起業前の経歴や創業時の想いを教えてください
高校を卒業してから数年は、大好きだった音響の仕事でその日暮らしをしていました。転機は、なんでもない夜に突然きます。同世代の友人が社会人2〜3年目に差しかかった頃、急に将来が心配になって、居ても立っても居られなくなった。「人生を巻き返さないとヤバいぞ」と。それで一発逆転を狙って、営業会社に飛び込んだんです。めちゃくちゃ馬鹿なので、入社するまで何を売る会社なのかもよく分かっていませんでした。蓋を開けてみたら、求人広告をとにかく売りまくる会社だった。なんとなく飛び込んだHR業界に、いまだにへばりついているんだから、人生は不思議です。 営業は性に合っていました。ひたむきに数字を追いかけるのも嫌いじゃない。ただ、どうしても我慢ならないことがひとつだけあった。クライアントが抱える採用課題は一社一社まったく違うのに、自社から出てくる制作物は判で押したように同じなんです。課題が違うなら、答えも違うはずでしょう。悩んだ末の結論は単純でした。もう、自分で作っちゃおう。 そこから「自分で売って、自分で書く」という妙なスタイルが始まります。当時最年少で大阪支社の立ち上げを任された頃には、営業とライターの二足のわらじがすっかり当たり前になっていました。業界に「クオリティは二の次」という空気が蔓延していた時代です。私のやり方は随分と珍しがられましたが、本人としては大したことをしているつもりはなくて。営業もライターも、私にとっては同じ仕事なんです。自分を信じて発注してくれたお客様に、最大限の費用対効果で応える。自分の書いた広告を経由して入社した人には、幸せになってもらう。やることがそれだけなら、肩書きがいくつあろうと関係ない。 退職してフリーランスとして1年間活動したあと、前職からの相棒である青戸と、2016年にNOVELを立ち上げました。「ドーピングしない」というバリューも、「営業と制作の対等な関係」という文化も、突き詰めればあの頃の意地の延長線上にあります。かっこいい創業ストーリーではないですが、原点がシンプルなぶん、ブレようがないんです。
御社で働くやりがいや魅力を教えてください
採用支援を名乗っているのに、採用の結果を見届けない。長年この業界にいて、いちばん歯がゆかったのはそこです。広告をつくって、納品したら終わり。支援がうまくいかなかったときは「もう一回載せましょう」「違う媒体を試しましょう」なのに、うまくいったときだけは「自分たちのおかげ」。そんな虫のいい話はないでしょう。売り手市場にかまけて、データに基づいた改善を業界全体がサボってきた。そのツケが、この業界で働くクリエイターの燻りや居心地の悪さを生んでいると私は思っています。かつて大局観で仕事をしていた自分自身も含めて、反省すべきことです。 だからNOVELは決めました。もっとお客様に近づいて、もっと責任を取りに行く。その現在地が、RPOサービス「採用ぜんぶ」です。名前のとおり、採用戦略の設計から、応募対応・選考・入社といった実務まで、文字どおり"ぜんぶ"に入り込む。認知獲得だけを請け負う広告代理業とは、背負う範囲がまるで違います。 面白いのはここからです。支店によって面接通過率が大きく違う。求職者の離脱理由に一定の傾向がある。リファラルの紹介数が減り続けている。そんな採用を改善するタネは、実は現場のノンコア業務の中に眠っています。実務まで担っているから、それを拾える。拾ったら、オペレーションの改善で返すこともあれば、面接資料やWebサイト、求人広告の抜本的なテコ入れといった、説得力のあるクリエイティブで返すこともある。つくったものはすぐ現場で使われ、効果が数字で返ってくる。 自分の仕事が採用という成果につながったかどうか、ダイレクトに分かる環境です。これがどれだけ人を成長させるかは、営業とライターを兼業していた私自身がいちばんよく知っています。当たれば自分の手柄、外れたら自分の責任。ヒリヒリしますが、仕事の実感とは本来そういうものではないでしょうか。職種を問わず、この「成果に立ち会える」構造こそが、NOVELで働く最大の面白さだと思います。
理想の会社像、御社のビジョンを語ってください
