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株式会社日本デジコム

  • 製造・メーカー系

衛星通信サービスベンダーとして、“Society5.0”のインフラを支える

企業について

株式会社日本デジコムは、総務省管轄の登録電気通信事業者として衛星通信サービスを提供している独立系専門企業で、モバイル端末の提供においては国内唯一の存在である。なお、政府の許認可が必要なことから参入障壁が高く、新規参入事業者がほとんどないことがこの業界の特徴だ。

衛星通信とは、宇宙空間に打ち上げられた人工衛星を介して行われる通信方式で、陸上の電波が届かない僻地や極地、海上や上空もカバーする。災害時は断線や停電、通信の集中による輻輳(通信混雑)の影響を受けることがない。2011年に発生した東日本大震災では、携帯電話の通話量が通常の60倍に達し、最大で9割の通信量を規制する事態となった。こうした状況下でも安定した通信が可能な“最後の砦”となる、極めて重要な社会インフラである。

同社は、アメリカのインテルサット社やイリジウム社、スターリンク社、イギリスのインマルサット社、ワンウェブ社という衛星オペレーターからLバンド(1.5GHz)、Kuバンド(14GHz)、Kaバンド(28GHz)の各帯域の回線、および陸上用・海上用・航空用の様々な通信モバイル端末を仕入れてユーザーに提供するビジネスを展開している。
また、衛星通信機器とWiFiルーター等周辺ネットワーク機器をまとめて提案したり、遠隔地におけるRoIPによる無線機通信ネットワークの構築といったソリューションも提供している。

国内の衛星通信業界は、大手通信キャリアがそれぞれ特定の衛星オペレーターの専属的なディストリビューターとなって、主に国内に通信サービスを提供している。そうした中にあって同社は、あらゆる衛星オペレーターと均等に取引する独立系マルチベンダーとして、国内で最も多くの種類の衛星通信サービスが取り扱える強みを発揮。これによって、陸・海・空の各種フィールドで顧客のニーズに応じた最適な通信環境を提供している。

こうした特長が評価され、取引先(導入実績)は内閣府、国土交通省、防衛省、外務省、気象庁等の中央官庁、国際協力機構(JICA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、国立極地研究所等の政府系機関、東京都、静岡県、横浜市役所等の地方自治体、東京大学、京都大学等の教育研究機関、ドイツ大使館、カナダ大使館等の駐日外国公館、全国の国立・県立・市立・大学病院、災害医療センター等の医療機関、海運、航空、遠洋漁業、エンジニアリング等の一般企業を併せて約2,000社に及ぶ。

同社は、1999年2月、代表取締役の竹井裕二氏が設立した。

竹井氏はそれまで航空機の専門商社に在籍していた。その会社がアメリカの衛星通信機器メーカーであるヒューズ社の代理店でもあったことから、竹井氏は当時取引先であった海上保安庁から外国の不審船対応の一環として衛星通信に関する相談を受ける。
「これが、自分で衛星通信サービス専業会社として日本デジコムを立ち上げる契機になりました」と竹井氏は述懐する。
また、それまで国際機関として運営されていた国際海事衛星機構の事業部分が、当時インマルサット社として民営化され、一国一社だったディストリビューターを複数に広げる方針に変わった。日本においては日本デジコムにその要請が入り、同社は1999年3月、認定サービスプロバイダとなる。

その後、2001年にはイリジウム衛星電話サービス、2002年にはUAEのスラーヤ衛星電話サービス等、積極的に取引する衛星オペレーターを増やす。
「その後、専属ディストリビューターとなる要請をいろいろなところから受けましたが、頑として独立系の立場を守り抜きました。結果的に、今日のマルチベンダーとして、様々なユーザーのニーズに対応できる有利な立場に繋がっていると自負しています」(竹井氏)。
2006年には、総務省から登録電気通信事業者の認可を受け、官庁や地方自治体等の公的機関との取引拡大に踏み出した。

そんな同社が当面、力を入れていくのは、“Society5.0”における通信公共インフラの提供である。
“Society5.0”とは、第5期科学技術基本計画(2016年1月22日閣議決定)において、「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」として初めて提唱された、我が国が目指すべき未来社会の姿。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会像であり、2030年のSDGs目標の達成に向けたステップとして位置付けられている。

