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株式会社さすがや

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新任社長の大胆な社内改革!北海道・東北・甲信越を中心に展開する買取専門店『さすがや』

平均年齢20代

企業について

株式会社さすがやは、地方の商業施設を中心に、宝石や貴金属、ブランド品の買取専門店『さすがや』を展開するリユース企業だ。地域で暮らす人々が持ち込んだ品物を査定し、買い取った商品を国内外の販路で販売する。「地方と世界をコネクトする」を掲げ、都市部に集中してきた専門的な買取サービスを、地方でも利用できるようにしてきた。

店舗を構えるのは、地域住民が日常的に利用する商業施設が中心。食品や日用品を買う場所で、宝石や時計、ブランド品を査定してもらえる。販売店を併設しない店舗も多く、何かを買うよう勧められる心配もない。暮らしの動線へ入り、地域の相談窓口に近い存在になることが、同社の出店戦略である。

買い取るのは、ジュエリーや貴金属、ブランド品、高級時計等幅広い。店舗によっては、スマートフォンの買取・修理も手掛けている。ジュエリーのクリーニングやリフォームにも対応し、売却だけではない選択肢も提案している。地方では得にくかった専門サービスを、普段利用する商業施設へ持ち込んだことが、地域へ店舗網を広げられた理由の一つだ。

「一号店を出した北海道の北見は、買取店が多い地域ではありませんでした。そこで利用者を増やせたことで、地方にはまだ知られていない需要があると分かりました。買取は、広告を出せば狙った商品が集まる事業ではありません。普段から地域の方と会話し、信頼していただき、何かを手放そうと思った時に当社を思い出してもらう。地域へ溶け込むことが、そのまま事業の強さになります」(取締役社長・中崎杏美氏)。

地方の店舗で買い取った商品は、宝石や貴金属の卸売業者、加工業者等が集まる東京・御徒町に集約させる。商品の状態や相場を確認し、上野・アメ横の販売店やECサイト、海外の販路で販売する。国内では買い手が限られる商品でも、海外では高い需要がある場合もある。地方で買い取り、国内外で販売する。これが、同社の掲げる「地方と世界をコネクトする」という事業である。

「上野・アメ横に、全国で買い取った商品を販売する店舗が二つあります。アメ横は世界中から観光客が訪れる買い物スポットで、当社販売店に来店される方の約8割が海外のお客様です。海外では、日本で正しく査定され、販売されていること自体が商品への信頼に繋がります。『MADE IN JAPAN』ではなく、『CHECKED IN JAPAN』です。アメ横の販売店を通じ、地方で買い取った商品が外国の方々の手へ渡っています」(中崎氏)。

地域を大切にする姿勢は、地域貢献の取り組みにも表れている。事業で得た利益の一部を、出店地域へ還元している。2026年には、青森ねぶた祭・秋田竿燈まつり・盛岡さんさ踊り・山形花笠まつり・仙台七夕まつり・福島わらじまつりの「東北六大祭り」全てに協賛。51の自治体への「企業版ふるさと納税」や、地域のスポーツチームへの支援にも取り組んだ。

「お祭りには、子供から高齢者まで、世代を超えて人が集まります。一度の協賛で利益を得ることが目的ではありません。地域のお祭りを支え、社員も一緒に参加する。そこで当社を知っていただき、いつか売りたい物が出てきた時に『さすがやに相談しよう』と思っていただければ、それでいい。地域から得た利益を地域へ返し、長い関係をつくっていきたいと考えています」(中崎氏)。

北海道・東北を中心に店舗網を築いてきた同社は、さらに西への進出を見据えている。加えて、既に多くの店を構える北海道・東北にも、まだ新規出店の余地は大きいという。事業を広げるには、新しい出店先を見つけるだけでは足りない。宝石や時計、ブランド品の価値を判断し、偽物を見抜く力は短期間では身に付かないため、経験豊富な査定士を全国全ての店舗へ配置することも難しい。そこで、同社は店舗にいる一人の査定士だけに判断を委ねない仕組みを整えている。

