アセットコア・テクノロジー株式会社 代表取締役社長　成川 和利 氏 1975年、丸文株式会社に入社、半導体の営業に携わる。1984年、リーダー商事株式会社（現・アセットコア・テクノロジー株式会社）を設立。現在、代表取締役社長。

これまでのキャリアについて教えてください。

大学を卒業してから、半導体商社の丸文という会社に入りました。特に商社の仕事や半導体に強い思い入れがあったわけではなく、ごくごく自然な成り行きで決まった就職でしたね（笑）。 丸文では、主として半導体の営業に携わりました。初めて社会人として働いて、仕事の厳しさ、お金を稼ぐ難しさを知りました。 半導体市場は現在と比べるとかなり小さいものでした。なにせパソコンが１台数百万円する時代で、オフィスでもせいぜいあってワープロという時代ですから。その当時、お付き合いさせていただいたお客様の多くは、その後、幅広い業界にちらばって活躍されており、半導体市場の広がりを実感します。 半導体の営業の魅力は、自分の売った商品がさまざまなエレクトロニクス製品に組み込まれ、世の中に出ていくこと。「この製品の中には自分が販売した半導体が入っているのだ」と想像しては喜びを感じたものです。

アセットコア・テクノロジーを設立した経緯は？

丸文には30歳までお世話になったのですが、仕事をするうちに「自分でもこういうことをやりたい」という想いが少しずつ湧いてきました。 具体的には、半導体の技術に取り組みたいという想いです。半導体の営業に携わるうちに、この業界は技術に立脚しており、技術こそが花形との結論に至りました。「ものをつくる立場、技術を考える立場で仕事がしたい」という想いで設立したのが、アセットコア・テクノロジーでした。

どのような会社にしていきたいですか？

やったことをきちんと評価できる、仕事にやりがいを感じられる会社にしていきたいと考えています。 技術の評価は非常に難しい作業です。なぜなら、営業であれば売上に多くが表れますが、技術の場合はアイデアに至るまでの「思考の時間」が必要であり、この部分をいかに評価するかで人材の価値は大きく変わってくるからです。数字に見えない部分をどのように評価すべきか今も試行錯誤を続けていますが、そうした部分も含めてしっかりと人材を評価できる会社になることが理想です。 また、対外的には、技術に立脚した会社として「技術のアセットコア・テクノロジー」として評価される仕事をしたいですね。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか？

当たり前のことを当たり前にやる、ということです。 多くの人は、その大切さに気づいているものの、徹底するのは思いのほか難しいようです。たとえば、大学に合格するためには何千語の英単語を覚えることが必要であり、1日いくつ覚えるべきか明白にもかかわらず、なかなか実行できない。また、営業では「訪問件数×滞在時間」で成果が決まるにもかかわらず、数字を伸ばすことができる人はごく一握りです。 スポーツの世界を見れば明らかですが、名選手と言わる人ほど基本の反復練習に重きを置いています。当たり前のことを数多くこなすことで、すべての仕事は量から質へ転換できるのだと確信しています。

どのような人材を必要としていますか？

あきらめないで、こつこつと仕事に打ち込むことができる人材を必要としています。これまで、多くの人材と仕事をしてきましたが、最後に勝つ人、成果を上げる人は、必ずと言ってもいいほど、こうした資質を備えていました。 当社では、やっていることのベクトルが間違っていなければ、一面的な事象だけを捉えて評価を下すことはしません。これから一緒に働く人には、焦らず、じっくりと取り組んでほしいですね。

プライベートの時間に楽しんでいることは？

ゴルフと乗馬です。 乗馬は社会人になってから始め、選手として競技に参加していた時期もありました。「動くものに乗ってみたい、自然や動物と触れ合いたい」と想ったことが始めたきっかけです。今も休日には乗馬を楽しみ、気分転換を図っています。 そうそう、以前NHKが『義経』という大河ドラマを放送していましたが、義経の馬として出てくる白馬は、私が所有している馬なんですよ、実は（笑）。