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インタビュー画像代表取締役社長 高石 尚和氏 20代で起業した後に東京理科大学に進学。26歳で卒業し、独立系ベンチャーキャピタルに就職。 約2年勤務した後、保育園のコンサルティングを手がける会社に転職。保育の現場を知るきっかけとなる。その経験を活かす形で、2012年にHITOWAグループへ。 保育園の開発・運営、ホールディングスの経営企画を経て、再び現場へ。2018年7月からHITOWAキッズライフ㈱代表取締役に就任。2019年10月から現職。ホールディングスの常務執行役員も兼務。

ご経歴とHITOWAグループに入社してからの歩みなどを教えてください。

私は一般の方より遅い22歳で大学に入学しました。 26歳で卒業して、独立系のベンチャーキャピタルに行き、そこを2年ほどで辞めて、その後に保育園のコンサルティング会社に入りました。そこで保育の現場の状況を知り、次にHITOWAグループに来たという経緯です。 保育に関わったのは前職から。子どもたちのことを思って真剣に働いている保育士の姿を見て、このホスピタリティやサービスの質はすごいなと思いました。ただし、残念ながら保育の現場は非効率なことが多いです。でも保育士たちは、目の前の子どものことで手いっぱいで、「改善しよう」とはなりません。システムで何とかできないかと、前職のときから思っていました。だから、『キッズコネクト』は、私のなかでは10年前からの構想なんです。 HITOWAでは保育園の開発と運営に携わった後、ホールディングスの経営企画に異動しました。入社当時の保育事業は赤字で、早急に立て直しが必要でした。それで、現場でも経営企画でも、事業や補助金の仕組みなどについて詳細に分析し、戦略を立て、実践してきました。それが『キッズコネクト』のベースになっています。お陰様で保育事業は好転しました。 経営企画では係長で、その後、課長、次長、キッズライフの部長、役員、社長と徐々にステージが上がりました。ホールディングスの執行役員・常務にもなり、この2年半の間で、役職は8段階上がっています(笑)。意欲ある人に、どんどん挑戦の場を与える会社です。僕も起業経験があり、ベンチャー企業を渡り歩いてきたので、活躍したら正しく評価すべきだと考えています。今後も社長として、メンバーを積極的に抜擢していくつもりです。

新規事業の『キッズコネクト』とは、どのようなものですか。

キッズコネクトは、保護者と子ども、保育園、自治体までをつなぐプラットフォームです。データを一元管理し、やりとりを効率化するほか、例えば母子手帳のデータと合わせれば、発達の状態を把握し、必要があれば早期に支援機関と連携をとるなどの動きもできます。基礎情報のデータベースと、そこに子育てに関する様々なサービスがアドオンされる一大プラットフォームが、キッズコネクトの構想です。 様々な業界にITが導入されていますが、保育園は未だに何でも書類です。園内だけでなく、保護者が自治体に出す入園申込書も書類ですし、入園が決まったら、園にまた「児童票」という同じような書類を出す。保育園と自治体の間も、紙でデータのやりとりをしています。急速に保育園が増え、幼保一元化などの制度変更もあるなかで、これでは回りません。 保育園側には、5年前に「IcT補助金」という制度ができ、業務効率を上げるシステム投資は、国が全額を負担してくれるようになりました。クラウド系のシステムもたくさん出てきましたが、5年経った今、導入率は3分の1にとどまっています。その理由の一つが、自治体と保育園のやりとりが、所定の「紙」のままだからと考えています。園側で業務を効率化しても、結局、やりとりの多い自治体との間は、所定の書類に転記する手間が残っているのです。自治体とのインフラになるシステムを作らないことには、保育園の業務効率は改善しません。そこで、データを一元管理する『キッズコネクト』を作ろうと考えました。 とはいえ、いきなりインフラは作れないので、今やっていることは、自治体と保育園の間でやりとりする補助金申請のシステムです。ここからスタートするのは、補助金の申請請求に子ども、園、スタッフの情報といった基礎データが網羅されているからです。これを整備し、一気に横展開できれば、インフラが現実的になってきます。 今は自治体に提案に行っているところで、いくつかの中核都市で、実証実験を終え、この4月から本格導入することが決まっています。実際、自治体も膨大な事務作業に困っているのです。自治体側にも大いにニーズのあるシステムで、実証実験を経て本格導入、横展開と進めていきたいと考えています。自治体と管轄下の園を結ぶシステムとして、自治体は有償で、園は無償で使うというスキームで提案しています。まずはインフラを作り、その後、園側には業務を効率化するシステムを追加で提供していく戦略です。その為に、この3月に既存の業務効率支援システムの買収も行いました。