経験の浅い査定士が判断に迷えば、商品情報や画像を社内システムへ登録する。本部や別の店舗にいる経験者が確認すべき箇所を伝え、必要ならオンラインで商談にも加わる。新人が高額商品の判断を一人で抱え込まず、目の前の顧客との会話に集中できる体制だ。商談後には、サポート役を務めた経験者がどこを見て、なぜその言葉を選んだのかまで振り返る。

宝石・貴金属の査定は、同社が特に強みを持つ領域だ。査定士は原則として全員が、社内資格である「宝石鑑定士」の取得を目指す。年に一度の試験へ挑み、宝石の価値を判断する専門知識を身に付けていく。

「若い社員が、いきなり宝石の査定を任されても難しいと思います。お客様も、本当に価値を分かってくれるのか不安です。金や時計の相場は日々動き、新たな偽物も現れる。当社では毎日オンライン研修を開き、理解度を確かめるテストも実施しています。入社時の研修と店舗でのOJTだけで終わらせず、働きながら知識を更新し続ける。約2年をかけて、継続的に社員を育てる研修制度へつくり直していきます。」(中崎氏)。

店舗社員が身に付けるのは、査定の知識だけではない。一部の店舗では、査定士がスマートフォンの画面やバッテリーの交換も担う。練習に加え、作業中の動画を研修担当者へ送り、オンラインで実技の確認を受ける。難しい修理は専門業者へ任せながら、対応できる技術を増やしていく。

「スマートフォンの修理も、買取と同じ店舗、同じスタッフが担当します。売りたい物がなくても、修理なら来店していただける。修理の相談を受ける中で、買取に繋がることもあります。北見の一号店でも、スマートフォンの修理を扱っていたことが、地域の方に店を知っていただくきっかけになりました。査定だけでなく、働きながら複数の技術を身に付けられる環境があります」(中崎氏)。

全国の店舗を支えるのは、経験豊富な査定士だけではない。社内SEが情報共有の基盤を整え、人事が採用・教育を設計する。販促やデザインが来店のきっかけを作り、FC加盟開発やスーパーバイザーが出店と店舗運営を支える。販売管理は、全国から届く商品を管理し、次の販売へ繋ぐ。

「創業以来、『さすがや』は急速に店舗数を増やし、東日本を中心に全国100店舗を展開するまでになりました。現在は全国300店舗を目指す拡大計画を進め、売上高100億円も視野に入れています。その成長を支えるには、IT基盤を整え、業務の効率化とデジタル化を進める社内SE、発信力を高めるクリエイティブ・マーケティング人材、採用を通じて組織を強くする中途採用担当等、本社にも異なる専門性を持つ人材が必要。店舗を増やし事業を広げるだけでなく、成長を支える本社組織をつくり直している段階です」(中崎氏)。

全国300店舗を目指す同社は、店舗網の拡大と同時に、組織を土台からつくり直している。創業者で代表取締役会長の佐藤貴夫氏が対外営業や事業拡大を担い、社内改革は取締役社長の中崎氏が率いる。中崎氏は創業メンバーではなく、労務担当として入社し、社長に就任した人物だ。

中崎氏が入社した当時、離職率は72%に達していた。労務データと退職理由を分析すると、採用、教育、労務、評価、報酬を別々の担当者が担い、人材に関する方針が一つに繋がっていないことが分かった。中崎氏は改革案をまとめ、人に関わる領域を一貫して統括する体制を提案。佐藤氏は、人の流出を止めなければ事業の成長も止まると判断し、中崎氏を取締役社長に任命した。

「私は、社長になりたいと提案したわけではありません。役職はいらないので、採用から育成、評価、報酬までを一つの方針で統括させてほしいと伝えました。ところが、会長から『取締役社長を引き受けてほしい』と言われたんです。労務担当として社員が辞める理由を見てきた私だからこそ、変えられることがある。引き受ける以上は、一部の制度ではなく、会社の在り方からつくり直そうと決めました」(中崎氏)。

