代表取締役・長谷 英典氏 実家が美容室を経営していた影響で美容学校へ進学。美容免許を取得するも、もっと広い視野で自分に合った仕事を探そうと、飲食業、イベント業など様々な仕事を経験。2013年6月、広告代理店時代に出合ったWEBデザイナーと共に独立。個人事業でWEB制作とイベント制作を軸としたプロモーション事業をスタート。2014年6月、株式会社グローアップス設立。代表取締役就任。現在は同社のほか、飲食、美容等、3社のオーナーも務める。

グローアップス社は23歳の時に創業されました。当時はどのようなビジョンをお持ちでしたか。

私は母親が商売をしていたため、中学生の時から起業すると決めていました。手に職を付けてほしいという母親の願いもあり、一旦は美容学校に進みましたが、欲張りな性格ですので、将来的には10個の事業をやることを目標に掲げていました。 実際に個人で開業しようと思った時も、1つの会社を上場させるというイメージはなく、いずれ10人の社長を輩出したいという思いでスタートしました。まず1つ目の会社は、自身が代表を務め、その後は、たくさんの仲間が、それぞれ城を持てるような環境を作りたいなと考えていました。 そう考える理由の1つは、いろいろなことをやりたいと言っても、全て1人でできるわけではありません。それぞれのプロと一緒に組まなければ実現できません。 もう1つは、私自身、中学卒業なのでなかなか社会には溶け込めないという体験をしてきました。同時に、美容学校を卒業して社会に出た後、サラリーマンをする中で、いろいろな方に助けていただいたという思いを持っていました。自身と同じような思いをしている人や頑張っている人が挑戦できる環境を自ら作ることが、自身を輝かせてくれた社会への貢献になると考えました。 グローアップスはもともと、WEB制作とイベント制作の2つの柱で事業を展開していましたが、コロナ禍でイベントが激減したのをきっかけに、逆に相談が増えたWEBに一本化しました。それをきっかけに外部から招聘した高見に事業統括を委譲し、私自身は経営に専念するようになりました。それと同時に、飲食と美容の会社を3つ立ち上げ、現在は積極的な店舗展開を行っているところです。

グローアップス社を今後どのように発展させていきたいと考えていますか。

現在、所有している4社の中で、社長を務めているのはグローアップスだけです。その他は、過去に出合った信頼できる人物に社長を担ってもらっています。自分自身が現場に入ってスタッフと直接話をするのもグローアップスだけです。 私にとって、現在、所有している会社はそれぞれ大切な存在です。ただ、グローアップスを創業し10年の月日が流れる中で、お客様やスタッフ、パートナー企業など、様々な方々と出会って現在があります。そういう意味ではこの会社を軸に、起業家として成長していきたいという思いを持っています。 グローアップスでは、これまでの10年間、実に様々なお仕事を頂いてきました。お客様から怒られることもたくさんありましたが、それらの経験を通して分かったことは、お互いにビジネスパートナーとしてお付き合いできるお客様と仕事をすることが、良い結果を生み出すということです。 WEB制作の仕事は、一見しただけでは、他社との違いや優位性、価値等をご理解いただきにくいものです。だからこそ、1人ひとりのお客様としっかり向き合い、丁寧な仕事を続けていくことが大切であり、それこそが、WEB制作会社が生き残っていくために必要な要件だと考えています。 丁寧な仕事はクリエイターにとっても重要なモチベーションになります。決して楽な仕事ではありませんが、クリエイター1人ひとりがお客様と真剣に向き合える環境を作り、やりがいを感じて働ける会社を作っていきたいと考えています。

採用の基準をお話しください。

人材を採用する際の基準として、私たちが決めていることがあります。それは、我々にない、新しい価値をもたらしてくれるかどうかです。我々が持っていない知識を持っている人材、なおかつ我々が気付いていないことに気付けるような人材と一緒に働きたいですね。 また面接の際に必ず聞いている質問があります。それは失敗したときにどう対処したかという質問です。 誰しも失敗をした経験があるでしょう。案件を炎上させたり、WEB業界でもお客様からクレームを頂いたり、仕事をしていると様々なトラブルが発生します。 うまくいっている時は何をやっても通りますが、炎上しているときや問題を抱えている時にこそ、いかにベストな提案ができるかが問われます。そういう時にこちらが匙を投げてしまうことは簡単ですが、お客様はほかに頼まなければいけなくなります。納期もずらさなければなりません。今までやってきたことが無駄になってしまいます。 我々に原因がなくても、お客様は様々なところでトラブルを抱える可能性があります。サーバー会社がトラブルを起こすこともありますし、担当者が急に退職してしまうこともあります。もちろん、我々が失敗することもあるわけです。そのような危機を迎えた土壇場のところで、お客様のことを真剣に考えられる姿勢は非常に大切です。 どれだけミスをしても、最後まで頑張る姿勢をお客様は見てくださっているものです。かつて怒られたことのあるお客様から、いまだにいろいろなご紹介をいただけているのも、そのような真摯な対応を続けてきた結果だと考えています。 逆に、失敗したことがないという方には採用を出しません。成功体験より、失敗した時に、いかに立ち回ったかの方が重要だと考えています。

社員の方々への思いをお話しください。

仕事への取り組み方として重要なことは、とにかくお客様のことを理解することです。クリエイティブはその先にあるものだと考えています。まずはお客様がどのような思いでご相談やご依頼に来られたのか、本当は何を望まれているのか、お客様が気付いていない、言語化できていない本質的な課題は何かを突き詰めて考えてほしいと思っています。 また、毎日を楽しく働いて欲しいですね。私たちは1日8時間、週5日という、生活の大部分を仕事に費やしています。つらいと思いながらでは長続きしません。また、その気持ちはお客様にも伝わってしまいます。 したがって会社としては、皆さんが楽しく働けるよう、環境を整えてきました。具体的な取り組みとしては、やりたい仕事があれば、未経験でも積極的に担当してもらいます。3か月ごとに個別面談をして、現在の状態やビジョンを聞いて、なりたい自分に着実に近づけるよう、可能な限りサポートするようにしています。 また、昇給は随時行っています。個別面談を通して、仕事に向き合うスタンスを見ながら昇給するメンバーを決めています。1年間、個別面談を実施するごとに昇給した社員の例もあります。

御社で働く魅力をお話しください。

弊社の良いところは、上下関係がないところです。私自身がまだ33歳ということもあり、年長の従業員も在籍しています。私のことを社長と呼ぶ人もいません。もともと年功序列や上下関係がはっきりした職場が苦手なので、フラットな人間関係を意識して築いてきました。 社歴が若くても、業界経験が長い方もいらっしゃいますので、お互いをリスペクトし合う、非常に馴染みやすい雰囲気が育まれていると感じています。 グローアップスは、自由度の高い会社です。クリエイティブな職場を目指しているので、ストレスのないように働いてほしいと願っています。10年という節目を迎え、会社をより一層発展させたいと考えています。私たちと一緒に、楽しく、そしてお客様に熱くなれる仕事をしましょう。