御社では、どのようなやりがいを感じられるでしょうか。

「キッズコネクト」の描いている構想が比較的大きいのではないでしょうか。日本を良くする、子どもたちの未来をつくるという大きな命題に、具体的に取り組んでいるプロダクトであり、日本中を見渡しても、そのようなプロダクトは、そうそうないと思います。 もう一つは、社長である私と一緒に仕事をすることになるので、事業を推進する楽しさがあると思います。今もエンジニアのメンバーを、自治体へのヒアリングや、業務提携先の会社との重要な打ち合わせの場に同行するなどしています。ただプロダクトをつくる人ではなく、一緒に事業を推進する仲間だから、そうしているのです。 最終的にエンジニア部門は60人程度にし、それを5人×12チームにするか、10人×6チームにするか、チーム構成はまだ考え中です。いずれにしても少人数の体制で、キッズコネクトに載せるサービスをどんどんつくっていきます。近い将来、自分が考える企画が、世の中でヒットすることを体感できる点も、大きなやりがいとなるでしょう。

働く環境などについても教えてください。

社員には「家族ゴト」を優先していいと伝えています。例えばお子さんの運動会があれば休んでいい。普通、「自分ゴト」は我慢できても、家族ゴトは我慢できません。それがわかるから、常々、家族優先でよいと言っています。 子どもや家族の幸せを実現すると謳う会社が、社員の家族を優先しなかったら、おかしな話です。家族を優先することで、いかに業務効率を上げるかという発想も生まれます。 僕は仕事が趣味で、ガツガツ働きたいタイプ。それをみんなもわかっているから、社長を残して平気で帰ります(笑)。「社長がいるから帰れない」といった昭和の風土は一切ありません。だから、エンジニアの方も働きやすいのではないでしょうか。 リモートは必要があれば申請し、週に一度は使えます。ただしこれももっと自由にして、申請も無くしていきたいですね。スタートアップなので、働き方もいろいろな制度も、みんなで整えていきたいと思います。

最後に、どんな人に来てほしいとお考えですか。人物像を教えてください。

まず、技術力は大前提になりますが、それに加えて、一つは何か想いがある人。保育、教育、子ども、未来をつくる―これらに、一つでも興味を持てるか。ここに興味を持てないと、どんなにいい人でもやりきれないと思います。というのも保育や子育て業界は、ラクな仕事ではないし、マーケットサイズが大きい市場でもない。だから熱量がないとダメだと思います。 もう一つが、コミュニケーション能力です。すごくロジカルでなくてもいいので、「こんなことをしたい」、「こんなプロダクトをつくりたい」と、自分の言葉で話してほしいです。自分の考え、自分の言葉があれば、ロジカルでなくても伝わります。そのようなコミュニケーションの力は重視していますね。 僕らのビジョンを実現するには、エンジニアの力がとても重要です。数ある日本の課題の中でも、ど真ん中の課題を解決することに挑戦するので、そのおもしろさは絶対にあると思います。そしてできれば、この素晴らしい日本の子育て、保育のサービスを、海外にも持って行きたい。これから入る人と、それを一緒にやりたいです。システム会社としてはまだ立ち上がったばかりですが、それ以外のノウハウは日本でも有数だと自負しています。ぜひ一緒にやり遂げましょう。

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