企業として今後のビジョンを教えて下さい。
1921年の創業以来、これまでの100年間はカーペットをはじめとする床材のOEM事業に注力してきました。そこで培った技術やノウハウを活かし、現在は自社ブランド事業にも取り組んでおりますが、これからの100年間はその両輪で事業の拡大を目指しております。 OEMとしてはこれまで数多くのお客様に製品をご提供しておりましたが、これからはより素晴らしい製品や、これまでとは異なる領域の商品を開発することで、より多くのお客様に喜んでいただくことを目指し、収益の拡大を図りたいと考えています。そのために近年では開発や製造系人材の採用や育成、製造設備への投資、グローバル調達の確立を加速させ、より良い製品を生み出すための体制を築いてまいりました。その体制をベースに、今後はよりレベルの高い開発に取り組んでいきたいと考えております。 また、数年前から自社ブランド事業についても、弊社の一つの柱として確立をしてまいりました。自社ブランド事業をスタートした背景としては、既存の流通構造を変えたり、価格破壊を起こしたりすることは、私達の狙いに一切ありません。 一方で、我々のように生産機能を持ったメーカーにしか取れないリスクがあると考えているので、そのリスクを自社で取りながら、弊社が培ってきたデザイン力と技術力を形にした製品をお客様にお届けしたいと考え、自社ブランド事業をスタートしました。現在ではマーケティングのノウハウも社内に蓄積され、ここからさらに飛躍したいと考えております。 さらに、その両輪を動かすために、バックオフィスや管理オペレーションの重要性も増しております。企業は人の集団なので、そこに集まる人々がより働きやすい環境を構築できるよう、オフィスのリニューアルや、製造現場の休憩所整備など様々な改革を抜本的に進めてまいりました。管理面でも、より柔軟に・より早く行動が取れるように、AIを初めとした様々なツールを活用した業務改善や、基幹システムのリプレイスを行いました。これからもお客様にご満足いただけるようなモノづくりに取り組み、企業として成長するために、改善や改革を繰り返しながら前進を続けたいと考えております。
御社は創業以来、新しい領域に挑戦し続けてこられましたが、長年の習慣を変えることには難しさもあるかと思います。そうした変革をどのように推進されたのでしょうか。
確かに弊社は歴史のある企業ですが、100年ほど前に綿織物業からスタートして、カーペット、床材、面材へと徐々に投資領域をシフトしながら業容を拡大してきました。しかしながら、業務のデジタル化や新規事業など、やはり長年やってきた習慣を変えることは難しいものです。 一方でそういったデジタルへの移行など新しいことに取り組むことは、私はドミノのようなものだと思っています。誰もが新しいことを始めるのは怖いものですが、一つ前に進められれば「そんなに難しくないね」という実感が持てます。そこから始まって、一人ひとりが使っていけば、「案外使いやすいね」という共通理解が生まれて、いずれは使うことが当たり前になっていきます。 今では世代を問わず使われるようになったチャットアプリのようなものです。家族が使っているのを見て、試しに自分も使ってみて、スタンプを押したりしている間に、どんどん輪が広がっていって、いつの間にかアプリでしかやり取りしなくなる。「難しく捉えないで、チャットアプリみたいなものだと思って、1回使ってみてください。上手くいかなければ諦めましょう」という感じで働き掛けながら推進してきました。 このような変革を進めてきた結果、現在では「変わることが当たり前」の組織になることが出来たと思います。自ら主体的に会社を前進させる人が増えてきたことで、これまでと比べてより高いレベルで業務に取り組むことができています。これからも時代に合わせて常にアップデートを続けられる組織でありたいと考えております。
一方で御社は100年の歴史を持つ企業として、引き継ぐべきところはどのようなところだとお考えですか。
