ご略歴をお教えください。
2002年の大学卒業後、信託銀行に入行しました。支店に配属され営業に従事後、スタートアップ支援の部門に異動したのです。そこでネットベンチャーが面白そうに感じて、2005年、担当していた創業3年目の比較サイト等を手掛ける会社にCFOとして転職します。同社は2006年に東証マザーズに上場しました。 まだ20代後半だった私は、次にネット業界のトップ企業を見てみたいと、2008年にインターネットサービスを手掛ける大手企業に応募し、採用されます。そこではM&Aを担当したのですが、買うだけでなく買った後のマネジメントも経験したいと、2015年に自動車総合サイトを運営する会社に行き、管理本部長に就任しました。その2カ月後に取締役CFOに就任します。 同社では、何社かへの投資を行ったのですが、その中に自動車総合サイトと近い自動車販売業務支援システムを手掛けるファブリカコミュニケーションズがありました。そんな経緯から、2017年に同社の社外取締役に就任します。2021年に同社がJASDAQに上場すると、私は正式に取締役として入社することになりました。 そして、2024年4月に同社の持ち株体制への移行に伴い、私は新設された株式会社ファブリカホールディングスの取締役CFOに就任するとともに、株式会社メディア4uの代表取締役社長に就任しました。
御社をどんな会社にしていきたいと考えていますか?
前任の社長で、現・代表取締役会長の奥岡征彦は、鋭い感性を発揮して当社を法人向けSMSのトップシェア企業に引っ張ってきました。市場と共に当社の規模も大きくなった今、よりシステマチックに経営していく必要があると考えています。当社は30名程度の少数精鋭の組織ではありますが、全員が自律的に動けるよう、経営情報をオープンにしてリアルタイムで確認しつつ仕事ができる環境をつくりました。そして、それまで行われてきた毎週の全体会議でも、データを見つつ事業の方向や施策を確認する場に改めています。 今後のビジョンとして、SMSやIVRの市場はまだまだ伸びると見ています。普及し切っている携帯電話の番号は、マイナンバーと同等の普遍的な価値があると考えられ、様々に活用できるはずだからです。この市場でいいポジションを得ている当社は、ポテンシャルが非常に大きいと自負しています。 また、通信の世界はWebサービス等ネットの世界と似て非なるものです。Webサービスもミッションクリティカルなものもありますが、エンターテインメント的なサービスが多い世界です。一方、ライフラインでもある通信は止めることはできず、メッセージを正確に漏れなく届ける必要があります。したがって、常に安心感、信頼感のあるサービスを意識して運営していきたいと考えています。
そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いをお聞かせください。
こうした観点から、日頃から社員には当社サービスが提供するお客様への付加価値とは何かを意識的に問いかけています。営業にとっては売上が大事でしょうが、その売上も、付加価値がなければ実現させることはできません。ですから、短期的な視点だけでなく、中長期的な視点を持って業務に取り組んでほしいと考えています。 一方、当社は30名で50億円を売り上げるという、一人当たりのパフォーマンスが大きい特徴があり、大企業並み、もしくはそれ以上にダイナミックに働ける環境があると言えます。せっかく当社に属しているからには、そんな環境を存分に楽しんで仕事してほしいですね。
岩館さんの仕事観をお聞かせください。
人生は短いと思っており、その時間の大部分を費やす仕事をいかに楽しくするかが自分の命題のように思っています。 楽しいことは人それぞれでしょうが、私の場合は何かにチャレンジすることが楽しいです。そこで、やったことがないことはできるだけやってみることを心掛けています。私は40代半ばで、新しいことを始めるのはパワーもかかるのですが、苦手に感じるものほどやってみる価値はあると思い、今は新しいWebサービスや生成AIが出ると試しています。大変に感じますが、新しいサービスなのでみんな横一線だと思えば勇気も湧いてきますね。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
仕事同様、プライベートでもチャレンジしており、今はもっぱらトライアスロンの大会に参加しています。これも肉体的に苦しいので「今回は時間もないし止めておこうか」とつい妥協してしまいがちなので、先にエントリーして後戻りできない状況に自らを追い込んでいます。それでも、トライアスロンはゴールすれば順位関係なくゴールテープを切らせてくれる自分との闘いなので、ゴールの瞬間の達成感は非常に気持ちいいですね。スポーツというより、修行のような感じです。