前職の会社から株式会社ライティング創に移籍された経緯と、入社当時の状況をお話しください。
私が当社に移籍したのは、先代社長(父)と現社長(兄)から、一緒に新しい照明器具メーカーをつくらないかと誘われたことがきっかけでした。当時、ライティング創は、まだメーカーではなく、他社が照明を開発する際の協力等がメインの会社でした。私は前職で製造に携わり、協力工場との折衝も行っていましたので、その経験を生かせると思って移籍しました。前職の会社は、白熱灯等の従来光源を使用した照明器具を下請け的に作っている会社でしたので、自発的に新しいことに取り組むような雰囲気の会社ではありませんでした。 当社も前職の会社同様、当時からファブレスメーカーを指向していました。先代社長も以前メーカーにいて製造の知識がありましたので、一緒にメーカーとしての下地をつくってきました。 当時、LED照明は、まさにこれから実用化を迎えようとしている時期でした。イルミネーションには使われていましたが、一般照明にはまだ使われていませんでした。日本でどういうふうに受け入れられるかも分かっていませんでしたし、否定派も少なくありませんでした。 そんな時に、以前から付き合いのあった照明デザイナーさんから照明器具の相談を受けたことがメーカーとして飛躍するきっかけになりました。先見性のあるデザイン事務所で、将来を見据えて一緒に開発してほしいという要請を受け、試行錯誤を繰り返しながらメーカーとしてのノウハウを蓄積してきました。
元々御兄弟で会社を継ぐ意識はありましたか。
私自身は当初、その意識は全くありませんでした。前職にアルバイトで入ったのも、忙しいから手伝ってくれと言われて始めただけだったんです。その後、正社員となり、当社にジョインした時も、この業界に骨を埋める覚悟みたいなものはなかったですね。若かったということもありますが。 ただお客様と一緒に空間を作る中で、お客様の喜ぶ声を聞いたり、有名なお店の照明を手掛けて評価されたり、世の中に受け入れられている実感が持てたことで意識は変わっていきました。そこにやりがいを見出していたことは間違いありません。それがそのお店やホテルにお客様が集まる理由を考えるというところに発展していきました。 特に印象に残ったのは、何と言っても日本平ホテルとリッツ・カールトン京都の仕事です。特に日本平ホテルは、ホテル一軒の照明をほぼ全て自社で担当するのは初めての案件でした。そしてその成果が評価され、リッツ・カールトン京都の案件に繋がったのです。私達にとって、それまでに蓄積してきたことの集大成とも言えるプロジェクトでした。
副社長に就任した際の思いをお話しください。
それまで時間をかけて準備はしていましたので、改めて思うことはなかったと思います。ただ、代が替わった直後にコロナ禍に直面したので、そういう意味で大変さはありましたね。現代に生きている人が誰も体験したことのない、未知なる出来事でしたので、どうなるかという不安はありましたし、途中でストップした案件も沢山ありました。 ただ、ゼロにはならなかったので、なんとか前に進むことができました。常に思っているのは「止まっていてはいけない」ということです。その時もどうすれば動きやすいのかを考えて、2020年6月、東京に本社を移しました。当時、既に東京での活動が多くなっていましたので、実態に合わせるためです。 その後も、これまでの良い面は引き継ぎながら、変えるべきことは変えなければいけないと思い、社長と一緒に考えながら変えてきました。2025年12月に発表したリブランディングもその一環です。改めて量産品を作る会社ではないという思いを明確に言語化し、目指す方向性を示しました。まだ発表して数カ月しか経っていませんので、社内の変化は見られませんが、何のために仕事をしているのか、ベクトルを一致させるきっかけにはなっていると思います。
今後に向けて、ご自身はどのような役割を担っていこうとお考えですか。
本来は経営者として、5年後、10年後を見据えた取り組みをしたいのですが、目の前の実務に割く時間が圧倒的に多いのが実情です。その状況を改善するために、今、キャリア採用に取り組んでいます。営業部門から、生産、設計、品質管理まで全部門で人材を採用し、会社の層を厚くしたいと考えています。その上で、今在籍する社員のリソースを、未来を形作る仕事に振り向けていかなければ、企業としてレベルアップすることは難しいだろうと思っています。 具体的に今、準備を進めているのが、オリジナル商品の開発です。他にはないものを作ることが、メーカーにとっては重要なことだと考えています。当社は照明デザイナーの方々からの要望を受けて、世の中にないものを作っています。その中から、今後世の中に広く受け入れられそうなものを、当社のコンセプトで商品化し、広げていけたらと思っています。大変だとは思いますが、それをすることが未来に繋がっていくものと考えています。
今後、ご入社される方にお伝えしたいことをお話しください。
私が社員に求めたいことは、保守的にならずトライするマインドです。もちろんメーカーとして品質は大切にしなければなりませんが、社員の動きが停滞してしまうと、会社もストップせざるを得ません。常に前を向いて進んでいける人をまずは求めたいと思っています。 一方では、会社としても今後、社員が新しいことに挑戦しやすい環境を整備する必要があると思っています。そのため、教育の場を設けると同時に、マンパワーに頼りすぎないようDXにも取り組んでいます。未来に向けて取り組まなければならないことに時間を割けるよう、生産性の向上に努めたいと考えています。 当社が求めているのは必ずしも、業界経験のある即戦力ではありません。当社のビジネスにとっては、異業種を経験してきたからこそ生まれるアイデアも貴重な財産です。従来の照明にない概念を取り入れることも大切だと思っています。 当社の魅力は、何と言ってもオーダーメイドのものづくりができることです。薄利多売の商品は、得られる利益に見合ったものしか作れません。当社のビジネスに興味を持たれた方は、ぜひご応募ください。
