エヌエヌ生命保険株式会社

エヌエヌ生命保険株式会社は、オランダにルーツを持つNNグループの一員だ。NNグループは175年の伝統を誇り、ヨーロッパと日本を主な拠点にして11カ国で保険・資産運用事業を展開する。
同社は1986年に日本で生命保険事業を開始して以来、中小企業向けの商品を提供してきた。法人契約の経営者保険をメインに、社会情勢の変化や顧客のニーズに合わせ、会社・家族・社員を守るための商品とサービスを拡充し続けている。
変化の激しい近年においては、より柔軟でスピーディーな対応を目指して、法人向け保険業界でいちはやくアジャイル開発を取り入れた。
前例にとらわれず新境地を切り拓いてきた同社は、次なる成長に向けてデジタルマーケティングに注力する。培った知見を活かして新たな挑戦を推進しようという意欲ある仲間を求める。

NNグループは国に合わせて事業を育てるスタンスで、1986年の日本進出に当たっては生命保険事業で営業を開始した。その中で、主に経営者向けの生命保険として扱われる逓増型定期保険の商品がヒット。約99%が中小企業といわれる日本において、法人向け事業保険市場のパイオニアとして確固たる地位を築いた。1995年に満を持して日本法人化し、中小企業の経営者向けに特化した生命保険会社として成長を遂げる。
現在では全国約5,500店の代理店を通じて、事業保証・事業継承・退職準備等、経営者のニーズに即した商品を提供している。
「中小企業のサポーター」を自認し、30年にわたる中小企業「仕立て」の商品を開発・提供し続けていることが強みだ。

また保険金に留まらないサポートも特徴である。経営者が働けない状況に寄り添っての健康・復帰支援や、保険金請求手続き時の訪問サポートや相談サービス、事業継承者向けコミュニティの運営・情報提供等、多岐にわたる付帯サービスを用意する。中小企業の事業継承が上手くいかず廃業が増えている課題に対しては、社会貢献活動の一環として次世代経営者への支援を行っている。

中小企業では企業のライフサイクルと経営者自身のライフステージが密接にリンクする。同社ではこの二つの「ライフ」に着目した『LIFE×LIFE（ライフ・バイ・ライフ）』をコンセプトに商品をデザインする。
独自に生み出した手法を活用しながら、経営者に徹底して寄り添う事業展開が特徴だ。

経営者向けの生命保険を商品ラインアップの一部として扱う大手以外、特化するのは二社のみである。その中で同社は小回りの利く会社規模を活かして優位性を発揮する。
事業開発部部長の遠藤哲輝氏は、具体例を挙げて次の通り話す。
「保険は無形の商品であり、生命保険業界は装置産業です。契約内容の管理等を伴い、システムの在り方が競争力に直結します。そのため開発力の強化に励んできました。保険業界を取り巻く環境変化が激しさを増す中、当社はより素早く柔軟に変化へ対応するために他社に先駆けて、従来のウォーターフォール型からアジャイル開発型へ移行しました。またマーケティングやセールス、ファイナンスと事業エリアごとに開発チームを持っていることも特徴。こうした大胆な変革は当社の機動力あってこそだと自負しています」
システム開発への思いは強く、「保険会社のライセンスを持つIT会社を目指している」との言葉が印象的だ。

「数年前にアジャイル開発を取り入れたことは、間違いなくターニングポイントです。しかしそこで止まることなく新しい取り組みを続けていかなければなりません。商品ランナップの拡大もそうですし、付帯サービスの拡充もそうです。現在は各事業エリアを有機的に繋げて、次の大きな変革に向けて準備を進めている段階です」と遠藤氏は話す。
ここでいう「大きな変革」こそ、デジタルマーケティングの活用による新たなビジネスモデルの確立だ。

個人向け生命保険は例えば子供が産まれた、家を買ったというようなライフイベントをセールス担当が把握して、適した保険への加入を勧める方法が一般的である。法人向けも同じ考え方で、売上の増加や資金調達のタイミング等に合わせた勧誘が多い。
「従来型の保険セールスは、押しの強い印象を与えがちなのが難点でした。その印象をデジタルマーケティングの力で変えていきたい。考えられる方法はいくつもあります。例えば会計サービスを提供するSaaS企業とアライアンスを結び、売上アップや借り入れを検知してポップアップで適切な商品情報を届けるといったことです。必要な情報を必要なタイミングで届けたいと考えています」
セールス型からマーケティング型への移行で、新しいビジネス手法を確立したいと遠藤氏は力を込める。

しかし保険業界でのデジタルマーケティングは遅々として進んでいないのが実情だ。その背景には、無形であり契約期間が長期に及ぶ商品の性質がある。契約には慎重を期するのが自然であり、手軽さが特徴でもあるオンラインとの相性が良くない課題があるのだ。
また大手生命保険会社は自社専任のセールス要員を多く抱えており、販路を潰しかねない懸念もある。
「当社は直販ではなく代理店販売形式なので、販路に関しては気兼ねなく動ける優位性があります。一方で、法人向け保険をオンラインで扱う上でのハードルの高さは他社と同じ。社内にデジタルマーケティングの経験者がいないので、これまでは外部からアドバイスをもらっていましたが、知見を持つ人材を迎え入れて社内体制を強化し、課題解決に繋げたい。業界内で先行するポジションに就けたいと考えています」
同社がデジタル領域のプロフェッショナルを強く求める背景だ。

前述の通り同社ではアジャイルをいち早く取り入れ、事業部ごとに開発チームを持つ組織体制が特徴である。デジタルマーケティングに関しても同様で、各事業部がそれぞれに注力している状況だ。
「事業開発部は先行してデジタルマーケティングに取り組んできたため、他部署をリードする位置にいます。今後は他部署との連携を進めるに当たり、スキルの横展開を積極的に行います。当部門での経験は社内でのキャリアアップの可能性を広げます。また世にないサービスをつくり出した経験は、社外においても十分にアピールできる実績となるでしょう」と遠藤氏はキャリアの展望について話す。

日本の市場に則した事業展開を行う同社だが、オランダにルーツを持つ外資系企業であり国際色豊かだ。オランダ・フランス・インドと様々な国籍のメンバーが集う。代表をはじめとする役員も外国籍の人物が揃い、働き方やカルチャーへの影響も色濃い。
マネジメント層は自由闊達な意見交換を歓迎する。多様性を尊重し受け入れることが自然に行われているため、誰もが否定を恐れず発信できる風土だ。
取材を行ったメンバーから共通して「安心して挑戦できるところが魅力」との言葉が聞かれた。

働き方に関しては各人の裁量に委ねられている。
出社目標を決めないフルリモートとコアタイムがないスーパーフレックス（部門によってはフレックス）を取り入れているが、もちろんオフィスへの出社も自由だ。渋谷駅直結のビルの42F～44Fにあるオフィスからは都心の素晴らしい眺望が望める。
休暇は取りやすく、むしろ積極的な休暇取得を推奨される。
社員のライフスタイルを尊重し、ストレスなく働ける環境づくりへの配慮が随所から伝わる。

「前例がないことに取り組むので、自ら課題を探し、解決方法を考え、実行に移せる人材を求めています。知見と経験に誇りを持って、誰に対しても遠慮せずに意見してもらい議論を深めたいと考えています。その声を潰さない風土が当社の強みです。同じ船に乗り込むクルーを求めていますので、少しでも気にったならば是非お問い合わせください」と遠藤氏は呼び掛ける。
法人向け保険業界でどこも成し遂げていないデジタルマーケティングの成功。前例のない挑戦に対して、培った実力を存分に発揮できるフィールドだ。