代表取締役社長　久保田 さく良氏

ご略歴を教えてください。

短期大学卒業後、住宅メーカーに入社し、約2年間勤務しました。退職後、創業社長で現会長である父から「それなら会社を手伝ってみないか」と声をかけられ、アルバイトとしてトラバースに入社しました。 まずは工事の報告書作成からスタートし、その後、設計部門のアシスタント業務、請求・入金管理など、バックオフィス全般を経験しました。入社5年目からは、地盤改良工事の工程を組む業務を任されるようになります。工事自体は1件あたり2～3日で完了しますが、約20班の施工チームが次々と現場を回せるように、日程調整や必要な資機材の手配を行うのが私の役割でした。 各現場で活躍する男性社員を相手に調整を進めていく中で、「社長の娘」という立場ゆえに、相手もやりづらさを感じていたと思います。時には厳しい言葉を受けて悔しさから涙したことも少なくありません。しかし、そうした経験も含めて、この仕事は非常に面白く、大きなやりがいを感じていました。皆で一体となって現場を動かしている実感が得られたことが、その理由だと思います。そうした現場調整の経験があったからこそ、後に工事日程管理の基幹システムを構築する大規模プロジェクトも、最後までやり切ることができたと感じています。 その後結婚し、3人の子どもに恵まれました。復職後は、人事・総務をはじめとする管理部門を担当し、徐々に経営にも携わるようになりました。2023年には、地盤調査・地盤改良工事の実働部隊であるグループ会社・トラバースエンジニアリングの社長に就任し、2025年4月には株式会社トラバースの社長に就任いたしました。

株式会社トラバースをどんな会社にしていきたいと考えていますか？

これまでの50年間、当社は工法や機械・道具を自社で開発し、下請けに頼らず自社部隊で施工を行うスタイルを貫くことで発展してきました。今後もその強みはしっかりと継承しつつ、同業他社や異業種の皆さまとの協力体制をさらに強化し、しなやかで強い組織へと進化させていきたいと考えています。 コンプライアンスと社会貢献をより一層意識し、安全と品質を最優先に、誇りと誠実さを持って仕事に向き合うことを大切にしたいと思います。その積み重ねによって、「品質と信頼で選ばれる企業」であり続けたいと考えています。 また、本業である地盤調査・地盤改良で培ってきた技術と経験を活かし、新たな事業領域にも挑戦していきます。単発の新規事業で終わらせるのではなく、最終的には自社の通常業務として定着させ、次の50年を支える新たな柱へと育てていきたいと考えています。

そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いを聞かせてください。

新しい分野に挑戦していくためには、全社員が常にアンテナを張り、「この仕事は自分たちでもできるのではないか？」と主体的に提案してくれることを期待しています。社内でもそのことをよく話しているのですが、その呼びかけに応えるように、ある営業担当者がさっそく新規事業の提案をしてくれました。すぐに検討を始めて着手し、現在は知見や経験を積んでいるところです。こうした動きが、今後さらに増えていってほしいと考えています。 そのような仕事を通じて、社員一人ひとりにはやりがいや達成感を味わってほしいですし、なによりも幸せになってほしいと願っています。「子どもが進学しました」「家を購入しました」といった報告を社員から受けると、本当にうれしく、経営者としての喜びを強く感じます。 求職者の皆さまには、ぜひ当社のこうした雰囲気や考え方を知っていただきたいと思います。きっと好きになっていただける会社だと自負しています。この機会に、まずは気軽に当社にアクセスしていただければうれしいです。

久保田社長の仕事観を聞かせてください。

私にとって仕事は、社会とつながるための大切な手段です。主婦として家庭で過ごす時間も大好きですが、それだけでなく、仕事を通じて外に出て、若い方からベテランの方まで、さまざまな人と出会い、学び、刺激を受けたいと考えています。 そうした日々の関わりの中で、多様な価値観や考え方に触れながら、自分自身を精神的にも外面的にも磨き続けていきたい。それを実現してくれるのが「仕事」であり、私にとっては社会とのコミュニケーションの場、その中心にある存在だと感じています。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

体を動かすことが好きなので、オフの時間はジムでヨガやエアロビクスをして過ごすことが多いです。心身ともにリフレッシュできますし、仕事のパフォーマンスにも良い影響があると感じています。 また、犬が好きでミディアムプードルを飼っており、一緒に散歩をしたり遊んだりする時間も大切な癒やしのひとときです。