情報センターはどのような業務を担当する部署ですか?
2019年に文科省が提唱した「GIGAスクール構想」によって、教育現場のデジタル化が加速しています。これは、児童生徒一人一台の端末と高速大容量通信ネットワークを整備して教育の質を高めていこうという取り組みで、桐蔭学園でも数千台のタブレット端末が使われています。そこで学習に係るICTの整備や、学内の無線Wi-Fiの構築等、学習系システムの開発や維持、改善、ネットワーク環境の基盤構築、維持管理を担っています。 それから児童・生徒・学生の情報管理も重要な業務です。一人ひとりの個人情報はもちろん、どのようなカリキュラムで学んでいるのか、成績はどうなのか、全てを各種システム上で管理しています。その保守運営や改善、機能追加等も我々の仕事です。ここには、教職員に係る情報管理システムも含まれてきます。 多くの個人情報を扱うため、セキュリティの観点から個人情報はネットワークから完全に分離されており、学習に係るシステムも独自のネットワークを構築している等、学校法人ならではのデジタル環境をつくり上げています。
現在、基幹システムを刷新しているところと聞いていますが。
はい。古いプログラムで作っていたものがブラックボックス化してしまっていたため、現在使っているMicrosoft Accessから、AWS上にシステム移行しているところです。これが、なかなかの大仕事で、まだ4割ほど古いものが残っている状態です。新たに仲間になっていただく方には、この業務を中心に担当してもらいたいと考えています。 他にも、ネットワーク環境の整備等、やりがいのある業務が盛り沢山です。例えば、桐蔭学園にはおよそ300もの教室があります。生徒達は授業に応じて教室を移動するので、全ての教室でタブレット端末を使えるよう、無線Wi-Fi環境を整えなければなりません。しかも、通信エラーが発生してしまうと、学習を止めることになってしまいます。そのような事態を避けるため、安定稼働を絶対条件としてインフラを整備、維持管理する必要があります。これは簡単なことではありませんが、自分達が生徒達の学習基盤を支えているという使命感や充実感を得られるので、やりがいがありますし楽しくもあります。
学校におけるエンジニアリングには、“ならでは”の大変さややりがいがほかにもありそうですね。
そうですね。例えば、文科省から出るガイドラインによって、生徒の成績の評定が変わったりします。それに応じて、短期間で随時システムに手を加えるのは、時間との勝負でもあり大変になることもありますね。 また、生徒がタブレット端末を使うため、昔はかなり厳しいアクセス制限を設けていました。悪質なサイトを閲覧できないようにするための当然の処置ではありますが、近年はその制限がかなり緩和されてきています。こういった方針の転換にも素早く対応していかなければなりません。 ただ、今後は学習にAIが活用される場面が増えていくでしょうし、先端技術がどんどん教育現場に導入されていくはずです。桐蔭学園は、先進的な教育に前向きな学校ですから、技術的にも新しいものに挑戦する機会を得ることができるはずです。
情報センターの人材に期待することは何ですか?
これまでは個人商店のような組織でした。そのため、業務も知見も個人に付随しており、その人が辞めてしまうと他に分かる人がいないという状況に陥っていました。そこかしこにブラックボックスが存在したのです。そのため、現在は情報センターに蓄積された知見やノウハウの標準化、共有化に取り組んでいます。そのため、チームで動ける人材、組織知化に積極的に取り組める人材であってほしいですね。 また、システム開発や改善、インフラ構築等を行う上では、ユーザーである教職員から直接話を聞く機会が沢山あります。ですので、コミュニケーションに抵抗のない人材であることも重要になります。 ただ、これは裏を返せば自分が作ったシステムのユーザーが身近にいて、使い心地等を直接聞くことができるということでもあるので、そこがやりがいになっているというメンバーも少なくありません。
最後に、応募者へのメッセージをお願いします。
幼稚園から大学院まで約8,000名の児童・生徒・学生がおり、多様な価値観を持つ教職員が600名ほど在籍しています。それぞれがシステムに求めるものは違いますし、業務内容も千差万別です。そのため、考えることや開発するもの、機能等、非常に幅広い経験を積むことができます。できることも多いですし、チャレンジしがいのある環境だと自信を持って言えます。メリットを言語化してメンバーを納得させられれば、新しい技術を導入することもできます。私はグローバルITカンパニーで長らく働いていましたが、桐蔭学園の“新たな技術に取り組む姿勢”はかなり高い方だと感じています。 現状、情報センターのメンバーはベテランばかりで構成されていますが、面々と続いていく桐蔭学園の教育を長く支えていくには、次世代の人材も育成していかなければなりません。そのため、次代を担う人材に来てほしいと期待しています。少しでも興味を持っていただけたなら、一度話をしましょう。お待ちしています。