株式会社メンバーズ　デブオプスリードカンパニー

東京・晴海にある株式会社メンバーズ デブオプスリードカンパニーは、プロフェッショナル人材によるDevOps開発の構築や運用支援を、準委任型でおこなう会社だ。メンバーズ（東証一部上場）の社内カンパニーとして、2021年7月に設立された。

母体のメンバーズは、これまで数々の社内カンパニーを立ち上げてきた。社内カンパニーの社長は社員から公募する制度があり、このデブオプスリードカンパニーもメンバーズの1社員だった人物が立候補し、DevOpsに特化したビジネスのアイデアを起案したことで生まれた。

カンパニー社長を務める廣石雄大氏は、新卒で某大手Slerに入社し、Webやインフラ、DevOpsなどさまざまな領域のエンジニアリングを経験してきた。2020年１月に株式会社メンバーズ メンバーズキャリアカンパニーに転職し、Webエンジニアとして活躍。社内でAWS勉強会を開催するなど、周囲を巻き込みながらスキルアップに励んできた。

新型感染症の世界的流行を受けてテレワークが進むなど、企業における働き方は大きく変化し、企業のDX推進も盛んになっている。DXの実現には要件の急な変化にも応えられる開発/運用体制づくりが不可欠で、そのためにはDevOpsの継続的デリバリーや、継続的改善によるビジネス価値の向上、そして、その価値をエンドユーザーに迅速に届け続ける取り組みが重要となる。

メンバーズはこれまで、Webサイトを中心としたデジタルマーケティング支援サービスを主力事業の1つとして展開し、デジタルマーケティング運営の知見を深めてきた。企業の課題に応じた専任チームの編成、顧客企業の戦略理解や深いパートナーシップ、定量・定性分析を通じたPDCAの取り組みなど、顧客企業の成果を創出するノウハウを蓄積してきた。デブオプスリードカンパニーはそのノウハウを活かし、日本全国でスキル向上意欲の高い人材を積極的に採用し、継続的に学べる環境を整備。課題解決に適した人材を育成し、顧客企業の「ビジネスの拡大」を実現するためのDevOps推進を支援する。

母体のメンバーズが展開するDGT（Digitl Growth Team）事業について説明しよう。この事業では従来型の「専門スキル保有クリエイター人材の提供」から転換し、「新技術領域によるグロース支援」に主眼を置いたサービスに注力している。デジタルやIT技術投資に積極的で、成長性が高いインターネット企業・ベンチャー企業をメインに、自律型のチームで顧客のプロダクトをグロースさせる支援を提供。新技術領域や新しいグロース支援領域での専門人材を派遣している。

新設されたデブオプスリードカンパニーは、DevOps専門人材で構成されたチームによる支援を、リモートでおこなうことが特徴だ。準委任契約による、納品のない継続的なサービスを提供。技術的側面と文化的側面から顧客企業のDevOps導入をサポートし、ビジネスの拡大に貢献する。社内の人材育成面では、メンバーズ社内の有識者による研修や社内勉強会の実施、スキルアップ支援制度の導入、第一線で活躍するスキルフェロー（技術顧問）による研修（予定）などを、継続的に実施していく。

DevOpsにはさまざまな特徴やメリットがあるが、デブオプスリードカンパニーの場合、例えば
・少人数からスモールスタートできる
・特定のクラウドや技術に特化していないため、マルチクラウド環境でのDevOps提案が可能
・社内の他カンパニーとの連携による総合的なサポート
・新しい技術を積極的に取り入れ、顧客企業の環境に最適なツールを提案できる
といった強みがある。

提供するサービスの内容は、DevOps導入に必要なツールや継続的インテグレーション環境の整備といった初期の支援に始まり、プロセス改善支援からプロジェクト評価まで及ぶ。現行プロセスの課題整理を通じてDevOpsな組織を目指すプロセスへの改善を提案するほか、試行プロセスの実績や評価結果を新しいプロセス・ガイドラインに反映。試行プロジェクトは定量的・定性的に分析し、今後DevOpsを推進する上で必要となる課題を明確化し、改善方法の提案を含めた評価報告をおこなう。

デブオプスリードカンパニーはリモートで支援にあたるため、エンジニアはテレワークや在宅勤務が可能だ。業務中の休憩や急な用事（ex. お子さんの発熱）への対応など、柔軟な働き方ができる。月平均の残業時間はメンバーズグループ全体で15時間ほどと少なめ。休みは土日祝休みの完全週休2日制で、年間休日は121日（2020年度実績）。

スキルアップのための制度も手厚い。DevOpsエンジニアになるための学習ロードマップを一人ひとり作成し、業務や研修を通じて、スペシャリストとしてのスキルや経験、知識を習得していける。資格試験に合格した人には受験料や報奨金を支給（報奨金の金額は資格による）。必要な書籍は申請すれば購入可能で、申請した書籍が会社内にある場合はレンタルもできる。そのほか、社員間でのナレッジ共有、チーム間でのノウハウ共有、個人で習得したい技術の追求など、エンジニアが継続的にスキルを伸ばせる環境を整えている。

設立間もない会社なので“企業文化”はまだないが、DevOpsの考え方に基づき、ミスがあったとしても非難をしない文化をつくっていく方針だ。

“東京と同じ待遇で、東京と同じハイレベルな仕事をする環境”を実現するため、エンジニアは日本全国で採用・育成する。また、最低でも半年間という期間で“準委任契約”を締結し、クライアントにチーム型でのDevOps推進支援をおこなう。

すでに固まった組織ではないため、立ち上げメンバーとしてイチから新しいカンパニーをつくりあげていけるのが大きな魅力だ。また、カンパニー社長自身がエンジニアなので、エンジニアファーストの考えが根付いている。エンジニアのための組織を、自らつくり上げていく貴重な経験を積める。

求める人物像は、謙虚に「失敗を学びに変換」できる人。そして、全体最適を意識した動きをするための広い視野を持ち、感情ではなくロジックで物事を解釈できる人だ。そのためには、目の前の不確かな事象を理解できる“言語能力の高さ”が求められるだろう。