、（エンジニアに限らず）社員の学びをサポートしている。外部の研修、資格取得のための費用、書籍・資料の購入等、目的は問われない。また、実務に直接関係しない学びについても支給の対象となる。簿記の資格でも中国語会話でも、自ら学んで身に付けたいものがあれば、同社は費用面でのサポートを惜しまない。

実務に直結しない学びについては、外部講師を招いた社内勉強会もその一環として挙げられる。これは全社員が参加必須で、今まで「量子力学」「古事記」「GHQ」等をテーマにした勉強会が開催されている。「積極的に専門外の知見を身に付け、実務におけるクリエイティビティの発揮に役立ててほしい」そんな玉井氏のメッセージが込められたプログラムなのだ。

また、「体づくりメンバーシップ」制度は、運動に関することであれば内容を問わず、上限月1万円が支給される。ジムの費用、ゴルフのレッスン料等に活用している社員が多いそうだ。通勤がないフルリモート勤務で運動不足になりそうな場合は、同制度の活用をお勧めしたい。

もっとも、フルリモート勤務であっても他部署の社員との接点は多い。毎朝定例のオンラインミーティングでは画面上で全員と顔を合わせるし、業務開始後も何かしら必ずコミュニケーションがあるという。もちろんオフィスにはいつ出社しても問題ない。フリーアドレスなのでどこで業務をしても構わないし、備え付けのソファに寝転がり、リフレッシュもできる。ビールサーバーも用意されていて、夕方になると利用し始める社員が出てくる。ちなみに「いつでも出社できる」と書いたが、土・日にオフィスに来ても全く問題ないそうだ。

オフィスの居心地の良さに気を配る背景には、「仲間あっての会社であり事業がある」という書き出しで始まる同社のコアバリューが存在している。予防治療の推進も、国民の健康増進も、社員が互いに仲間として受け入れることで初めて成し遂げられる。その認識がオフィスの整備だけではなく、同社のあらゆる制度に反映されているのだ。このインクルーシブな環境で、自社サービスを磨き上げ、PHRプラットフォームの構築に携われるエンジニアは、とても恵まれているのではないだろうか。