「様々なプロジェクトが運営されることになりますが、それらを推進するインフラとして高速・大量の通信サービスが必要となります。現在では、NTN(Non Terrestrial Network:非地上系ネットワーク)が想定されていますが、静止・低軌道・中軌道の各衛星通信をシームレスに扱える当社にも各方面から協力要請が入っています。まずは安全保障や災害への備えといった領域から社会実装していく計画が進んでいます」と竹井氏は話す。
国の新たな社会づくりのインフラ整備を担う同社。社会的貢献度の高さも大きな特色と言えるだろう。

同社の社員数は約40名(2026年4月現在)と少数ながら、高卒の10代から50代まで、幅広い年齢層の社員が集まっている。平均年齢は40歳、男女比は7:3といった組織だ。

組織風土に対する竹井氏の考え方を反映し、次のような価値観がある点が特徴的だ。

・コンセンサスは不要。
※裏の意味:違った意見があるからアイデアが刺激される。満場一致=全員一丸にあまり価値はない。口先ばかりのことでなく、行動(成果)を重視する。
・決められたルールは全て厳格に守る必要がある。
※裏の意味:ルールは、最低限必要なものに限定するべき。ルールがないものについては、できるだけ自主性やモラルで解決/解消する。
・情報は与えられるものではなく、自分から取りに行くものである。従って、できうる限り情報をオープンにする必要がある。
※裏の意味:取りにいけるための公開に注意を払う。各人が自由にアクセスできることを重視する。情報自体には価値がなく、どう生かせるかに比重を置く。
(以下略)

そして、「礼儀は別にして、当社には“言って悪いこと”は存在していない」と竹井氏は言う。誰もが誰に対してでも言いたいことがあれば何の忖度もなく言うことができる(奨励される)、真にオープンでフラットなカルチャーがあるのだ。「会社のどこかでよく社員同士が火花を散らしている」と竹井氏は目を細める。
グループウェアのカレンダーが全員に公開されており、会議を開催したければ誰でも自由に予定を入れて招集できる。
「もちろん、入社したばかりの新入社員が社長の私に予定を入れることもあります」(竹井氏)。

その根本には、「自分たちの存在意義とは何か? 何が求められているのか? といったことを常に考え、社員同士が議論し合って判断基準にしていってほしいとの思いがある」と竹井氏は話す。明日の営業戦略から中長期の事業戦略まで、様々なレンジで物事を決めていく際に、常に自らの立ち位置を明確にしていく風土が根付いているのだ。

こうした主体性が全社的に浸透しているからこそ、人材育成においても、50代のベテラン社員が自主的に新人などを集めて勉強会を開催している。
個人のキャリアステップにおいても、現在地点と目標地点の差分を明確にし、その達成度を上長と確認する形で人事考課を行い、成長を促進している。
「一定の賞与枠を巡って優劣をつけるといった相対評価ではなく、努力した分は制限なく絶対評価しています」(竹井氏)。

なお、人材育成としては、電気通信主任技術者の場合は月2万円など、資格取得者に手当を支給して能力や技術の向上を奨励している。
働き方としては、オフィスワークが基本だが、やむを得ない事情の際はリモートワークも認めている。竹井氏が、前述のとおり社員同士でリアルに議論できる環境を重視しているため、出社を義務付けている。また、地方出張が多く、入れ替わりで1年ほど顔を合わさない社員がいる場合も多いといった事情もあり、できるだけ集まる方針を取っているためでもある。このため、今年の全社員による花見大会は、数か月前から日程調整をしたという。

同社の求める人材像について、竹井氏は「向上心と素直さがあること」と言う。取引先の製品スペックを理解し、顧客に最適なソリューションを提案する上で不可欠の資質と言えるだろう。

企業情報

会社名

株式会社日本デジコム

業界

製造・メーカー系 > 電気・電子・機械・半導体

資本金

40,000,000円

代表者氏名

竹井 裕二

事業内容

・衛星通信サービスの提供(登録電気通信事業者 第327号)
・衛星通信機器の販売・レンタル
・衛星通信を活用した各種ソリューションの提供

株式公開(証券取引所)

従業員数

40人

平均年齢

44.7歳

本社住所

東京都中央区日本橋茅場町2-1-1 第二証券会館8階

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