株式会社GROOVE

東京・上大崎にある株式会社GROOVEは、日本でも数少ないAmazonに特化したモノづくりD2C（Direct to Commerce）支援会社だ。Amazon特有のマーケティングやオペレーションを細部まで把握し、ECビジネスの戦略立案とオペレーションに一貫対応。これまで100社を超えるメーカー企業のAmazon事業の成功をサポートしてきた。

現在、ECビジネスの市場規模は、日本国内だけで12兆円、世界規模では400兆円にまで拡大している。さらに、D2CビジネスではビッグデータやAIの活用が進み、ECユーザーの購買行動の分析に留まらず、企業のモノづくりそのものにも影響を与えている。今後はオンライン/オフラインの垣根を越え、D2Cビジネスがモノづくりのスタンダードになる、とGROOVEは予測する。

GROOVEにはAmazon出身者が複数名在籍し、オフィスもAmazon本社の近くにあるため、情報の速さと深さは大きな強みとなっている。また、元々ECでの小売業からスタートしたという経緯もあり、クライアント（セラー）の課題や悩みを肌感覚で理解している。コンサルタントは分業ではなくクライアント担当制で、クライアントの課題に対し、物流からモノづくりまで一気通貫のサポートを提供する。

創業者で代表取締役CEOの田中謙伍氏は、大阪・泉州で5代続いた繊維メーカーに生まれた。祖父から会社経営について薫陶を受け、「安くて良いものをつくれば売れる」という時代ではないことを間近に学んだ。これから生き残っていくためにはどうすればいいか、新しい挑戦をするには何が必要か、田中氏は考え続けた。

大学卒業後は、市場に合わせた商品開発や、ECや海外展開による新市場開拓等、最新のビジネスを学ぶため、新卒第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社。出品サービス事業部ではトップセールスを2年間維持し、同社の大阪支社の立ち上げにも携わった。マーケティングマネージャーとして、Amazon CPC広告スポンサープロダクトの立ち上げも経験した。2015年7月にGROOVEを立ち上げると、創業5年で年商30億円を達成する等、華々しい成果を上げた。

GROOVEは、Amazonへ出店するメーカーや小売り系の企業を中心に、EC事業のコンサルティング全般を行っている。具体的には、市場調査やデータ分析に基づいた戦略立案、広告の制作や運用、さらに商品企画、開発、製造、在庫管理、物流に至るまで、バリューチェーンの全てを最適化する支援を提供している。

強みは、以下の3点にまとめることができる。一つはAmazonのビジネスを知り尽くしている点だ。代表の田中氏を含めAmazon Japan出身者の中には、セラーサービスだけでなく、リテール事業や広告事業の経験があるメンバーもいる。また、Amazon Japanの“中の人”とのコネクションもある。

二つ目は、商品を「つくる」「売る」「改善する」の全工程でコンサルティングが可能なことだ。GROOVEは元々、田中氏がAmazon Japanに在籍していた時の副業からスタートした事業で、創業2年目で年商3億円を達成し、「Amazonマケプレアワード2016」にも選出されたことがある。自らが製造小売業、いわゆるD2C事業者だったため、サポートや運用も含め上流から下流までのトータルな知見や仕組みを保有している。

三つ目の強みは、変化が激しいEC市場の中で、常に情報や戦術をアップデートする仕組みがある点だ。常時50社以上のクライアントに携わっている経験から得られる部分もあるが、GROOVEは代表直下に研究機関を設置。常に自分達でECの新しいツールや戦術についてのアップデートをするための投資を続けている。

研究機関の実績には、このようなものがある。キーワードのアルゴリズムが変更になった時、全カテゴリのキーワード入力ロジックを全て手作業で確認し、当時Amazon内部で働いていた現メンバーよりも詳細なロジック解明に成功した。

今後のGROOVEは、2023年を目途に流通総額500億円突破を目指す。Amazon Japanの売上は2023年に5兆円に到達する見込みで、500億円はその1%に当たる。この目標値は、日本国内においてD2Cビジネスのトップランナーとなることはもちろん、世界進出への基準でもある。

2023年9月時点のメンバー数は80名（パート・業務委託含む）で、メンバーは20代～30代が多い。中途採用は2020年10月からスタートした。コンサルタント希望の場合は、法人営業の経験が役立つだろう。中途採用者の前職は、BtoC（販売系）、BtoB法人営業、営業企画、WebやEC業界出身者が多い。

求める人物像は、第1にロジカルシンキングができる人。“枠組み”で話すことができ、客観的指標で自分のことを説明できる能力だ。第2に、目標や目的から逆算し、自分なりに課題を把握し、仮説を立てて実行したことがある人。第3はスキル面で、Microsoft OfficeやGoogle Driveが操作でき、Excelの基本的な関数（VLOOKUP、ピボットテーブル）を実行できる人だ。

これらよりも重視されるのが、以下のバリューとの親和性だ。重要なのでスペースを取って紹介しよう。

1. Customer GROOVE…自分の顧客が「誰か」を理解し、顧客のゴールに対して価値をグルーヴ（生み出す）し、提供する集団。
2. オーナーシップ…仕事の中に自分がやる意味や理由が明確にある。そのための情報収集もできる。
3. マーケットイン…顧客の声を聴き、顧客のニーズや困りごとを突き止めて、それを解決する。
4. スマートワーキング…タスク管理、優先順位、チームで成果を出すことにこだわり、他者への想像、気配り、思いやりを大切にする。
5. 変数と係数…事象を分解して、重要な要素を見つける癖をつける。前例、枠組みがなくても、自分で調べて課題を見つけ、改善する。
6. Good Chaos…配慮はするけど遠慮はしない。カオスの中に自分なりの意味を見いだし、答えのない仕事に道筋を付けていく。
7. Fair commerce…適切な価値を提供し、自己犠牲や安売りはしない。コスト、投資の意識をもって仕事に取り組む。
8. Uplearning…業界のトレンドや競合他社の新しい情報を常に収集し、常に「当たり前のレベル」を上げる。
9. Fail Fast…段階を踏んで成功を積み上げていく。否定せず一旦やってみる姿勢を持つ。
10. 社内宝…情報の価値を理解し、社内に仕組みや、ノウハウを蓄積させていく。周りの人の良いところ、自分より優れているところをマネして成長する。