中崎氏が進める改革では、買取業界で一般的な売上連動型の個人インセンティブ制度を廃止した。個人の数字だけを追う制度では、仲間を育て、知識を共有し、店舗全体を強くする仕事が評価されにくい。新制度では、チームの成果、人材育成、マネジメント、組織への貢献も評価する。

「個人インセンティブで稼ぎたい人には、ほかの買取会社を選んだ方がいいと、採用時にもはっきり伝えています。当社がつくりたいのは、一人だけが勝つ会社ではありません。一件の買取も、店舗の査定士だけでは完結しない。判断を支え、商品を管理し、販売する人達がいて初めて利益になります。知識を自分だけのものにせず、仲間へ渡す。チームをどれだけ強くしたかを評価する会社へ変えています」(中崎氏)。

知識や改善策を一つの店舗だけにとどめず、会社全体で共有するため、店舗への集客や販促、在庫・金銭管理等、全社に共通する課題ごとに横断プロジェクトを立ち上げている。各地の店舗社員が、役職や所属店舗を超えて施策を考え、現場で試した結果を持ち寄る。成果が出た方法は全国へ展開し、一店舗の成功を会社全体の成長へ繋げている。

個人の数字で競う会社から、会社全体を強くする人を評価する会社へ。経営の舵を大きく切る以上、中崎氏は社員の半数が会社を去ることさえ覚悟していたという。しかし、退職者は想定ほど増えず、改革開始後、離職率は72%から29%へ改善した。

「インセンティブをなくせば、大勢が辞めるかもしれないと思っていました。でも、実際は違いました。社員が求めていたのは、学ぶ機会があり、仲間を支えた仕事も評価される会社だったのだと思います。改革全体の進捗は、まだ25%ほど。ようやく地上へ出て、種をまき始めた段階です。大手企業のように、必要な仕組みが全てそろっているわけではありません。足りない仕組みを一つずつ作ることが、今回加わる方の仕事です。未完成な部分を余白として楽しみ、第二創業期の会社を一緒につくってほしいですね」(中崎氏)。

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インタビュー

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取締役社長 中崎 杏美氏 創業者より社内改革の推進を託された取締役社長。アパレル業界、人材紹介会社でのキャリアカウンセラー、事業会社の人事等を経て、労務の仕事へ。株式会社さすがやには労務担当として入社。社員の離職理由や組織の課題を分析し、人に関わる領域を一貫して見直す改革を提案。その実行を担う中で、取締役社長への就任を打診された。現在は、創業者の佐藤貴夫氏と役割を分担しながら、第二創業期の組織づくりを進めている。

── 労務の仕事に、なぜそこまで面白さを感じたのですか?

最初から人事や労務を目指していたわけではありません。卒業して初めて正社員としてはたらいた会社ではアパレルのOEMメーカーに入り、営業や企画、商品の仕入れ、出荷まで幅広く経験しました。その後、人材紹介会社でキャリアカウンセラーを務め、事業会社の人事へ移りました。労務を担当するようになったのは、その後です。最初は、自分に一番向いていない仕事だと思っていました。でも、やってみると面白かったんです。

例えば勤怠を見ていると、それまで遅刻しなかった人が急に遅刻するようになる。評価を集計すると、以前は評価が高かった人の数字が下がっている。気になって話を聞くと、... 続きを読む

企業情報

会社名

株式会社さすがや

業界

その他 > その他業界

企業の特徴
平均年齢20代
資本金

1,000万円

売上(3年分)

2025年 6月 81億円

2024年 6月 50億円

2023年 6月 42億円

設立年月

2018年07月

代表者氏名

代表取締役会長 佐藤 貴夫

事業内容

ジュエリー・宝飾品・貴金属等買取
ブランド品買取
高級時計買取
スマートフォン端末買取・修理

株式公開(証券取引所)

従業員数

190人

本社住所

東京都台東区台東4-33-1 クロスポイント御徒町 6F

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