NOVELのパーパスは「人事る(じんじる)」。人事を解放し、価値を高めることです。名詞を勝手に動詞にするくらいですから、本気度は察してください(笑) 私たちの仕事の主語は、いつも「人事」です。会社でも事業でもなく、人。では、何から解放するのか。理念では五つ掲げています。雑務からの解放。孤独からの解放。感覚論からの解放。感情労働からの解放。そして、ジレンマからの解放。採用がうまくいかないとき、矢面に立たされるのは人事です。この五つに縛られたままでは、どれだけ広告を工夫しても採用は良くなりません。クリエイティブも、RPOも、社労士事務所も、NOVELの事業はすべて、この解放のための手段なんです。 ただ、一社ずつの支援だけでは、人事の視野と可能性までは解放しきれません。それで始めたのが「人事る部」です。人事だらけの交流会として自社スペースで続けてきて、参加者は延べ100人を超えました。正直に言うと「いい話が聞けて勉強になったな〜」で終わる交流会なら、世の中にいくらでもあるんです。私たちがやりたいのは、そこじゃない。「部」と名乗っているのは伊達ではなくて、人事同士が本気でアウトプットをぶつけ合い、持ち帰った翌日から現場が変わる。そういうコミュニティへ進化させている最中です。 その延長で、いまは大学との産学連携の実現にも動いています。人事の知見が企業の中に閉じている限り、「働く」は良くなりません。学生が働くことを学び、人事が採用を学び直す。その循環をつくれたら、人事の価値はもっと上がるはずです。まだ道半ばの挑戦ですが、「人事を解放する」と本気で言うなら、ここまでやらないと嘘になる。 理想の会社像を聞かれたら、こう答えます。人事の周りに、学びと実践の生態系をつくる会社。働きたい社会をつくる、というビジョンは、人事が解放された先にしか実現しないと思っています。壮大な絵を先に描いたわけではなく、目の前のお客様に責任を取りに行った結果として、この形になりました。これからも、その順番だけは変えないつもりです。
御社で活躍するためにはどんな資質が必要とされますか
まず大前提として、自分の仕事にワクワクできていること。私たちは他人の仕事を描き、他社の採用を預かる商売です。自分の仕事から面白さを見出せない人が、赤の他人の仕事の面白さを見つけられるはずがありません。駆け出しのクリエイターがこぼしがちな「このお客さんには共感できない」という言い分。あれの正体は、買い手目線の好き嫌いでしか対象を観察できていない、アマチュアのマインドだと思っています。どんな業界の、どんな会社にも、掘れば必ず面白さはある。見つからないのは、掘り方が浅いだけです。そしてそれを見つけた瞬間が、この仕事でいちばん楽しい瞬間でもあります。 二つ目は、書かない時間・つくらない時間を大切にできること。必要十分なリサーチ、関係者とのコミュニケーション、日常的なインプット。書き始める時点で、仕事の出来は9割決まっています。質より前に、まず当たり前。小手先のスキルでどうにかしようとせず、土台を積める人が結局いちばん強い。独りよがりでもなく、大量生産でもない、本当に質の高いアイデアはそこからしか生まれません。 三つ目がデータ思考です。お客様を勝たせてナンボの世界なので、当てずっぽうは通用しません。再現性のあるクリエイティブ、再現性のある採用支援。そのためのロジカルシンキングは、営業だろうがクリエイターだろうがディレクターだろうが当然の装備です。むしろ、そうでなければ生き残れない時代がもう来ています。 一方で、HR業界の経験は必須ではありません。もちろん、あるに越したことはない。ただ、NOVELは異業種からの転職者がほとんどですし、業界知識はあとからいくらでも身につきます。それよりも大事なのは、自分の頭で問いを立て、自分の判断で動き、その結果に責任を持てるかどうか。いま募集しているのは、クリエイティブもRPOもSNSも、すべて現場を率いる側のポジションです。指示を待つ人には、正直つらい環境だと思います。
最後に御社を志望される方へのメッセージをお願いいたします
NOVELのコーポレートアイデンティティは「交ぜる」です。営業と制作。実務とクリエイティブ。社内と社外。人事と学生。違う領域が交ざる場所にしか生まれない価値がある。創業からずっと、それだけを信じてやってきました。共同代表という珍しい体制も、部門を隔てる壁のないオフィスも、全部この考えの現れです。 だから、きれいに整った専門領域の中だけで完結したい方には、たぶん向いていません。逆に、自分の専門を軸足にしながら、隣の領域へ踏み込むことを面白がれる方なら、これほど楽しい会社はないと自信を持って言えます。 NOVELは無尽蔵な増員をしません。粒の揃ったメンバーで、良い仕事をする。そのための厳選採用です。だから面談では、うちの強みも弱みも、聞かれたことにそのまま答えます。入社してから「こんなはずじゃなかった」となるのが、お互いにとっていちばんの損失ですから。クライアントには「ドーピングしない」と言っておいて、自社の採用でだけ盛る。そんな格好悪いことはできません。 求人を読んで、少しでも引っかかるものがあった方へ。まずはカジュアル面談で話しましょう。飾らずに来てください。こちらも飾りません。