シスタ株式会社

少子高齢化が進む日本で、介護・医療の需要は今後さらに拡大していきます。一方で「人材不足」ばかりが強調され、その根本にある“働きづらさ”や“続けにくさ”といった構造的課題には十分に光が当たっていません。

私たちは、「人を増やせば解決する」という発想を超えて、医療・介護の現場における根本課題にテクノロジーで挑んでいます。目指すのは、人が専門性を発揮できる環境を整え、持続可能な仕組みをつくること。現場の負担を減らし、本質的なケアに集中できる社会インフラを構築することが、私たちの役割だと考えています。

現在は以下3つの事業を展開しています。

・経営支援SaaSの提供
施設におけるシフト作成や業務管理、レセプト申請などの間接業務を自動化し、業務効率と収益性の向上を実現します。
・バックオフィスのBPO支援
事務業務のアウトソーシングにより、限られたリソースを現場に再配分し、ゆとりあるケア体制を実現します。
・医療・介護業界向けセールスマーケティング支援
業界に特化した営業支援を通じて、現場ニーズと企業のプロダクトを適切につなぎます。

中でも中心となるのが、1つ目の経営支援SaaSです。
医療・介護業界において、有資格者が本来の業務に集中できるようにするためには、「有資格者がやらなくていい仕事」を減らす仕組みが不可欠です。

「人手不足は、“人を増やす”だけで解決できるものではない。間接業務はITに任せ、有資格者が専門業務に専念できる環境をつくることが、医療・介護の未来を支える。」──これが私たちの考えるビジネスのスタートです。

単なるツールの提供にとどまらず、導入から運用、業務設計までを伴走するかたちでサポートすることで、「人とテクノロジーの融合」で現場の力に変えていきます。

日本の医療・介護業界は、約61兆円という巨大市場でありながら、深刻な人材不足と構造的な非効率を抱えています。介護だけを見ても約20兆円のマーケットが存在し、2040年には介護職が約57万人不足すると予測されています。厚労省も数年前から対応に乗り出しているものの、業界全体としては依然としてデジタル化の遅れや業務構造の複雑さに苦しんでいます。

医療・介護業界の売上は公的保険に大きく依存しているため、制度的な制約が多く、単に人手を増やしたり新規事業者が参入したりするだけでは、根本的な課題解決には至りません。しかも保険点数（＝売上のベースとなる単価）は年々引き下げられており、限られたリソースでより高品質な支援を提供する――つまり「生産性を本質的に高めること」が今、強く求められています。

私たちは、現場の間接業務──特にシフト・レセプト・記録業務といった“アナログで属人的”な業務の自動化を軸に、医療・介護施設の業務インフラを再設計しています。人がやるべき仕事と、テクノロジーに任せられる仕事をきちんと分離することで、有資格者が専門業務に集中できる環境をつくる。これこそが、医療・介護の持続可能性を支える本質的なアプローチだと考えています。

現場の非効率を可視化し、業務データを蓄積・分析・活用できるようにすることで、単なる“作業の効率化”にとどまらず、“事業としての最適化”を目指しています。売上や人員の管理といった基幹業務をデジタルの力で支えることで、現場の負担軽減と経営の高度化の両立を図ります。

日本が直面する超高齢社会。その中で、自分たちの将来を「自分ごと」として見つめたときに、誰もが安心して年を重ねられる社会の土台づくりに関わりたいという想いが、この事業の出発点です。

シスタが今回求めているのは、創業フェーズの今だからこそ得られる裁量と責任のもとで、社会インフラとなる事業の立ち上げをリードしてくれる仲間です。

医療・介護という社会の根幹を支える領域で、まだ誰も正解を持たない課題に向き合いながら、自分の専門性を活かして価値ある仕組みをつくっていく。そしてそれを、国内外に広がる巨大なマーケットで展開していく。これこそが、シスタで働くことの最大の醍醐味だと私たちは考えています。

介護保険制度が始まってから、まだわずか四半世紀。業界全体のDXは緒についたばかりで、構造的な非効率が多く残るのが現状です。だからこそ、この巨大かつ未成熟なマーケットで、社会課題に根ざした価値ある仕組みを創り切る意義は大きく、今まさに挑戦する余地が残されています。

また、医療・介護の構造課題は日本特有のものではなく、世界中が少子高齢化に直面するこれからの時代において、ますます普遍性を帯びていきます。現場の非効率をテクノロジーの力で再設計する取り組みは、将来的にグローバル展開も視野に入るテーマです。

もちろん、簡単な挑戦ではありません。業界のITリテラシーは決して高くなく、複雑な業務を担う現場に新しい技術をなじませていくには、テクノロジーの力だけでは乗り越えられない壁が存在します。だからこそ必要なのは、現場理解と構造理解の両方を持ち、複雑な課題をシンプルに捉え、当事者に寄り添いながら実行していく力です。