「モノづくりへのこだわり」と、「既存のお客様への丁寧な対応」です。新しい事業に取り組むことで、既存のお客様のビジネスを邪魔するようなことはしたくありません。業務のデジタル化に関しても、社内の効率だけを追求するのではなく、手間はかかったとしても、お客様に喜んで頂けるような対応はこれからも維持したいと考えています。 当社は、中小企業でありながら、モノづくりに関しては自信があります。その部分は今後も必ず維持していきます。モノづくりにはどうしても過去からの経験が重要になる部分があり、そういった部分は長年取り組んでこられた方の力を存分に借りながら、また、新しい考え方も柔軟に取り入れながら新たなモノづくりにチャレンジしたいと考えております。 また業務の効率化についても、それ自体が目的ではなく、あくまでお客様に喜んで頂く対応を行うことが目的です。例えば、お客様のご要望に叶うために柔軟に生産計画を変動させたり、少しでも生産リードタイムを短縮できるよう処理を自動化したりと、人力では対応できなかった部分にデジタルの力を組み込み、より緻密な対応をしてきたいと考えております。 弊社は元々モノづくりの会社なので失敗を許容する文化があり、とにかくチャレンジしてみることが文化として醸成されています。考えながら走ることもあれば、考えてから走ることもあり、頭を使う仕事もあれば泥臭く仕事をすることもあります。これまでの100年で培ってきたことをベースに、より多くの価値を生み出せるように、これからもスピード感を持って取り組みたいと考えています。
今後の組織作りに関して、ビジョンをお話しください。
継続して成長できる組織を目指しています。長年、事業を続けていれば、世代交代は避けて通れない課題の一つです。これまで業界や会社をリードしてこられた先輩方が築いたモノづくりの技術やノウハウを受け継ぎつつ、新しいことにも積極的にチャレンジしていきたいです。良いものは残しながら、新しく取り入れるべきものは貪欲に取り入れながら、お客様に新しい価値を提供し続けることが、事業の発展に繋がると考えております。 当社は今、過渡期にあります。それは、長年在籍するメンバーも理解しており、新しい事業環境に適応し始めています。その一方では、昔ながらのモノづくりへのこだわりを追求する社風は根強く残っており、雰囲気の良い職場が保たれています。これから入社される方も、伸び伸びと仕事ができる環境だと自負しています。それぞれの立場で、企業成長の一端を担っていく意識を持ち、積極的に関わっていただければ嬉しいです。
最後に、御社で活躍している社員に共通する特徴やマインドセットを教えて下さい。
弊社で活躍している方の共通点としては、「自分たちの扱う製品に誇りを持っていること」と、「貪欲に変化に挑戦すること」の2点があると考えています。 弊社には様々な業務が存在しています。モノづくりの根幹となる製造部門、糸などの原材料を購買し生産を管理する生産管理、より空間を彩るデザインを考えるデザイナー、お客様とコミュニケーションを取りながらモノづくりをリードする開発営業、作ったものを一般消費者に知っていただき好きになってもらうマーケティングなど、モノづくりを中心に囲む形で多種多様な仕事があります。それぞれの役割は異なりますが、自分たちの製品に誇りを持つことで、「少しでも良いものを生み出し、少しでもお客様に喜んで頂く」というモチベーションが活躍につながっているのではないかと思います。 また変化に挑戦することも一つの共通点だと考えております。弊社では長年、全社レベルで改善活動に取り組んでおり、今では製造部門に所属する数十名から年間数百件もの改善が提案されています。また開発関係の部門では、少しでも良いデザインや機能を持つ製品を生み出そうと、頻繁に議論がかわされています。最近ではデジタルツールやAIなどの導入にも個人レベルで貪欲に取り組む方が多くなっています。これまでの実績や方法に甘えず、変化に挑戦するその姿勢は弊社を支える根幹になっていると感じています。 もしあなたが、自分の仕事に誇りを持ち、仲間と共に変化を楽しみながら成長していきたいと考えるなら、その気持ちこそ私たちが最も大切にしている価値観です。あなたのご応募を心よりお待ちしております。
