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インタビュー画像代表取締役 呉 京樹

異色とも言えるキャリアを歩まれてきた呉さんですが、ゲーム業界の最前線からなぜ独立を選んだのでしょうか。私たちが掲げる「クリエイターが輝ける社会を創造する」というミッションに繋がる、創業の原点を教えてください。

◆ 現場の最前線にいたからこそ見えた「業界の負」 私のキャリアは少し変わっていて、最初は建設会社からスタートし、その後デジタルハリウッドで学び直してゲーム業界へ飛び込みました。「バイオハザード」などのグラフィックを担当していた時期もあります。まさに私自身が、クリエイティブの現場で朝から晩まで泥臭くモノづくりをしていた人間でした。その後、ビジネスや営業の力をつけるために人材会社へ転職し、2006年に独立しました。 なぜこの会社を立ち上げたのか。その原点は、自分がクリエイターとして現場で働いていたときに感じた、強烈な違和感にあります。クリエイティブの世界は一見華やかですが、その裏側には、不透明な発注プロセス、度重なる仕様変更、過度な長時間労働やそれに伴う薄給など、クリエイターの情熱や人生を搾取するような「業界の負」が数多く存在していました。 素晴らしい才能を持っている人が、環境のせいで疲れ果てて業界を去っていく。そんな状況をどうしても変えたかった。「クリエイターが正当に評価され、最高のパフォーマンスを発揮できる仕組みを作りたい」。その一心で、クリエイターズマッチを創業しました。この原点があるからこそ、私たちは今もブレずに進み続けられているんです。

今でこそ「プロダクト・制作・教育」の3つの事業が強固に連動していますが、創業当時は大変な挫折もあったと聞いています。ただ繋ぐだけではダメだと気づき、現在の三位一体のビジネスモデルへと舵を切った背景を教えてください。

◆ 「ただのマッチング」から始まった、クレームの嵐 創業当初は、仕事を頼みたい企業と全国のクリエイターを繋ぐ「マッチングサイト」の運営からスタートしたんです。しかし、蓋を開けてみると現場はクレームの嵐。納期が守られない、クオリティが担保できない、連絡が途絶えるなど、トラブルが多発しました。 そこで私は猛省しました。「ただプラットフォームを置いて繋ぐだけでは、誰も幸せにできない」と気づいたんです。企業が安心して発注でき、クリエイターが迷わず最高の力を発揮するためには、私たちが間に入って「クオリティを管理する仕組み」と「クリエイターを育成する教育」が絶対不可欠だと痛感しました。 この手痛い挫折から生まれたのが、現在の3つの事業ブランド(thinc)です。 thinc Workplace(制作): ディレクターが間に入り、400名超の所属クリエイターと共にハイクオリティな制作を安定して提供する。 thinc Growth(教育): 未経験からでも地方で学び、地方で稼げるクリエイターを育てるインフラを創る。 thinc Project(自社プロダクト): 制作現場の煩雑なやり取りやノンクリエイティブな雑務を徹底的に効率化する、クリエイティブ特化型SaaS「AdFlow」の開発。 この「自社プロダクト・制作・教育」が三位一体となって循環する仕組みこそが、他社には絶対に真似できない私たちの最大の強みであり、あの挫折があったからこそ辿り着けた最高の財産ですね。

会社は創立20期目という節目のフェーズを迎えました。自社SaaS『AdFlow』の普及にとどまらず、2025年にローンチした『Task Relay』を含め、経営の意思決定から実際の制作までを「一本の線でつなぐプラットフォーム」へと進化させていく、その一貫した狙いを聞かせてください。

◆ ツール提供の先にある「真のプラットフォーム」の完成へ おかげさまで、当社も20期目という大きな節目を迎えました。これまで積み上げてきた信頼と実績により、自社SaaS『AdFlow』は業界トップクラスのシェアを誇るインフラへと成長し、多くの大手企業(エンタープライズ)様にも導入いただけるようになりました。 しかし、20期目を迎えた今、私たちが目指すのは「便利なツールを売る会社」で終わることではありません。ツールの普及の先にある、クリエイティブ業界全体の仕組みの変革、つまり「真のプラットフォーム」を完成させるフェーズに突入しています。 今後は、この3つの事業をさらに深くシナジーさせていきます。たとえば、教育事業で全国の地域から発掘・育成した新しい才能が、自社プロダクトを使いこなし、制作事業を通じて東京の大手クライアントの仕事を地方にいながら正当な対価で請け負う。そんな、どこにいてもクリエイターが自分らしく、健康的に輝ける循環を日本全国、そして世界へと広げていきます。20年経った今も、私たちのミッションは1ミリも形骸化していません。むしろ、このフェーズだからこそ成し遂げられる壮大な未来に向けて、さらにアクセルを踏み込んでいきます。

展示会などのイベントはもちろん、日々の営業活動にも呉さん自ら足を運ばれて、メンバーたちと一丸となって顧客に向き合っていますよね。営業やCSといった部署の壁を越えた連携や、現場主導で最適解を導き出せる当社の組織の強さについて、呉さんの視点から教えてください!

