法律業界を取り巻く環境が変化する中、事務所に求められる役割をどのように捉えていますか?
企業を取り巻く社会・経済の状況や国際情勢は、以前にも増して速く変化しています。デジタル空間の拡大に加え、環境、人権、安全保障等、企業が判断する際に考慮すべき課題も増えました。一つの案件に複数の専門分野が関わったり、複数の国や地域をまたぐ対応が求められたりする場面も多く、依頼者が法律事務所に求めるサービスは複雑化、高度化しています。複数の専門分野を横断し、地域を越えて考えることが、これまで以上に重要になっています。 扱う課題と共に、情報の届け方も変化しています。依頼者が求める情報の受け取り方は多様になり、デジタル技術によって、弁護士やスタッフの仕事の進め方も変わりつつあります。法律事務所には、専門知識を備えた人材を機動的に集め、それぞれの知識や経験を組み合わせ、依頼者が実際に活用できる形で届ける力が求められています。 こうした状況で私達が重視しているのは、依頼者が直面している問題の本質を見極めることです。法務の専門性とデジタル技術を適切に組み合わせ、迅速かつ効率的に解決策を提供する。目の前の課題ごとに、どの分野の知見を集め、どのような方法で届けるのが最適なのかまで考えなければなりません。 環境が大きく変わる時代ほど、法律事務所には、依頼者が直面する課題を正確に捉え、企業の判断に資する解決策を提供する役割があると思います。依頼者の事業や課題を理解し、必要な専門性と技術を結び付けながら、最も信頼されるパートナーであり続けることを目指しています。
変化に対応しながら、長島・大野・常松法律事務所が変わらず大切にしている軸は何でしょうか?
私達が大切にしているのは、「揺るがない軸で、本質を追究する」ことです。法律や技術、社会の状況が変わっても、依頼者が本当に解決したい課題は何かを見極め、最適な解決策を提供する姿勢は変わりません。 法律は、課題を解決するための手段です。法的に正しい答えを示すことに加え、その答えが依頼者の置かれた状況やビジネスの中で、どのような意味を持つのかまで考える。私達は、その積み重ねが質の高い法務サービスに繋がると考えています。「本質」という言葉に、あらかじめ決まった答えがあるわけではありません。依頼者は何に困り、どのような状態を実現しようとしているのか。課題ごとにそこへ立ち返ることが、私達の判断の出発点です。 この考え方は、弁護士だけに求められるものではありません。エンジニアやWeb広報、バックオフィスのメンバーにも、単に依頼された業務を処理するサポート役ではなく、この理念を実現する担い手であってほしいと考えています。情報を届ける仕事でも、システムを開発したり守ったりする仕事でも、手段を先に決めるのではなく、その先にいる人にどのような価値を提供するのかを考える点は共通しています。 職種や専門分野が違えば、見えている課題も異なります。それぞれの知識や視点を持ち寄り、本当に求められている解決策を探す。高い専門性を持つ人が役割の枠を超えて協力することが、私達の理念を日々の仕事へ移していく力になると考えています。
専門性の異なるメンバーが協力することを、なぜ重視しているのでしょうか?
私達は、質の高い法務サービスは、異なる専門性が組み合わさることで生まれると考えています。一人ひとりが自分の力を高め、その知識や経験を組織に集める。これは、当事務所の設立時から大切にしてきた考え方です。 案件によって、求められる知識や経験、対応の方法は異なります。そのため、依頼者ごとに弁護士のチームを固定せず、案件に応じて適切な人材を集めています。それぞれが得意とする分野から意見を出し、異なる視点を重ねることで、一人では見つけられなかった解決策を探していきます。 法務サービスをつくっているのは弁護士だけではありません。秘書、パラリーガル、事務局スタッフも、それぞれの専門性を持つプロフェッショナルです。依頼者に近い場所で課題を捉える人、法律や手続きを深く調べる人、情報を届ける人、組織や仕事の環境を整える人が、自分の役割からサービスの質を高めています。 協力するために、全員が同じ考え方を持つ必要はありません。役割やバックグラウンドの違いは、チームに新しい視点をもたらします。自分の専門性を磨き、相手の専門性も尊重し、必要な情報や意見を共有する。互いの仕事を理解しながら、それぞれが力を発揮できる形を探ることが重要です。 異なる強みを結び付け、組織として依頼者の期待に応える。個々の力と、知識が集まる組織の力。その両方を高めることが、最高の質を追求し続けるための基盤になっています。
AIやデジタル技術を、今後の法務サービスにどう生かしたいですか?
AIやデジタル技術は急速に進化し、法律事務所の仕事の進め方も変えています。私達は、新しい技術を導入すること自体を目的にはしていません。テクノロジーは、依頼者へより高品質なサービスを提供するための手段です。何ができるかという技術の側から考えると同時に、それによってどのような課題を解決し、どのような価値を生み出すのかを考えることを重視しています。 当事務所では、2017年にLegalTechのプロジェクトチームを発足させ、機械翻訳、RPA、ドキュメント管理、法務デューデリジェンスの支援等、複数のテーマで実証と検証を進めてきました。弁護士に加え、秘書、パラリーガル、IT部門、図書・データベース部門等が連携し、現場にある課題を洗い出しながら改善を重ねています。 法務サービスでは、情報の正確性や信頼性を保ちながら、複雑な業務を迅速かつ効率的に進めることが求められます。技術を使えば、情報を探す時間を短縮したり、知識や経験を共有しやすくしたり、定型的な作業の負担を軽減したりできます。そこで生まれた時間や情報を、より深く課題を検討し、依頼者に向き合うために生かすことが重要です。 技術は導入すれば完成するものではありません。実際の業務に合っているかを確かめ、利用する人の意見を受け取り、運用と改善を続ける必要があります。法務の専門性とデジタル技術を結び付けながら、本当に依頼者の価値に繋がる仕組みを追求していきたいと考えています。
今回の採用を通じて、どのような方と、どのような組織をつくっていきたいと考えていますか?
私達が求めているのは、高いプロ意識を持ち、自分の専門性を磨きながら、変化や新しい課題に向き合える方です。当事務所に集まる人の役割やバックグラウンドは様々です。自分とは異なる知識や経験を持つ相手を尊重し、互いに高め合うことが、質の高い法務サービスを生み出す力になると考えています。 社会の構造や価値観、依頼者が抱える課題が変われば、私達の組織や仕事の進め方も変わらなければなりません。今ある仕事を正確に行う力に加え、より良い方法を考え、自分から提案する姿勢を大切にしています。当事務所では、良いサービスや組織づくりに繋がるアイデアであれば、発信者の年次にかかわらず積極的に採用し、事務所の新しいスタンダードとして広げています。 日々の仕事の中で得た気付きを見過ごさず、周囲と話し合いながら形にしていく。その積み重ねが、個人の成長と組織の成長の両方に繋がります。自分の担当業務に責任を持ちながら、事務所全体や、その先にいる依頼者まで見渡せる方と働きたいと思っています。 私達が目指すのは、高品質なサービスを提供し続けると同時に、そこで働く一人ひとりが誇りと充実感を持てる組織です。異なる人達が互いの力を生かし、一人では実現できない価値を生み出していく。「Your Most Trusted Partner」という言葉に共感し、法務サービスの未来を共につくる仲間になっていただきたいと考えています。