代表取締役　桜木 笑語氏

ご略歴を教えてください。

私は中国・大連の出身です。小学5年生の頃から「雑技団」に所属し、17～18歳の頃にはその一員としてヨーロッパ各地で公演に参加しました。2007年には東京のテーマパークでの公演が決まり、日本に4年間滞在しました。その最後の年、2011年に東日本大震災が発生し、多くの方が犠牲となったことに大きな衝撃を受け、自分のこれからの人生について深く考えるきっかけとなりました。 日本での生活を通じて日常会話程度の日本語を身につけていたこともあり、「この環境で暮らし、学びを重ねたい」と思うようになりました。そこで日本語学校で2年間学び、その後大学に進学。学生時代は生活費をアルバイトでまかないながら、少しずつ自分の将来に向けて経験を積んでいきました。 2017年の卒業後は、オフィス機器などを扱う会社に入社し、MAツールやリスティング広告といった商材の新規開拓営業に取り組みました。結果を出すまで帰れないといった厳しい環境で多くを学びましたが、その中で自分は組織に属するよりも、自ら道を切り開く方が向いていると感じ、起業を意識するようになりました。そこでまずは経営を学ぶため、4～5人規模のアフィリエイト広告を手掛けるベンチャー企業に転職しました。 その後、クライアントとして健康食品会社と出会い、話を重ねる中で、パッケージの調達にはロットの大きさや納期の長さなど、さまざまな課題があることを知りました。自分にとっては新しい気づきであり、大きなビジネスの可能性を感じました。そこで「中国なら解決できる工場があるかもしれない」と考え、毎週末に現地を回って探し続けました。そうした中で、あるグラビア印刷工場と出会い、日本企業の窓口として営業を始めることになったのです。 経験のない中で取り組んでいたこともあり、ミスが重なって不良品を納品してしまうなど、トラブルもありました。それでも諦めずに、パッケージの課題を解決できる方法を探し続けました。そんな中でデジタル印刷を知り、「これだ」と直感したのです。 創業当初は一人で、見積もりや入稿、仕様書の作成、納品の連絡対応まで、すべて自分でこなしていたため、毎日がめまぐるしく過ぎていきました。どうにかもっと効率的に案件を進められないかと考え、ユーザーの利便性も高められるように仕組みを工夫し、見積もりや入稿対応の自動化に取り組みました。その取り組みが形になり、サービスは進化を重ね、現在の『Brixa』へとつながっています。

株式会社イクスラボをどんな会社にしていきたいと考えていますか？

今後は『Brixa』をさらに進化させ、販促支援サービス、さらに商品企画やブランド立ち上げ支援サービスへの展開も視野に入れています。 そんな当社の企業理念として、「課題を価値に変え、人を幸せにする」という言葉を掲げています。「パッケージづくりでの困りごとやモヤモヤを、提案力とDXの力で解決する会社」という姿ですが、この背景には次のような考えがあります。 今の時代、全く新しい商品・サービスを生み出すのは相当困難だと思います。そんなイノベーションを追求するよりも、今目の前にある課題に対して、自らのリソースをフル稼働させていかに解決するかに自らの価値を見出すべきと考えています。 そのため、差し当たっては軟包装というパッケージにまつわる課題を突き詰め、これを解決する新たな価値を創出し提供していくことに、当社のミッションを置いています。 まずは、『Brixa』を軟包装の“当たり前”にすることを目指し、これを基軸に徐々に周辺に領域を広げていきたいと思っています。

そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いを聞かせてください。

私は、目の前の仕事をただ「こなす」ことを望んでいません。 常に「これで本当にいいのか？」と自分に問い続け、もっと効率的にできる方法はないか、ユーザーがまだ気づいていない価値はないか、と挑み続けてほしい。 そうした小さな疑問こそが、新しいアイデアを生み、あなた自身を成長させる原動力になるからです。 私は、社員にたくさんの成功体験を積んでほしいと思っています。 なぜなら、成功から得られる自信ほど強いものはないからです。 もちろん、成功は簡単ではありません。その裏には必ず数えきれないほどの失敗があります。私自身も同じです。けれども失敗を恐れず挑戦し続ける人こそ、大きな成長をつかむことができます。イクスラボは「失敗を恐れず、挑戦から学ぶ」文化を大切にしています。 求職者の皆さんには、今の環境で本当に自分の強みを発揮できているかを改めて考えてほしい。 もし答えが「NO」なら、勇気を出して一歩を踏み出してほしい。挑戦する場所を変えるだけで、人生は大きく動き出します。その舞台のひとつとして、ぜひイクスラボを選んでいただきたい。 私たちは今、設立5年目を迎え、次の5年を大きな飛躍の時代にしようとしています。組織づくりという大きな課題に、共に挑んでくれるリーダーを心から求めています。失敗を恐れず、挑戦を楽しみ、未来を一緒に切り拓いていきましょう。

桜木代表の仕事観を聞かせてください。

趣味もそうですが、仕事は自分のやりたいことを実現させるツールだと思っています。自分の強みを発揮し、なりたい自分になる。そんな自己実現の手段ですね。 振り返ると、今の仕事はまさに自分の性格や価値観、そして日本と中国という二つの国を理解しているという背景を強みに変えて取り組めていると感じます。そうした環境で挑戦できていることに、大きなやりがいを持っています。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

3歳と1歳の娘がいるので、休日はもっぱら子供たちと近所の公園やレジャー施設に行ったり、ときにはグランピングやキャンプに連れて行って自然に親しみながら過ごしています。