アルティメイトリソーシズグループ株式会社

アルティメイトリソーシズグループ株式会社は、RPO（採用代行）と人材紹介を両軸に据えて事業を展開する総合HRソリューション企業である。2011年に日本人経営陣とシンガポール資本の共同体制でスタート。2018年にはシンガポール資本100%の体制となり、グローバル色を一層強めた。さらに2023年には、日本人経営陣が再び主体的に経営を担う体制へと再編し、新たな成長フェーズへと舵を切った。
このように市況に合わせて柔軟な組織編成を行いながら、外資系企業や大手グローバル企業を中心に、採用の上流工程から関わる案件を数多く手掛けた。経営戦略と人材戦略を結び付ける姿勢が評価され、規模は小さくともエンタープライズ企業からの信頼を得てきたのだ。

新たな成長への転機となったのが、2025年5月のじげんグループへの参画である。株式会社じげんは、ライフイベントのメディアを企画・運営するIT企業であり、近年はHR領域の強化を掲げていた。一方、アルティメイトリソーシズグループは営業力や大手クライアントとの豊富な実績を持ちつつ、ITや投資分野への取り組みを進めることで、さらなる発展の可能性を切り開こうとしていた。両社の補完関係が合致したことで完全子会社化が実現したのだ。

グループ入りからわずか数カ月ながら、既に協業の動きは始まっている。製造業向けのRPO提案をはじめ、これまで十分にアプローチできていなかった領域に広がりが見え始めている。加えて、じげんが持つデジタルマーケティングやプロダクト開発の知見を取り込むことで、新しいサービスの開発や付加価値創出も期待されている。

このように、今後はグループのネットワークやリソースを活用し、より幅広い業界・業種にサービスを展開していく。副業や業務委託といった多様な働き方が広がる中、目指すのは正社員に限らない人的リソース全般の課題に応える総合的なHRパートナー。企業の成長戦略に直結する「人と組織の仕組みづくり」に踏み込んでいく構想だ。

クライアントから「まず相談すべき存在」として名が挙がるファーストコールカンパニーとなる未来像を見据え、標準化されたパッケージではなくオーダーメイドの支援を提供する。同社はグループシナジーを背景に挑戦を加速し、HR業界における独自の地位をさらに固めていく構えだ。

同社の大きな特徴は、RPO（採用代行）と人材紹介という二つの事業を有機的に展開している点にある。いずれも独立した事業領域でありながら、双方が補完し合うことで同社ならではの価値を生み出している。

RPO事業は既存のパッケージを提供するのではなく、クライアントごとにフルオーダーメイドで設計される。経営戦略の段階から深く入り込み、採用要件を定義する。さらに母集団形成の仕組みまで議論を重ねる点が特徴だ。事業全般を統括する事業部長の村上元貴氏は「経営層と膝詰めで議論しながら採用の仕組みをゼロから共につくる。フルオーダーで対応できるのは大きな強みです」と語る。外資コンサルやヘッドハンティング出身者のネットワークを活用し、戦略的パートナーとして寄り添う姿勢が評価されている。

同社の強みが生きた案件例として、日本とインドの合弁会社の採用支援が挙げられる。現地の労働市場は日本とは大きく異なり、報酬水準や採用への理解が乏しい中で、日本側の人事担当者は苦戦していた。同社はまずマーケット調査を実施し、報酬体系やブランドイメージを比較データとして提示。さらに英語対応可能なメンバーが経営陣へ直接プレゼンを行い、現地の理解と信頼を獲得した。その結果、採用戦略の再設計が実現し、グローバル案件におけるRPOの真価を示す事例となった。

一方、人材紹介事業はIT業界やコンサルティング業界に特化した専門性を強みとする。幹部層やプロフェッショナル人材へのアプローチに加え、ヘッドハンティング的な動きも取り入れ、精度の高いマッチングを実現している。さらにインドやベトナム、シンガポール等の海外案件にも対応し、現地企業との橋渡し役を担える体制を有しており、グローバル展開を志向するクライアントにとって大きな安心材料となっている。

両事業を横断することで生まれるシナジーも見逃せない。例えば、RPOでクライアント企業の中に入り込みながら得た知見を人材紹介事業に還元することで、候補者との精度高いマッチングに繋がる。村上氏は「RPOと人材紹介の両軸が有機的に結び付いているからこそ、単独では拾えない情報を共有でき、採用成功率を高められる」と説明する。

現在、同社への案件依頼は急増しており、さらなる事業拡大を支える人材を幅広く求めている。

同社は少数精鋭規模で成長を続ける組織であり、社員一人ひとりが大きな裁量を持ち、挑戦を通じてスキルを磨いている。
募集する職種にはそれぞれ固有のやりがいがある。RPOリクルーターはクライアントと二人三脚で採用活動を進め、中長期的なプロジェクトを担う。採用計画の立案や母集団形成の工程から深く入り込み、企業成長を支える実感を得られるのが魅力だ。人材紹介コンサルタントは法人営業や候補者支援を通じて成果を上げるスタイルで、成果に応じたインセンティブも特徴である。さらにキャリアアドバイザーや両手型コンサルタントといった職種もあり、候補者と企業の双方に深く関わることができる。希望やタイミングに応じて人材紹介からRPOへ異動する等、キャリアの幅が広い点も同社ならではだ。

入社後はアソシエイトとしてスタートし、経験を重ねることでマネージャーを目指すことができる。昇格は月次の1on1や評価面談を通じて経営陣とすり合わせた上で判断され、透明性の高いプロセスが整備されている。村上氏は「本人の希望を尊重しながら案件をアサインしています。キャリアの相談がフラットにできる環境です」と語る。社員の安心感と挑戦意欲の両方を高める仕組みだ。

社内は和気あいあいとした雰囲気で、リモートと出社を柔軟に組み合わせた働き方が定着している。スキル以上に「意思表示を大切にする」文化が根付いており、挑戦したいと手を挙げればチャンスを得られる。OJTやプロジェクトリーダーによるサポートも充実しており、若手も早い段階から成長の機会を得られる。

その言葉通り、同社で活躍するのは主体的に動き、自らの可能性を広げようとする人材だ。異業界から転職してきたメンバーも多く、それぞれが持ち味を生かしながら成長している。村上氏は「“より自分が主体になってキャリアを形成したい”という思いを持つ人は強いですね」と語る。さらにこう続ける。「クライアントの規模感やビジネスの大きさに惹かれて入社する人は多いし、そういう環境にはまれる人ほど成長しやすい。同業他社に行くよりも、当社に来た方が成長とキャリアの幅は確実に広がります。堅実かつ将来性のある企業との取引が多く、パッケージではなくオーダーメイドで多様な案件を手掛けられる。裁量が増え、キーパーソンとの人脈も広がっていく。そのため、成長スピードは一段と速いでしょう」

村上氏が強調するように「何よりも意志を持って動く姿勢」が同社のカルチャーの根幹にある。同社は「人の良さ」と「裁量の大きさ」を兼ね備えた環境であり、挑戦する意志を持つ方にとって、次のキャリアを描く最適な舞台となるだろう。