◆ デジタル全盛だからこそ、あえて泥臭いアナログな現場を大事にする 新しいサービスを広げていくうえで、私は直接お客様と対話するリアルな現場をとても重視しています。デジタルで数字を追うことも大切ですが、日々の営業活動で自らお客様の元へ足を運んだり、展示会などのブースに立ったりして、直接言葉を交わして得られる熱量や潜在的なニーズは、画面越しでは絶対に見落としてしまうほど濃密だからです。 何より、営業やカスタマーサクセス(CS)のメンバーと一緒に最前線に立ち、「自分たちが信じているプロダクトが、本当にお客様に刺さる瞬間」をチーム全員で共有することに大きな意義があると考えています。私たちの組織は営業とCSの間に一切壁がありません。営業の場でも、導入後の具体的な運用設計や現場の細かい仕様の話になった瞬間、後ろに控えるCSメンバーへ阿吽の呼吸でパスを出す。そんな見事なバトンパスが日常的に行われています。 ◆ 現場の声を起点に、いつでも「柔軟に方針を変えられる」強さ 過去にみんなで動いたプロジェクトでも、現場での対話を通じて「お客様が本当に困っていることの本質」にみんなで気づいた瞬間がありました。そのメッセージを最大限伝えるために、それまで準備していた提案の方向性やキャッチコピーを、直前にもかかわらず一度白紙に戻し、180度新しい形に作り直したことがあります。 普通なら現場が混乱して終わりですが、メンバーからは「もっとこうしましょう!」とより良くするためのアイデアが次々と出てきました。役職や部門の壁を越えて、全員が「お客様の本質的な課題解決」の一点に集中して取り組める。自分たちの手で価値を再定義し、その場で形を変えていけるこの柔軟さと一体感こそが、クリエイターズマッチの最大の強みであり、大きな自信になっています。

生成AIの普及と、私たちのミッションである『クリエイターが輝ける社会』の両立は、今まさに挑んでいる難易度の高い課題だと思います。私たちが持つ「行動データ」という武器、空間や時代に縛られず、変化を前向きに楽しめる新たな仲間への熱いメッセージをお願いします!

◆ 15年以上実直に溜めてきた「行動データ」が最強の武器になる AI活用において多くの企業が陥っている罠は、AIの導入ばかりに目が行き、その学習の土台となるデータが整っていないことです。AIを適正に動かすには情報の集約が必要ですが、現場での情報の分散こそがDXを阻む最大のボトルネックになっています。 その点、ウチは長年にわたり、「誰が、いつ、どんな判断を下して、制作物がどう変化したか」というクリエイティブの制作プロセスそのものを「行動データ」として溜め続けてきました。このプロセスの蓄積こそが、AI時代における最強のアセットになります。企業の文脈に沿った最適な制作工程や判断基準を導き出せるのは、私たちのように実直にデータを蓄積してきたプラットフォームだけだと考えています。 ◆ 「作業」を徹底的に効率化し、「創造」の領域へ引き上げる 正直に申し上げます。今は過去一番難易度の高い局面にあります。AIによって「作業」としてのデザインが代替されている波は、抗いようのない時代の流れです。私たちが効率化を追求すればするほど、現場の仕事が奪われるのではないかという葛藤もあります。しかし、だからこそ今、ウチの存在意義があると思っています。 私が考えている両立のあり方は、AIに代替される「作業」を徹底的に効率化し、クリエイターをより高次元な「創造」の領域へとシフトさせることです。単に手を動かす時間を減らすのではなく、浮いた時間で顧客の課題解決や本質的な価値創出に集中できる環境を作る。それこそが、新しい時代の『クリエイターが輝ける社会』の形ではないでしょうか。 ウチは制作とSaaSの両輪で15年以上継続してきた業界のパイオニアです。AIを脅威として捉えるのではなく、それをどうプラットフォームに取り込み、クリエイターの価値を最大化できるか。その旗振り役を、これからも担い続けたいと考えています。 ◆ 正解のない課題さえも、前向きに楽しめる仲間へ クリエイターズマッチは、一言でいえば「変化を前向きに楽しめる」会社です。既存の枠組みに縛られず、自分たちで議論を重ねて納得のいく答えを見つけ、即座に形に変えていく。そんな柔軟さとスピード感こそが、当社の強みでありカルチャーです。 私には、一緒に働くメンバー全員に「AI時代でも生き残っていけるスキル」を身につけてほしい、そのために彼らを引き上げてあげたいという強い思いがあります。 私たちが目指す未来や、挑んでいる壁は決して低いものではありません。ですが、だからこそ面白い。激動の時代を楽しみながら、指示を待つのではなく自ら主役となって、共にクリエイティブの未来を切り拓いていける、そんな熱い仲間をお待ちしています。20期目という面白いフェーズの組織に飛び込んできてくれる新たな仲間と、面接でお会いできるのを心から楽しみにしています。

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