株式会社STOVE

株式会社STOVEは、ITコンサルティングを志向するシステム開発会社。同社の強みは、クラウド／OSSの活用×高速開発手法・技術力×自社開発高機能フレームワークにより、顧客に伴走しながら高効率なシステム開発と運用を提供していることにある。これにより、一般的な受託開発では「システムが完成してから、ユーザーは利用を開始する」のに対し、同社では「開発プロセスを通じて、ユーザーは“ITで変革”していける“進捗”と“実感”が得られる」ことが大きな特長だ。

これを可能にしている大きな要因が、独自開発のローコードツール付き高機能フレームワーク『CORE Framework』の存在だ。
「それまで、様々な業務システムを開発する中、ログイン／ログアウトやユーザー管理／権限管理等、同じような機能を開発することが数多くありました。そこで、こうした汎用的な機能をフレームワークとしてまとめようと、2020年頃から開発に着手しました」と代表取締役の川端大介氏は話す。

現在では、管理画面からのDB構造の設定、フォーム入力の複雑な制御、外部接続API、テーブル間のリレーション、ファイル管理、処理Hook（生産実績の保存と同時に在庫の再計算等）といった諸機能を揃える。これらをノーコードで設定することで、一般的なスクラッチ開発工数の約70%を削減させることが可能となり、データベースの知識が多少ある人ならコードが書けなくてもミニマムなシステム開発ができるようにしている。また、『CORE Framework』はTypeScript、Node.js、Vue.jsで書かれており、エンジニアが柔軟にカスタマイズ開発できる。

この『CORE Framework』とアジャイル開発により、顧客の要望を受けて数日内にプロトタイプを作成、UIや動作を確認し修正していくこともできる。このスピード感と、工数削減による低コスト、そして極めて高い適合度や納得感が顧客から高く評価されている。
また、インフラにおいては川端氏以下AWSソリューションアーキテクトが複数在籍しており、GCP、Azureを含めコスト効率の高いインフラの設計・構築・運用を提供している。

同社の顧客には、通信会社グループ、食品メーカー、不動産、自動車部品、小売、ITサービス等の大手上場企業が多く、80%は直取引。「今後は、コンサルティングファームや大手SIerからのルートも増やしていきたい」と川端氏。受託開発100%で、顧客に常駐するSESは一切行っていない。これまでの開発実績としては、生産管理、在庫管理、顧客管理、受注売上管理、プロジェクト管理、人事労務等の諸システムやEC、宿泊予約サイト、女性向けアプリ等と幅広い。

同社は、2015年11月に川端氏が設立した。川端氏は、学生時代からITベンチャーでエンジニアとしてアルバイトを始め、スキルを磨く。その間、システム開発には顧客の課題やニーズを把握し、最適なソリューションを提案する営業力が重要と実感し、卒業後は大手外資系IT企業に営業職として入社する。3年ほど大手企業の法人営業を経験後、再び自分の手でモノづくりがしたいと考え、フリーランスエンジニアとして独立する。1年半後に、企業との取引で法人化が必要となったことや、事業規模を広げていく上で会社組織の方がいいとの判断で、同社を設立する。
「いろいろなお客様のシステムをスクラッチで開発していく中、同じ機能をつくることが多いと感じ、こうした汎用的な機能を集約したフレームワークをつくって効率化を図ろうと思い立ち、『CORE Framework』を開発し始めました」と川端氏は言う。

「『CORE Framework』の開発が趣味」と話す川端氏は、難易度の高いフレームワーク開発に没頭し、実際の案件開発と行き来しながら徐々に機能を拡充していく。こうして、基幹システムでもローコード開発とフルスクラッチ開発をミックスし、より効率的・高速に開発していける枠組みを確立した。
「『CORE Framework』が他のフレームワークと違うところは、機能と用途に合わせて選べるUIが豊富に用意され、エンジニアでなくても設定していける使いやすさにあると自負しています。だいぶ洗練されてきたので、自社開発ツールとしてだけでなく、ライセンス提供も始めており、当社の収入軸の多角化に繋げていきます」（川端氏）。

