2017年にホールディングス化 その背景にあるのは社員への思い
ITテクノロジーをベースにした顧客企業の業務効率化や課題解決へのソリューションサービス、食品業界で働く人へ向けたプラットフォームの提供、天然酵母の焼きたてパン屋の運営に至るまで、幅広い事業を展開する株式会社グッド・サンホールディングス。子会社を続々と立ち上げて、広い領域での事業を推進している。同時に、自社内での開発体制の強化をはかっていく計画だ。社員による持ち株制度を導入し、「会社の利益と成長を社員に還元する」というテーマを掲げる同社は、この考えに共感する人材を広く求めている。
同ホールディングスは、2015年に設立した株式会社グッド・サンから始まった。グッド・サンの創業者であり代表取締役を務める江﨑博氏は、元々キヤノン電子グループに所属し子会社の代表を務めていた人物。システムエンジニアとしてキャリアをスタートし、新規事業開発や合弁会社設立に携わるなど、IT×経営の領域で経験と知識を蓄積していった。しかし、IPOやM&Aを経て会社の形が変わっていく中で、株主のあり方や経営方針などに方向性の違いを感じるようになったという。
そのタイミングでキヤノン電子グループからスピンアウトして設立したのが、株式会社グッド・サンだったのだ。このような設立背景があるため、同社には現在も江﨑氏と共に働いていた社員が多く所属している。
そして設立から4年が経ち会社としての土台ができたとして、「会社の付加価値を100倍にする」という新たな成長軸を打ち出した。具体的な動きとしては、別会社として動いていたグループ各社を、2017年に設立した同ホールディングスの傘下に置く体制を取ったのだ。
そこには、江﨑氏の強い思いがある。
江﨑氏は、「株式会社において株主は会社の所有者であり、会社の利益は最終的に株主に全て還元される仕組みになっています。しかし会社で利益を上げるために働くのは、その会社の社員です。社員が利益貢献のため懸命に努力しても、業績によって賃金の浮き沈みが大きく、成果の果実を得るには縁遠い存在になっている。私は、それはおかしいと思っています。そこで当社は、会社の利益と成長を社員に還元出来るように従業員持株制度を導入しました。同時に、将来の大きな問題となる事業承継についても、対応済みということになります。ただし、株主である以上リスクも背負います。リスクは日々の活動でコントロールすればよい。株主と社員の役割を使い分けることで、私たちは自らに還元された利益と成長を社会へ還元出来るように推進します」と話した。
この考え方を同社では「新資本主義」とし、制度や経営方針づくりのベースにしている。ホールディングス化は、この考えを理想論で終わらせず実現するための具体的な施策(形)でもあるのだ。
子会社立ち上げを加速し 自社内開発体制の強化をはかる第二創業期へ
こうして同社は、第二創業期ともいえるフェーズに突入した。
人材募集に関してもこれまではグループ各社で行っていたが、今後はホールディングスとして総合的に採用プロセスを進めていく。
2019年11月現在の傘下企業は次の通りである。
1.業務のコンサルティングと企画をメインに行うDDWorks株式会社
2. ITシステム設計、開発、保守をメインに行う株式会社グッド・サン
3. 関西エリアでの業務に特化したファーストサクセス株式会社
4. 食品業界で働く人々へのプラットフォーム運営に特化したfoodip株式会社
5. 新しい流通網構築の支援を行うバイヤー株式会社
6. 国産小麦100%・無添加&天然酵母のやきたてパン屋、ぜん
基本的にはITが軸になっているものの、パン屋の運営まで行っているのは驚きだ。一見ITとは関係なさそうな事業だが、ここにも確固とした代表の考えがベースにある。
詳しくは、代表のインタビュータブをぜひ一読してもらいたいのだが、「業務を経営者目線で深く理解し、コンサルティングやITシステムのデリバリーに活かすため」という目的だ。同社における子会社は、他社でいうところの事業部のような位置づけ。IT関連が基本ではあるが、「社員がやりたいことをやる」スタンスで、今後も新たな事業を展開する子会社を次々に作っていきたいという。
また、それと同時に、グッド・サン内部の自社開発チームを強化していくことにも重きを置く。
江﨑氏の信念は前述の通り、「会社の利益と成長を社員に還元すること」だ。
同社の業務は客先に常駐しての受託請負も多いが、入社間もない社員の成長には自社内で自社の社員と共に働く体制がベストだというのが持論なのだ。
「当社の強みのひとつは技術力の高さです。経験と知識が豊富な自社開発チームを若手の育成環境として機能させたい」と江﨑氏。
経営者目線を持ち、現場業務を芯から理解する人材。技術力を磨きエンジニアとしての道を追求したい人材。いずれにしても、本人の志向や適性に応じた成長を促す環境を用意したいというのが、江﨑氏の思いなのだ。
思いやり溢れる和やかな社風 ライフプラン実現をサポートする手厚い福利厚生も自慢
取材に訪れたオフィスの様子は、和やかそのものだ。あえてオフィスビルを選ばなかったといい、自宅に招かれたようなリラックス感がある。江﨑氏をはじめとする社員数名が交わす会話は笑いが絶えず、その場にいるだけで楽しい気分になってくる。
普段は客先で業務を行う社員も多いが、帰社する機会を作りミーティング開催やイベント企画などでコミュニケーションを取っているといい、チームワークの良さが伺えた。
今年入社したばかりだという社員は、「人を見下したり、ネガティブな言葉を使ったりする人が全くいないことに驚きました。親身になって話を聞いてくれるいい人ばかりで、転職して良かったなとしみじみ感じています」と話した。
江﨑氏は、「カンパニーは、ラテン語の“一緒にパンを食べる仲間”という意味からきていて、会社は一隻の船みたいなものです。社員は、目的地へ向け共に大海原を進む乗組員と同じようなものだと思っています」と言う。
それだけに「船長」である江﨑氏は、常に社員に対し家族のような気持ちで接していると話す。
「父や兄のような気持ちで相手のことを考えているか?と自分に問いながら接しています。人を仲間にするには、そのぐらいの気持ちが必要。この感覚を社員に引き継いでいってもらいたいですね」(江﨑氏)
今は江﨑氏がグループ全体をけん引しているが、今後は出来る限りその役目を分散してリーダーシップを発揮する人材が多く育ってほしいという。
社員側もその思いを受け止めて、「今は代表に頼ってしまっている部分が大きいので、自分たちだけでも色々とできるようになりたい」という言葉が出たのが印象的だった。
「社員の夢の実現を全力で支援し、共に成長して幸せになる」を理念とする同社だけに、福利厚生も充実している。最初に紹介した社員持ち株制度やiDeCo+(中小事業主掛金納付制度)への加入、ワクチン接種の助成、年齢に関わらない人間ドッグ受診、弔慰金制度など、社員が安心して生活をおくるためのサポートを惜しまない。
また、日本企業の多くでは、賞与(夏季、冬季)は、経営状況の調整枠とされるが、経営者&管理者の無能さを社員に付け替えるのは納得がいかないとの考えから、給与に関しても、想定年収の12分割で、月額給与として、支給している。
「当社ぐらいの規模の会社としては、かなり充実した福利厚生だと思います。有給休暇はきっちり消化していますし、お給料の面でも不満はありません。入社してからお金の心配をしたことはないですね」とはある女性社員の言葉だ。
拡大期を迎えての仕事のやりがいと共に、職場環境や待遇面の良さも魅力だ。興味を持ったならば、ぜひ気軽に問い合わせをしてほしい。