株式会社Ｅストアー

株式会社Eストアーは「日本中をウェブショップだらけにする」という理念を掲げ、ECサイト構築のシステム、マーケティング、人材や資金を総合的に支援するジョイントベンチャー事業及びSaaSサービス「ショップサーブ」を開発・販売する会社だ。サービス開始以来25年間で5万社が利用し、EC構築業界での売上高や流通取引総額でNo.1を誇っている。

ネット通販では、いわゆるモール型サービスへの出店が手軽で一般的だが、Eストアーは「本店型」と呼ばれる独自ドメイン店舗を一貫して支援してきた。外資・国内大手がメインプレーヤーとなるモール型ECの、対曲線に存在する「自社本店EC」が抱えるサイト構築のリソース課題を解決し、マーケティング・PRの支援を通して消費者に専門性が高く良いものを届けることがEストアーのミッションである。

またSaaSサービス「Eストアーショップサーブ」を展開し、販売強化とマンパワー不足を同時に解決できるＥＣカートを提供している。IT社会の拡大・人手不足・消費者の減少という３つの課題に対応し、世の中で起きる大きな流れである、「通信渋滞」「人手不足」「顧客減少」という課題を同時に解決している。今DXはEC業界をも取り巻く重要課題であり、また同時に機会であるとも言えるだろう。顧客拡大ではなくお客様一人ひとりと向き合う「接触頻度を増やす事」に焦点を当てたCRM機能でEC経営の質を高めていける、唯一無二のサービスだ。

2020年に大型EC構築Paasサービスを展開するコマースニジュウイチとマーケティング事業を展開するウェブクルーエージェンシーの2社をM&Aし、EC支援事業の基盤を強化した。パラダイムシフトが加速するなか、新生Eストアーグループとしてダイナミックな事業構造の変革を進めている。

Eストアーの創業は1999年。創業者である代表取締役の石村賢一氏は、インターネットの誕生前夜、アメリカで始まったネットワークを日本へ輸入しようという段階から、インターネットに関わってきた人物だ。インターネットで世界中がつながるという感動を原体験に、インターネットの特徴である双方向性を活かすに最も適したビジネスはeコマースであると確信し、同社を立ち上げた。

ネットショップが珍しかった時代に、ショップサーブの前身となるカートサービスを立ち上げ、市場を切り拓いてきた。それはそのまま、日本におけるeコマースの仕組みと市場を創り、広めて来た歴史でもある。ショップサーブは、モールではない独自ドメインの本店型のECサイトでは、最も利用されているサービスだという。

2000年前後の、いわゆるITバブル期に創業した会社の多くが市場からの撤退を余儀なくされたなかで、Eストアーは堅実に歩み2001年に上場後（現：東証スタンダード市場）、サービスを拡大させながら今日まで来た。ソーシャルゲームなど、その時々の成長分野に乗り出すIT企業を横目に、双方向の価値を追求するという軸をぶらすことなく、愚直なほどにeコマースの領域で戦ってきた。あくまでもその領域の中で、だが少しずつ時代に合わせて変化を遂げてきたことも、同社の持続的成長の要因だろう。そして今また、システムからマーケティングへという転換点にある。

AIが時代のキーワードになっている今、ほとんどの仕事は、いずれ機械にとって変わられると言われている。ショップサーブのサービスのメインスキームは、SaaSやPaaSを提供して対価を得るものだが、これは次第に自動化し、より少ない人数でサービスを回す形に進化するだろう。ノウハウを持った人材をいかに活用し、人にしかできない仕事へシフトするかが成長の鍵となる。そのような考えが背景にあっての方針転換だ。

「目指すのは三河屋さん」とは、社内外で折にふれ石村氏が口にする言葉だ。各家庭の家族構成にまで精通して最適な商品を勧めるなど、血の通った商売をしていた昔の商店。客の側も心地よく、つい財布のひもを緩めただろう。「SEOやデジタルマーケティングではできないサービスがあるはず」と石村氏は言う。それをeコマースで実現するのが、Eストアーの目指す姿だ。

Ｅストアーで働く魅力は、プロジェクトチームという盛り上がりである。そこには「共に、成長、甲斐」みたいなエモーションが出来あがる。顧客を中心に、エンジニア、コンサルタント、プロジェクトメンバーが寄って集って、共通の目的と目標を持って、一丸で取り組んでいく。

ポジション毎にルールが課せられている。コンサルティングであれば「調査分析をやるんじゃなくて、顧客の成功を皆で一緒に目指していく。そのために調査分析企画をやる」と。開発であれば、「ただシステムを作るんじゃなくて、消費者がゲームのようにより嬉しく楽しく買ってもらうにはどうすれば良いか？」を突き詰めていく必要がある。現場主義と顧客接点を重視するカルチャーが根付いている。

「eコマースは商い。ビジネスあると同時に、人対人のふれあいが取引を生み、喜びをもたらすおもしろい仕事」。これも石村氏の発するメッセージだ。その本質は、IT環境が飛躍的に進化しようとも変わらない。そのおもしろさを体感し、力を発揮する人材を求めている。

ちなみに同社には、福利厚生の一つに、ショップサーブを無料で使えるというメニューもある。自らネットショップを手がけることで得られる気付きが、サービスに還元されることもあるだろう。社員どうし仲が良く、コミュニケーションも良好。育休からの復帰率100％という働きやすさも魅力的な会社だ。