代表取締役CEO 桜林 諒氏 2022年にアドファイト株式会社を創業。広告代理店と事業会社のマーケティング担当者の両方を経験したからこそ見える広告運用の課題にスポットを当て、「マーケティング担当者支援」を通じた事業成長を提供する広告運用を主軸に事業を展開している。

代表のキャリアは？

私のファーストキャリアは「教員」で、都内の小学校に勤務していました。親の教育方針で幼い頃から「安定した職に就く」という価値観に馴染んで育ってきたこともあり、希望通りの仕事に就くことができましたが、同時にビジネスの世界で活躍することにも憧れがありました。「今しかできない挑戦をしたい」と考え、転職を決意してWEB業界へ挑戦しました。 ビジネスパーソンとしてのキャリアは、WEB関連のベンチャー企業から始まり、LP制作も含めた広告運用の仕事に従事しました。ある程度の経験を積んだ後は広告代理店に移り、大手予備校の案件を担当し、戦略立案から施策の実行まで一貫して携わりました。 その後は事業会社へ転職して、TVCMのディレクション等、WEB以外のマーケティングの領域にも携わることでスキルの幅を広げてきました。常に新しい領域に挑戦し続けてきたことで、キャリアの階段を一段ずつ上ってきた実感があります。

アドファイトを創業した背景は？

私は、元々強く起業を志望していたわけではありません。ただ、スキルの幅を広げて様々な経験をすることで、最終的な未来の選択肢が増えていくと考えていました。その延長で、自身の選択肢を増やすために副業として広告運用での支援を始めるようになり、創業に繋がりました。 当社の創業から2年が経過した頃には、一緒に組織を作っていきたい、投資したいと思える人達に出会うことができ、組織化に挑戦できています。 今では、個人の挑戦を支えるプラットフォームとして「挑戦する人々を、幸せに。」を企業理念として会社の組織化を進め、次のフェーズに向けて歩みを進めています。

マーケティング担当者支援を強みにしているのは、なぜですか？

事業会社のマーケティング担当者として働いていた頃に感じていた「もどかしさ」が、当社のサービス提供の出発点です。マーケティング担当者なら、大なり小なり同じような感覚を持っていると思いますが、「もっと代理店に社内事情を理解してもらって、一緒に動いてもらいたい！」と感じるタイミングが何度もありました。 例えば、広告運用において、獲得件数や獲得単価だけの話で終わり、その先の事業の売上やビジネスへの貢献の部分まで考慮した話に進めない。悩みが解決されない。私が追っていた目標数値は事業の売上だったこともあり、それも考慮して代理店が伴走してくれたら嬉しいなと思っていました。 一方で、代理店で働いた頃は、事業会社のマーケティング担当者に対するもどかしさも感じていました。社内で話がまとまっていないまま依頼を受けることで、方針が二転三転することも頻繁にありました。作業だけが依頼されるケースも多く、施策の背景が分からないままでは適切な判断ができず、最大の効果を出すことが難しい。 広告運用は作業代行ではなく、戦略実行の一部であるべきだと痛感しました。 広告運用の成果を高めるには、依頼する側・される側、双方の齟齬を解消し、マーケティング担当者の置かれている現状や本音の深いところまで踏み込む必要がある。だからこそ、当社では「担当者支援」を打ち出しています。 施策の意図や社内事情まで汲み取り、社内調整の壁を乗り越える伴走者として機能することで、他の代理店とは違う価値を提供できると考えています。

企業理念「挑戦する人々を、幸せに。」に込めた思いは？

起業の際、絶対に大切にしたいと考えていたものがありました。それが、企業理念の「挑戦する人々を、幸せに。」です。 挑戦とは仕事に関することだけではなく、人それぞれで、様々なものがあると考えています。家族を支える、趣味に生きる、自発的に何かに取り組むことは立派な挑戦です。 挑戦する人が報われる社会をつくりたい。幸せに繋がる環境をつくりたい。そんな思いを理念に込めています。 そして、挑戦した人が幸せになり、その人がさらに新たな挑戦を行う人が報われるために何かを行う、そんな連鎖ができたら良いなと考えています。 会社の組織化は、まだ始まったばかりです。今、入社する人は、一緒に会社をつくっていくコアメンバーだと思っています。会社の成長の中に、私自身を含めたメンバー全員の挑戦を組み込み、それぞれがやりたいことを成し遂げられる会社にしたい。当社は、そんな場所でありたいと考えています。

仕事をする上で、大切にしていることは？

「挑戦」を企業理念に掲げていますが、私は、リスクを顧みない挑戦は不安が付きまわって結果を出せないのでは？と考えています。何かに挑戦する際には、そこに伴うリスクを冷静に計算することが不可欠です。当社の組織拡大を決断した際も、会社の財務状況を丁寧にチェックし、向こう数年間の経営の見通しを立てた上で、最初の社員を雇用しました。 組織を拡大するということは、メンバーの人生を預かるという側面があります。一緒に働く仲間の挑戦が「幸せ」に繋がるように、時にはリードし、時にはバックアップしていく。幸せの形は人それぞれですが、仕事に限らず会社が後押しし、メンバー全員が豊かな人生を歩めるような組織にしていくことが経営者としての役割だと考えています。