ご略歴をお教えください。
社会人としてのスタートは、父親が経営する会社を承継することになり、“経営者の卵”でした。当時、会社経営に関する知識はなし。そして会社は当時、収益を上げることに苦しんでいたので、睡眠時間を削って本を読んだ記憶があります。時代はインターネット創成期。業務効率化のために、学生時代にパソコンオタクだった私が社内のIT化を進めたところ、業績が上向いたのです。その後、IT業界に飛び込み、大手電機メーカーに入社しました。しかしながら、大手企業の体質が合わず、ベンチャーに転じます。当時はバリバリのエンジニアで多少天狗になっていたところに、ベンチャー企業の本物の天才と仕事することで、現実を知れました。その後、マーケティングや商品企画、営業、とひととおり経験することができました。しかし、会社として自分が担当していた事業を撤退することになり、ソフトウェア会社に移りました。プロジェクトマネージャー等に従事し、SI事業の拡大や新規事業の立上げ、経営企画等のバックオフィスも経験し執行役員を務めました。約20年勤め上げたところで、運命的な出会いにより2025年3月から当社にジョインすることにしました。 当社は、副社長の李と共通の知人から紹介されたのですが、李に会ってその真摯な人柄と会社の事業への想いの強さや、社員を大切にし、社員の成長に寄与したい想いに魅かれ、加わることを決意しました。 当社は日本の企業ですが、経営ボードやエンジニアの大半は中国人で、日本市場に最適化させていくキーマンが必要な状況だったのです。それを自分が務めたいと感じたことが動機になりました。その後、日本人社員の採用を進める等、着々と体制を整えつつあるところです。
御社をどんな会社にしていきたいと考えていますか?
当社はグローバル企業を目指しており、グローバル展開していけるための組織風土づくりが必要です。そのためには、スピードが何よりも重要だと思っています。“VUCA”といわれる不確実な世の中にあって、従来の日本企業のようにきっちり決めて進めるのではなく、メンバーの1人ひとりが自ら考えて行動し、アジャイルにPDCAを高速回転させていくことが重要です。 当社の売上高は1期目の2022年度は2,500万円、2期目は2億2,000万円でした。今後の目標としては、10期目くらいまでにIPOを目指して、グローバル企業への足掛かりとしたいと考えています。
そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いをお聞かせください。
当社は日本企業ですので、日本のお客様が多いです。日本のお客様には、フロントに立つ人は日本人を好まれるお客様が多いため、コミュニケーション力に強みがあるメンバーが顧客のフロントに立ってコンサルティングや営業を担い、技術力に長けている中国人エンジニアがソリューションの開発を手掛けるといった組み合わせを行えることが強味と考えています。これは1つの例えですが、多様性の強みを存分に発揮できる組織をしっかりつくっていきたいということです。メンバーは、そのことを理解してお互いを認め、リスペクトし合ってほしいと思っています。 また、中国人のメンバーに対しては、せっかく大好きな日本で暮らしているならば、日本を楽しみながら仕事を楽しんでほしいと思っています。 求職者の方へのメッセージとしては、ベンチャーの当社では、自分の成長が会社の成長にリンクする実感が味わえるということをお伝えしたいです。自分ができるようになれば、それが会社としてのできることの幅が広がる、やれることが増えるやりがいを感じられると思います。また、中国のトップクラス大学出身の天才的なスーパーエンジニアや、マイクロソフト社からMVP(Most Valuable Professional)に認定されたメンバーが在籍しているといったハイレベルの技術力がある一方、社内はとても仲が良くてフラットなカルチャーがあります。それらが魅力的に感じる方にぜひ入社していただきたいと願っています。
吉田さんの仕事観をお聞かせください。
仕事・会社に対するエンゲージメントを分解すると、①やりがいがある仕事、②良好な人間関係、③十分な報酬、の3つが重要な要素であると考えます。これら3つのうち、2つが満たされればその会社で働き続けたいと思うのではないでしょうか。私自身、そう思ってキャリアを重ねてきました。経営ボードの一角としての私の仕事は、できればこの三つを全て、少なくとも二つは必ず全社員に提供することだと考えています。 当社の行動規範は、自立(自己管理と責任感)、自発(主体的に行動する力)、自愛(自分を大切にする力)です。「自立」「自発」「自愛」の3つをバランスよく実践することで、個人としても、チームの一員としても大きく成長できると信じています。会社としても、この3つを支援する環境を整え、皆さんが活躍できる場を提供していきたいと思っています。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
サッカーが大好きで、40歳までは草サッカーでプレーしていました。ポジションはゴールキーパー以外ならどこでもやりましたが、特に好きだったのはセンターバックです。往年のドイツの名選手だったフランツ・ベッケンバウアーに憧れてサッカーが好きになったのですが、彼のように守るだけでなく攻撃の起点にもなるポジションであることがその理由です。 なお、40歳の時に膝を怪我でプレーすることは止めたのですが、それ以降はもっぱらJリーグ観戦で楽しんでいます。浦和市出身(現在のさいたま市)なので浦和レッズのサポーターであり、年間10試合くらいは埼玉スタジアム2002で観戦しています。 サッカーが面白いのは、勝つための戦術をいろいろと考えて行うところ。経営にも共通する要素があるので、参考になると思っています。