株式会社GSD

システム開発会社の、株式会社GSD（Global Solutions Delivery）。創業者である代表取締役が中国出身（日本国籍）で、中国人エンジニアが80%を占め（社内言語は日本語）、中国・大連にオフショア開発拠点を擁している点が特徴的。今日では中国のITは目覚ましく発展しており、優秀なエンジニアを確保できる点が大きな強みだ。そんな同社は、日本人のプロジェクトマネージャー/プロジェクトリーダーを求めている。

同社の業務形態は、SESが約70%、受託開発が約30%。SESにおいては、次のような実績がある。

・大手眼鏡ECサイト（機能強化）
・intra-martによる国の契約管理システム開発
・生保基本業務の新管理システム
・大手医療系企業のワークフローシステム
・大手電力会社の電力自由化システム
・クレジット会社の会員管理システム

受託開発においては、アメリカのグローバルEC企業のパートナーとして、日本版海外通販サイトの運用を任されている。そのほか、法律事務所の業務プロセス管理システムも手掛ける予定だ。

同社の強みは、前述のとおりレベルの高いエンジニアを揃えることによる技術力の高さ。Javaを主要言語とし、intra-martも得意としている。「intra-martは、私自身が十数年手掛けている」と代表取締役社長の王月（Wang Yue）氏は話す。この強みを買われ、同社のPM/PLおよびエンジニアの5～10名ほどでチームを組んで客先に入ることも少なくない。

同社の主要顧客は、複数の国内大手SIer。そのメリットについて、王氏は次のように話す。
「規模が大きく、長期に及ぶプロジェクトが多くを占めています。したがって、経営が安定的であると言えます」

自社プロダクト開発にも力を入れていく。その第一弾は、複数のECサイトでのオペレーションを一元管理できるSaaSの予定。
「自動翻訳機能も盛り込んで、越境ECにも対応させます」と王氏は意気込む。

さらに、総合商社やコンサルティングファーム出身の副社長によって、ITコンサルティング領域への展開も視野に入れている。

同社を2015年6月に創業した王氏は、学生時代から起業志向が強くあった。中国のテクノロジー関連企業でエンジニアとして3年半働いた後、来日して大手SIerに入社する。そこで8年半働き、intra-martをはじめとする高度なスキルや人脈を築いた。しかしながら、当時その日本企業で外国人は日本人と同様にキャリアアップを果たしていくことが難しい空気を感じる。
「そうではなく、日本人も外国人も、男性も女性も全く平等に働ける会社をつくりたいと思ったのです。それが当社を創業する大きな動機となりました」（王氏）。

ちなみに、前職から王氏の技術力は高く評価され、現在まで同社の主要顧客の1社として数多くの案件を提供される良好な関係性を構築している。こうした要因で、設立以来無借金経営を続けている。

そんな王氏は、2023年4月に大学院の経営管理研究科でMBAを取得した。その理由について、王氏は次のように説明する。
「初めて会社を経営して5年ほど経ったところで自分の知識不足を感じ、MBAの取得を思い立ちました。それとともに、私が学んだ大学院の経営管理研究科は大手企業等で実務経験を積んでいる優秀な人材が多く、いい人脈ができることも期待したのです。そこで、修了後にその大学出身者の同窓会組織役員に就任しました」

今後のビジョンとしては、短期的には2023年度のエンジニア稼働数150名を掲げる。また、同年度には中国の無錫と青島にもオフショア開発拠点を設け、IT人材を集める予定だ。「中国における開発スピードは日本よりも圧倒的に速く、コストパフォーマンスは高い」というメリットを追求する。

これを足場に、近い将来のIPOを狙う。王氏によると「信用力やブランドをつくり、人材採用も有利にしたい」という目論見だ。
先々には、中国だけでなく、シンガポールやネパール、ミャンマーといったアジア各国への進出も視野に入れている。

同社の社員数は89名（2023年5月現在。8月には100名の予定）。平均年齢35歳、男女比率は7対3という組織だ。システム開発会社の中では、女性比率が多い方だといえる。営業担当の大半は女性で、もちろん女性エンジニアも活躍している。女性の管理職もいるので女性社員が相談しやすく、育休取得後もリモートワークが主体の中で育児しながら仕事ができる等、女性が働きやすい環境にあることが大きい。

もちろん、男女平等、国籍関係なし、職種間も全くの平等。
「一般的なSESでは、営業が派遣エンジニアを管理していますが、当社では管理ではなく必要な支援を行う立場。また、エンジニアが常駐先のエンドユーザーに対して増員を提案する等の営業行為を高く評価しています」（王氏）。

社内コミュニケーションとしては、SESエンジニアと担当営業のランチミーティングが月1回行われている。また、エンジニア全体でも親睦会が行われている。全社としては、隔年での社員旅行があり、沖縄や北海道に出掛けている。

福利厚生としては、社会保険はもちろんであるが、さらに日常生活中のケガによる入院等に保険対応するサービスにも加盟している。また、パッケージ型福利厚生アウトソーシングサービスにも加盟し、全国各地の各種施設の割引が受けられる。
健康面では、健康診断はもちろん、人間ドックも会社が補助している。
人材育成では、テスト担当/システム運用⇒プログラマー⇒システムエンジニア⇒開発チームリーダー⇒システム企画/技術責任者といったステップアップを図る教育制度を整備している。書籍購入や外部教育受講、資格取得（合格時のみ）の費用も会社が負担し、支援。
「大手にも引けを取らない内容だと自負しています」と王氏は胸を張る。

そんな同社が求める日本人PM/PLの人材像について、王氏は次のように期待を寄せる。
「日々成長している当社は、空いている役員や部長クラスのポストを埋めなければならず、やる気のある方ならばこうしたポジションで活躍できます。一緒にこの会社を大きくしていくことにポジティブな方にぜひ来ていただきたいと願っています！」