株式会社オープンアップITエンジニア

エンジニア派遣会社の、株式会社オープンアップITエンジニア。インフラ系を主体に、約4,500名のITエンジニアを擁する業界大手である。同社では、派遣先のプロジェクトにおいて若手エンジニアをマネジメントする中堅/ベテランのエンジニアを求めている。

同社の特色は、主に20代の未経験者を正社員として採用し（常用型）、自社独自の教育システムでエンジニアとしての基礎を身に付けた上で客先に派遣する「育成型派遣」にある。顧客にとっては、未経験者故に自社独自の作法を身に付けてもらいやすいメリットが挙げられる。したがって、長期間の派遣契約が中心となる。

一方、社内には今回の募集対象である中堅/ベテランのエンジニアを集めた「ネプラスセクション」を設置。PM業務や上流工程業務、官公庁や金融、通信キャリア等の大規模かつミッションクリティカルで高度なプロジェクトへの派遣ニーズにも応えている。加えて、当該エンジニアが現場で若手の育成に当たることで、顧客の育成負荷を軽減するという価値も発揮している。
同社の強みは、派遣スピードの速さ。全国に多くのエンジニアを擁していることで、どこにでも常時100名以上の“即日派遣”を可能としていること。顧客において急に発生したニーズに対応できる。

エンジニアの“質”の面でも、独自の育成カリキュラムで強みを発揮している。同社では、ネットワークにおいてはCCNA、Linux系サーバーにおいてはLPIC、クラウドにおいてはAWSやAzureという、グローバルに通用する技術を扱う資格を取得させている。講師は、未経験で同社に入社しベテランとなったエンジニア。受講者と同じ立場を経験しているので、受講者の気持ちを理解し、ポイントを押さえた指導を実施している。これにより、通常200時間以上かかる学習を2カ月で済ませることを可能にしている。

なお、同社は派遣会社として数少ないAWS認定パートナー企業に認定されており、「AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year」を派遣会社として唯一受賞している。

こうした強みにより、同社の主要顧客にはSIerやネットワークインテグレーター等の大手企業が97%を占める（2023年7月現在）。こうした大手顧客は、エンドユーザーに対してプライムの立場が大半。顧客に派遣された同社のエンジニアは、顧客の一員としてエンドユーザーとダイレクトに接し、業務を行えるメリットがある。特にネプラスセクションの中堅/ベテランは、顧客の営業担当者等と共に、エンドユーザーのニーズのヒアリングや提案、要件定義、設計といった上流工程を手掛ける強みを発揮。プライムの立場として、より多くの報酬を実現しているというメリットもエンジニアにとっては魅力的だろう。

同社は2023年7月、株式会社ビーネックスソリューションズのITエンジニアリングカンパニーと、株式会社夢テクノロジーが事業統合し、新たに株式会社オープンアップITエンジニアの新社名で再スタートを切った。その後同年10月にネプラス株式会社HR事業部（技術者派遣事業）を吸収分割し、ネプラスセクションを設けている。

それぞれの母体企業には、IT業界で事業を行ってきた歴史がある。
夢テクノロジーは1989年にフルキャストグループの母体となった株式会社神奈川進学研究所として設立後、1998年からITエンジニアアウトソーシング事業を開始している（2011年に夢テクノロジーに社名変更）。
ビーネックスソリューションズは、1999年にエンジニア系人材サービスを手掛ける株式会社デジタルスタッフとして設立された。その後、ヒューマントラストグループやトラスト・テックグループに加わる。2019年にビーネックスソリューションズに社名変更し、ITエンジニアリング事業やエンベデッドシステム事業を行ってきた。
ネプラスは、2006年の設立。元々ハイスキルな中堅/ベテランのインフラエンジニアが集まってスタートした“エンジニアファースト”の会社で、“フリーランスの集合”的な組織風土が特色だった。

2023年にこれらの企業が融合し、新たにオープンアップITエンジニアとして次のPhilosophy、Vision、Missionを掲げている。

●Philosophy（理念）
一人一人のキャリアの扉を開き、より豊かな人生への架け橋に
●Vision（ありたい姿）
キャリアの可能性を秘めた全ての人に自信と展望があふれる世界を
●Mission（果たす使命）
ITエンジニアが成長できる就業とまなびの機会を創り続ける

「エンジニアのキャリアにフューチャーし、エンジニアとして成長し続けていける環境づくりを最大の企業目的にしています」と、ネプラスセクションのSection Managerを務める鈴木一輝氏は言う。
そのために、エンジニアの可能性を広げる就業機会の確保に力を入れる。同社ではコーディネート専門部署を設け、案件が終了したエンジニアと面談し、次の最適なマッチング案件を抽出。ハイスキルのエンジニアの場合、その能力が存分に発揮でき、さらに伸び得るプロジェクトを営業が獲得する体制をつくる。

そんな同社の当面の目標は、2027年までにITエンジニア1万人体制にすること。業界トップレベルとなることで、より大きな影響力の発揮を目指す。

同社エンジニアの働き方は派遣先によって異なるものの、「リモートワークや客先常駐等、本人の希望を重視して派遣先を選定する」と鈴木氏。そして、基本的にはチームとして派遣先に入り、ネプラスセクションの中堅/ベテランエンジニアがPMを務める。
「中堅クラスとなっても一人で現場に入るため、マネジメント経験がないという人が沢山おられます。当社ならば、PMとして若手の育成を手掛け、自身のキャリアを高めていっていただけます」と鈴木氏は強調する。

同社の組織風土の一つの特色は、派遣会社にありがちな「帰社日」等の指定出社日が非常に少ないこと。全体が集まる機会は、年に一度の業績報告会や所定の研修ぐらいだ。「以前はいろいろなレクリエーションイベントもやっていたが、エンジニアの意向を汲んで廃止した」と鈴木氏。したがって、エンジニアは会社の行事を気にせず仕事に集中できる。

一方、派遣エンジニアが働きやすい環境をつくり、帰属意識を高める上でも有効な機能として、「コミュニケーション・プラットフォーム（CPF）」と呼ばれるチャットを導入している。エンジニアが困ったこと等があればいつでも会社に問い合わせることができ、必ず24時間以内に回答がある仕組みだ。

スキルアップの機会としては、先述の資格取得のための独自研修のほか、e-ラーニングを用意。自己啓発で上級の資格にチャレンジし合格した場合、会社が受検費用を負担して支援している。
また、表彰制度を設け、毎年活躍したエンジニアを数名、社長賞等で顕彰している。2023年度は、AWSの資格を10個取得したエンジニアが表彰された。
「表彰は本人のモチベーションアップとなるとともに、他のエンジニアのいい刺激になっていますね」（鈴木氏）。

残業が非常に少ないのも、同社の特徴と言える。全社平均で月7時間、ネプラスセクションは5.5時間（2023年度）という少なさだ。もちろん、残業した分は手当を支給している。

そんな同社が求める人材像について、鈴木氏は次のように期待を寄せる。
「当社の理念に共感の上、PMとして活躍していただきたいと考えていますので、リーダー志向や若手を育成するマインドのある方、チームワークを重視する方に来ていただきたいと願っています」
エンジニアとしてのスキルアップはさることながら、マネジメントに力を入れ組織を大きくしていきたいという人材にとって、同社の募集は見逃せないだろう。