株式会社ケーメックス・オートメーション

株式会社ケーメックス・オートメーションは、工作機械や半導体、ロボット、鉄道関係等、幅広いものづくりにおける部品や設備を提供する輸入技術商社だ。

「私の思いをつらつらと話すよりも、ぜひ、営業として表舞台に立つメンバーの活躍ぶりを伝えてもらいたいんですよね」――取材開始直後にそう話したのは、代表取締役社長の亀田剛史氏だ。この発言には、同社の経営方針が現れていた。

簡単に同社の歴史から簡単に振り返りたい。

1955年、同社はプラスチック製品や塗料、遠赤外線ヒーター等を国内販売する商社として生まれる。その後、亀田氏のおじがセンサ、端子台、コネクタ、ケーブル等の輸入販売を目的に亀田商事株式会社を分社化し、後に亀田氏の父が代表取締役に。1992年には、社名を株式会社ケーメックスに改称している。

そして後に亀田氏と弟がジョインし、2021年にはケーメックスは二つの会社になる。FA事業（ファクトリー・オートメーション）を展開するケーメックス・オートメーションと、NS事業（ネットワークサービス）を手掛ける株式会社ケーメックスONE。亀田氏と弟がそれぞれの会社の代表となり、ケーメックス・オートメーションの代表は亀田氏が務めることになった。

――こう記していくと、同族企業の色が強いという印象を受けるかもしれないが、安心してほしい。

「これまでは同族企業でしたが、この二つの会社はグループ企業ではなく、資本も完全に独立しています。“暖簾分け”と考えていただくのが良いかと思います」と亀田氏。

今後も随時、知恵やノウハウを共有する可能性はあるが、2社それぞれが事業戦略も組織運営も独自に進めていく。そういった方針で、満を持して分社化に至ったという。

「当社は、社員一人ひとりが主体となって、かつ各部門やチームで経営する会社として舵を切っています。それが現代にふさわしい経営だと信じています」（亀田氏）。

先述したように、2021年に同社は新しく生まれ変わっている。――とはいえ、やはり70年の間紡いできた強みはあるはずだ。その強みを同社はきちんと認識し、「三つの力」として言語化している。

一つ目は、グローバル製品力。同社が扱うのは、ドイツを中心とした輸入製品。同社がしっかりと目利きし、日本国内製品ではなかなか叶えられなかった高性能・高付加価値な部品・設備をクライアントに届けている。

「我々のテーマは、お客様企業のブレイクスルーの礎となり、成長を支援することです。日本製の部品や設備も素晴らしいですが、まだまだその製品では解決できない課題があるんです。そこで、当社が世界から見つけ出してきた優れたソリューションを提供する。それが、日本企業のものづくりを支えていくと信じ、これまでやってきました」（亀田氏）。

二つ目は、技術コンサルティング力だ。それぞれのものづくりに最適なソリューションを届けるには、何も単一の製品を提案するとは限らない。複数の製品を組み合わせて、一つのソリューションとして提案することも珍しくないのだ。クライアント側も多くの場合、「この製品が欲しい」という明確な希望を持っているわけではない。悩みやニーズをヒアリングし、輸入技術商社のプロである同社が解決に向けてコンサルティングしていくのだ。

そして三つ目は、まごころサポート力。海外製品を購入したクライアントの多くが悩むのは、「日本国内のサポート体制が行き届いていないこと」だという。しかし、同社のアフターフォローは万全だ。購入した製品に関する問い合わせ対応はもちろん、国内に物流倉庫を構えてスムーズな納品を行い、万が一の災害時等にもサプライチェーンを守るBCP体制まで整えている。

「安さだけを求めれば、ネットを使って自分で買える時代です。それでも当社がここまでやってきて、かつお客様からも高い評価を頂けているのは、この『三つの力』で勝負しているからだと自負しています」と亀田氏は胸を張った。

この三つの力を象徴する事例がある。

先日、以前取引のあったクライアントから同社へ依頼があったと亀田氏。クライアントは一時的に他社へ切り換えて競合品を採用したが、採用・導入時は良かったものの、その後トラブルが重なって大変だったという。

「そこで言われたんです。『やはりケーメックス・オートメーションに任せれば良かった』と。ドイツ等の輸入製品に対して、きちんとハンドリングできるのは当社だけだ、と改めて高い評価を頂けました」（亀田氏）。

一つひとつの製品の質や値段だけでは語れない、同社が総合的に生み出す“付加価値”は、このように認められているのだ。

亀田氏に今後の展望を聞くと、その答えは“メンバーの活躍”に直接繋がる未来像だった。

改めて伝えるが、同社には同族企業にイメージされがちなトップダウンの色はない。むしろこれまでは、タレント事務所や個人商店のような、一人ひとりが独立している会社だったという。しかし、それが今変わってきている。

「近年当社の営業職では、新卒採用や第二新卒といった若手や未経験層の採用も積極的に行っています。そのためには、各業務の基礎を学び、誰もが一定以上のレベルで活躍できる環境が必要だと考えました」（亀田氏）。

そのために同社が動き出しているのが、営業の“型化”だ。

営業や製品に関する基礎知識の教育や営業ロールプレイングはもちろん、トークスクリプト集の制作等、徹底したマニュアル化を図っている。こうして同社としての営業の標準値を高めるのだ。そうすることで、営業メンバーは早くから成長を実感でき、もちろんクライアントにも質の高い仕事を提供できる。

この“型化”は初期の整備に終わらず、今後もKPIを回していくという。

そして重要なのは、ここからだ。

武道等でいう「守破離」によって、営業メンバーはさらなる成長を遂げる。

「この型化によって基礎を徹底し、まずは当社の営業としてグンとレベルを上げてもらいます。そうして基礎を築いた上で、かつ自分のスタイルを付け加えていくんです。『一人前になるまで三年かかる』等という時代は終わりです。それどころか、当社はどれだけ成長を前倒しするか、を重視します」と亀田氏。実際に、同社の営業の多くは「成長のスピードが速い」と言う人が多い。

今後も、基礎を固めながら挑戦を後押しし、「努力が報われた」と思える瞬間を沢山つくりたいと、亀田氏は語った。

最後に、亀田氏は求める人物像について語った。
「一番大切なのは、ものづくりへの好奇心と、そのものづくりを支えたいと思う気持ちです。輸入商社である故“英語を仕事にしたい”という人もいますし、“人と話すのが好き”という人もいるでしょう。しかし、英語も、人と話すことも、あくまで手段です。日本のものづくりを盛り上げていきたいと思っていただける方には、非常に楽しめる仕事ではないでしょうか」

70年の歴史とノウハウ。そして、今なお時代に合わせて進化するスタイルが、同社には備わっている。

「際限なく成長し、キャリアをどんどん進めていきたい」そんな志を持つあなた、ぜひ同社へ飛び込んでほしい。