同社が掲げるVISIONは、「“変革の喜び”を協創する」。単にシステムを開発するのではなく、現状調査や課題抽出等、開発の前段階からフォローアップ等の後段階までしっかりと関わる。そして、そのプロセスを通じて顧客と共に顧客のビジネスを進化させ続けることをモットーとしているのだ。それができるのも、『CORE Framework』によって開発業務が大幅に効率化でき、その分を顧客とのコミュニケーションに割けるからだ。

そこで、次のMISSIONを掲げている。

「新しいテクノロジーとスキルを積極的に学び、個々人が超枠しながら成長し続け、各プロジェクトの成功のために全力を尽くす。そういった活動を通じて、“働く喜び”を組織の枠を超えて実現し、社会に貢献します。」

「当社では、エンジニアは基本的にプロジェクトマネージャーを兼務してお客様に密接に対応していますし、営業も『CORE Framework』を使ってプロトタイプ画面をつくるといった、職種の枠にとらわれず柔軟に動くカルチャーがあります。“次世代型受託開発組織”と呼んでいますが、お客様も含めて一体となってプロジェクトを進めるスタイルが大きな特徴と言えるでしょう」と川端氏は強調する。

2023年3月現在、同社のメンバーは20名。次のようなVALUESがある。

●多様性に対する敬意：国や言語を越境して、グローバルなマーケットや環境に身を置きたいと思うこと。同社には、日本語を話さない外国人エンジニアも在籍しており、ほかのメンバーは英語でコミュニケーションしている。

●あらゆる枠を越えろ：前述の通り、エンジニアも営業も、職制や専門性を越境してやれそうなことにまずはチャレンジする。そのように仕事の枠を超えてハイスペックな経験値を積み、“BTC人材”を目指す。Business、Technology、Creative全ての能力をバランスよく備えた人材だ。

●個々の果てのない成長：BTCは、いずれも限界突破してこそ初めてレベルアップする。自分の考えを持って物事を進める突破力を重視。

「当社は、単なるシステム開発会社ではなく、お客様の課題に対しITを通じて解決する“ITコンサルティング会社”を志向しています。したがって、クライアントワークを通じてITコンサルティングができる能力を身に付け、価値を発揮し、高い収入が得られる環境づくりに取り組んでいきます」と川端氏は話す。
その具体策として、まずは、ハイスキルのエンジニアである上に、外資系IT企業で営業職を経験している“二刀流”という希少なキャリアを持つ川端氏自身がロールモデルになっているというメリットが大きい。さらに、川端氏の前職時代の知人であるトップ営業人材にアドバイザー／メンターとして就任してもらい、顧客との話法やヒアリング、提案等のスキルを学ぶ機会をつくっている。そのほか、要件定義等の各工程のノウハウを動画に収めた教材も多数用意して、いつでも学べるようにしている。

なお、エンジニアとしても、フロントエンドもバックエンドもインフラもこなせるフルスタックを指向している。
働き方においては、100%リモートワーク。メンバーの居住地も、札幌、東京、静岡、鹿児島等と日本各地に分散している。全員が参加してオンライン朝会を毎日開催。それぞれの業務状況の共有等を行っている。また、就業時間中はWeb会議ツールを繋ぎっぱなしにして、いつでも誰にでも話し掛けられる状況をつくっている。
「私はオープンな性格で、メンバーともフラットなコミュニケーションを心掛けていますので、何でもフランクに話してもらえると思います。メンバーも全員、気のいい人間ばかりですよ」と川端氏。

そんな同社が求める人材像について、川端氏は次のように期待している。
「PMも営業も、技術への好奇心や探求心と、お客様に貢献するための向上心がある方にぜひ加わっていただきたいと願っています！」