kutsuhimo consulting株式会社

kutsuhimo consulting株式会社（以下、同社）は、“本質的な価値を提供する”をミッションに掲げ、SNSマーケティングのエキスパートとしてコンサルティング事業を展開している会社だ。100％リファラルで大手企業をクライアントに持ち、採用領域を中心としたSNS運用×戦略コンサルティングで成長を続けている。

同社の特徴は、バズる動画を作って投稿するのではなく、「その企業の本質的な価値や魅力を掘り下げ、その企業にしか生み出せない動画をゼロから作りブランディングを行う」ことにコミット。多くのSNS会社がバズる・総再生回数・フォロワー数といった数字で勝負しているのに対し、同社はクライアント企業のアカウントを使って価値向上のための運用を徹底している。

だから、何より「クライアントワーク」に時間をかけることを重視。代表取締役CEOの鎗屋蓮氏は、「デューデリジェンス並みの企業理解をしてから運用をスタートする」と語る。
契約後は1～1.5か月かけて企業調査を行う。職業体験、社員へのヒアリング、演者の調査とキャスティング、さらに同業からどう思われているといったインナー部分まで入り込んだ上でコンテンツを設計。担当者だけではなく経営者等の決裁者に対する定期的な報告もスキームに入れてPDCAを回す。

多くのSNS会社は、SNS自体に需要があるため少しコツを掴めば再生回数やフォロワー数が伸びて売上になるが、実際に採用や集客に繋がらずたいていは短期契約1回きりで終わるそうだ。だが、同社は違う。

「私たちはクライアントワークがあった上で再生回数やフォロワー数を獲得します。また、SNSがどう採用に繋がったのかという反響数も追います。会社説明会や内定式・入社式でSNSを見ましたかと調査したり、人事部にお願いして面接時に聞いてもらったり。そうして反響数を追って翌年に向けて設定するんです。
だから顧客満足度も高く、1年契約・更新ですが継続率が高いです。私たちの本質は、お客様と現在進行形で付き合えているところに価値があると思っています」（鎗屋氏）。

経営において数字ではなく本質にこだわり、売上よりも利益率、社員数よりも社員一人のパフォーマンスを引き出すことに注力している同社。クライアントワークで本当にお客様に満足してもらうサービスとは何か、をしっかり落とし込んでいる稀有な存在なのである。

同社には、5年後に売上40億円、営業利益20億円、時価総額500億円で上場するという目標がある。しかし、上場はあくまでも一つの通過点だ。

「現在SNSを主事業にしていて上場している会社はありません。そこで私たちが上場して基準という旗を立てたい。義務を果たさないと権利を主張できないと思っているので、上場することで生まれる義務を世の中に対してしっかり果たし、社会に還元した上で発言したい。その発言力を手に入れたいのです」（鎗屋氏）。

事業成長に向けては新たな戦略を立てており、「成功した人たちが自分たちで作り上げたものを、自分たちで壊すほどの勇気が進化に繋がる」と鎗屋氏は語る。その一つがAIプロダクトの提供、そして中期計画としてM＆Aに参入する。

・AI活用による新規サービス開発
本質的な価値を引き出すノウハウやビッグデータをAIで仕組み化し、社内ツールとして活用することでコンサルタントの生産性向上、サービスの再現性を担保。ゆくゆくは低価格なサブスクで提供し、大手だけではなくより多くの企業にノウハウを届けていく。

・M＆Aによる“縦”に枝分かれしたグループ構築
カルチャーはそのままにマーケティングという幹に縦展開でM＆Aを行い、社員の個性が葉となる会社になる。

そして、最終的なゴールは「金融×SNS」による圧倒的地位の確立。
クライアントの企業価値を最大化する存在であるために、鎗屋氏が考えるSNSマーケティングの最終点は「顧客企業の株価を上げること」。そのためにSNSのフォロワー数や再生回数といったデータを“見える価値”として決算書に戦略的に盛り込み、企業価値を上げる取り組みに挑戦する。

「SNSの実績データという“見えない資産”を決算書に載せた時、株主構成や株価がどう変わるかを見ていきたい。必然的に動かせるポートフォリオを作れればSNSマーケの会社がIRにインパクトを与える存在になれます。SNS上にしかない数値を超えて反響を出していく、SNSのデータをどれだけPLに響かせることができるかに挑戦していきます」（鎗屋氏）。

SNSによる「どれだけのファンがいるか」という数字は、売上や利益だけではわからないその会社の強力な非財務情報。投資家が企業価値を評価する際、「こんなに多くのファンがいる」という期待感が株価形成にポジティブな影響を与えれば、株価が上がり企業価値向上に繋がるのだ。

同社 は、すべての工程を自社で行っている。コンサルタントは企画から分析まで一連業務を担い、制作もほぼ内製化しているため“こだわり”をしっかり形にできる環境。コンサルタントの担当社数は、1人あたり4～6社。その分顧客と深く信頼関係を築き、丁寧にPDCAを回すことに専念できる。

そんな同社で働くやりがいの一つは、上場企業等の経営層と対等に話ができること。
「SNSマーケティングのサービスが強いというのは建前。本音は、“こんな素晴らしいお客様と付き合える”ということにあります。大切にしているのは、お客様に入り込めているという事実です。
案件をトップダウンで獲得しているので、オーナーや経営者と仲が良いです。お客様の地位がどんなに高くても、その人が知りたいと思ってくれればその空間だけは逆の立場になれる。もちろん私たちが学ぶことも多いですが、平等に尊重し合える関係性になって共創していくパートナーになってほしい。そして一緒により良いものをつくっていく。“共存しながら共創し合える環境”があるのがKUTSUHIMOです」（鎗屋氏）。

その反面、大きな裁量が与えられるのも事実。同社は、いちプレイヤーとしてではなくマネージャーになることを前提にした採用を行っている。重視しているのはカルチャーフィット。

クライアントの成果や人からの信頼を何よりも大切にしているからこそ、お金よりも信頼を大切にする。そして人の心を動かす動画づくりには「なぜ惹かれるのか？」という探究心や論理的思考が必要。そのためお金を稼ぐことが目的の人や根拠なく夢や希望を語るタイプの人は続かないという。

「裁量の大きさに恐怖心や不安があるかもしれないですが、それもやりがいやワクワクに変えて、一緒に旗を立てられる人に来てほしいです。
SNSの知識は問いません。それよりも、何かに本気で挑戦して失敗した人に魅力を感じます。一度失ってから何かを得た人、もしくは何かを得たいけど今いる場所には無いという人。挫折した人にしかない野心やオーラは、経営者の信頼を勝ち取れる要素でもあるんです」（鎗屋氏）。

社員に共通しているのは「CXO人材たれ」というマインド。今後組織が拡大する中で、環境づくりにも積極的に意見を発信してほしいとのこと。「我こそがKUTSUHIMOを変える」そんな気概を持つ人を同社は待っている。