株式会社EVeM

株式会社EVeM（イーブン）は、「マネジメントを誰でもできるテクノロジーにする」をミッションに、マネジメント職の人材に向けたマネジメント業務支援サービスを展開している会社。中でも『マネ型パートナー』は、研修サービスやコーチングとは一線を画した個別伴走型支援であることが特徴だ。

事業立ち上げのきっかけとなったのは、代表取締役である長村禎庸氏がメディアプラットフォームに公開したスライド約300枚のベンチャーマネージャーのマニュアル。ベンチャー企業でマネジメントや組織を強化することの大変さを自ら経験し、マネジメントの重要性を痛感。自身の経験を基にまとめて公開したところ、4,000以上のスキがもらえたことでニーズがあると確信し、集合型の研修サービスとして事業化。設立から約5年で支援したマネージャーは2,100人以上に上る。

当初の研修サービスから支援によりフォーカスしたのが『マネ型パートナー』だ。マネージャー一人ひとりに専属トレーナーが付いて定期的に1on1を実施し、課題の整理や解決に向けたアクションを支援。状況によって変わる課題や求められることをタイムリーに支援している。

集客方法は、マネジメントへの課題感やメソッドに触れてもらうためにもコンテンツマーケティングが中心。レクチャーイベントやコンテンツ配信のほか、ワークショップを開催することもあるのだそう。顧客は当初20～300人規模のIT系スタートアップやベンチャー企業が中心だったが、現在は地方の新聞社や大手建設会社・メーカー等の様々な業界・規模の企業に広がっている。

「元々は、変化が激しくリリースが潤沢ではない中で事業やサービスをこれから大きくしてくためにどのようにマネジメントしたらいいか、というのをテーマにしていました。でもいろいろ話を聞いていると、地方の企業や大手企業でも新しいチャレンジをしていかないといけない状況や部門が生まれていて、ベンチャー向けにつくり上げてきたものがいろいろな状況に当てはまると感じたんです」（Vice President・辻本知範氏）。

マネジメントは、難しい業務にもかかわらず現場で学べという風潮が強く、経営の重要課題でありながら高い緊急度で扱われることは少ない。だからこそ、一緒に考え解決していくパートナーが必要だ。同社は、あらゆるチャレンジを成功に導く“マネジメントの力”を授けている。

同社では、主軸サービスである『マネ型パートナー』に確かな手応えを感じていることから、今後さらにスケールさせていくための準備を進めている。
日本には約800万人のマネージャー職が存在すると言われている中で、同社の野望は100万人にサービスを届けること。その実現に向けて、組織の拡大と最先端テクノロジーを活用したサービス拡張を目指す。

より多くのマネージャーを支援するための人材リソースの確保に向けて、自社トレーナーだけではなく業務委託の外部トレーナーも増やしていく。アカウントセールスやマーケター等の各職種の採用も積極的に行い、ゆくゆくは500名規模の組織にしたいと考えている。

また、テクノロジーの力を駆使した新しいプロダクト開発にも取り組み中だ。現在も目標・戦略管理のためのAI搭載SaaSを提供しているが、新たに最新のAIを駆使してメンターができるプロダクトづくりに挑戦している。それによって、例えば本部長には人のトレーナーが伴走し、チームのマネージャーにはAIトレーナーを活用してもらうという支援ができるようになる。

「高度な壁打ちやディスカッションができる共通のフレームワークをつくってそれを生かしたサービスになるので、既存のAIやSaaSとは全く違う、大きな発明をしていくことになります。本来、マネジメントという複雑性の高い業務の壁打ちをAIと行うのは、AIが発達してきてはいるものの安定した品質を求めるのは難しいです。ただ私達のサービスはコーチングではなく、マネジメントの課題を言語化するプロセスやメソッド等しっかりしたアジェンダ管理による1on1を通じた支援になるので、AIがアジェンダを厳密に守って運用するということが比較的やりやすいと思っています」（辻本氏）。

同社では一般に生成AIが普及する前から社内で最先端AIの活用を進めており、開発においてもClaude Codeや有料版のGPT、Cursorを活用。それでも技術的にかなりチャレンジングな開発と言える。
ただ、同社はきちんと管理されたアジェンダやメソッドを持っており、これまでに培ってきたノウハウがある。だからこそ「私達にこそ開発できるものだと思っている」と辻本氏。メディアプラットフォームに投稿した一つのマネジメントマニュアルは、これからも形を変えながら確実に世の中に広がっていくだろう。

同社には会社のミッションに共感した精鋭が集まっている。組織体制は正社員18名（2025年10月現在）に加えて業務委託のトレーナーで構成。マネージャー経験者が多く、ロジカルな思考を持ち自律自走できる人材が揃っていることも特徴だ。出社とリモートワーク併用のハイブリッド型だが、毎週の全社定例会のほか四半期ごとにサービスや会社についてディスカッションを行う1日合宿を実施。社員間コミュニケーションやインプットの機会を設け、連携体制の強化に努めている。

採用のポイントは、知的探求心が旺盛で自分の頭で考えて意見を発することができる人。実態のあるものづくりではなくノウハウを提供する事業だからこそ、自分の中で消化して自分の言葉で伝えるプロセスが必要だからだ。現時点でマネジメントそのものへの興味は重要ではないと辻本氏は語る。

「セールスもマーケティングも商材が好きかどうかは重要ポイント。難しい商材ではありますが、こんなメソッドがあるんだと興味を持ってもっと知りたいと思える方、物事や仕組み・人への知的好奇心のある方が当社には合うのではないかと思います。論理的思考も確かに大切ですが、自分で考えて自分の言葉に置き換えていくことが好きな方であれば、経験を積むうちにできるようになるはずです」（辻本氏）。

ロジック中心のコミュニケーションが多いためか一見落ち着いているように見えて、実は内側では大きな野望を持っている社員が多いとのこと。それはEVeMとしての大きな野望がカルチャーに浸透しているからなのだろう。

「最近はマネージャーになりたい人が減っている風潮があるように感じます。その一方で、会社のチャレンジや事業を大きくするキーパーソンはやはりマネージャーです。マネージャーという職業のやりがいも一人で出せるものではないと思っています。私達がやりたいことは、支援を通じてマネージャーの方々により元気に、やる気を持っていただくことが重要で、そういう世界をつくりたいと思っています。こうした思いに共感して、マネージャーを元気にしたい、マネージャーがもっとカッコよくなる社会をつくりたいと思ってくださる方に当社の門戸を叩いていただきたいです」（辻本氏）。

深い理解が必要な事業にこそ好奇心がかき立てられる。そんな方はぜひジョインして、より良い社会をつくり出す挑戦をしてほしい。