株式会社アイダブルオー

総合広告代理店として、広告全般、Webソリューション、販促イベント等々、企業と消費者を繋ぐ多彩なコミュニケーション戦略を提供する株式会社アイダブルオー。強みは、多様かつ広範な戦略を企画立案から実施まで一気通貫で遂行できる総合力だ。

自社グループ内にクリエイティブと映像制作を専門に手掛ける部門を擁し、地上波のテレビ・ラジオ、新聞・雑誌といった紙媒体はもとより、WebやSNS等、あらゆるメディア戦略に対応。テレビCMの制作実績は数十社を超え、YouTubeの動画広告の取り扱いも年々増えている。Web領域ではサイト制作にとどまらず、コンテンツマーケティング、リスティング広告やリターゲティング広告、SEO・LPO・EFO（入力フォーム最適化）といった運用全般まで手掛ける。またSP（セールスプロモーション）領域においては、ショッピングモールや店頭でのリアルイベントを軸に、DM・交通広告・屋外広告等を組み込んだプロモーション展開でも効果を上げている。イベントでは社員バルーンアーティストによるバルーンアート、携帯電話ショップ向けに独自開発した顧客管理ツール『メンバーズケース』等、同社ならではの“キラーコンテンツ”も少なくない。

こうした総合力を生かし、中長期的な視点でクライアントニーズに即した戦略ポートフォリオを設計・構築できる重厚な提案力。それが同社の際立った特長になっている。

“顧客動線を確実に動かす”提案力が信頼を広げ、2014年2月の設立以来、7年間に開拓したクライアントは約300社に達し、業績も毎年120%前後の安定成長を続けている。今期（2021年2月期）はイベント事業がコロナの影響を受けたが、Web事業の伸びでカバー。2020年5月には住宅業界向けオンライン相談ツールの導入支援サービスをスタートさせる等、コロナ禍にあっても攻めの提案を続けている。

2014年の設立時、同社のスターティングメンバーは前出の岩崎剛氏と和氣佑輔氏、尾崎貴将氏の三人。岡山の広告代理店で出会って「何か面白いことを始めよう」と意気投合し、それぞれの頭文字を取って新会社をアイダブルオーと命名した経緯がある。三人ともに代表取締役を冠したフラットな経営体制は、今後も変える予定はない。

「起業当時、岩崎は31歳、和氣が37歳、私は33歳。三人とも営業担当でした。起業に当たって、取り立てて新しい事業構想があったわけではありませんが、岩崎は事業を前に進める行動力、和氣は一段高い視点から全体を取りまとめるマネージメント力、私はクリエイティブ志向というように、それぞれが異なる個性を持っていて、三人で一緒にやれば何か面白いことができそうだと考えたのです」（尾崎氏）。

「広告代理店の役割は、企業と消費者を繋ぐ、より良いコミュニケーションを創造すること。そのために、クライアントの声にも消費者の声にも真摯に耳を傾け、共に成長したいという思いを込めて、“To Grow Together”という理念を起業時から掲げています」（岩崎氏）。

「ネットメディアの台頭でメディアが年々細分化する一方で、シンプルな販売促進からトータルな企業ブランディングまで、クライアントニーズは急速に多層化しています。こうしたニーズに応えるうちに、広告全般、Webマーケティング、販促イベントと、気が付けば守備範囲が大きく広がっていました」（和氣氏）。

設立当初は、Webサイトやポスター・DMデザイン等のクリエイティブ、動画制作、Webマーケティング等の実務をアウトソーシングしていたが、提案力を高める意味で段階的に内製化を進めて現在に至っている。

「映像制作部門とクリエイティブ部門は、グループ内の別企業という形を採っています。それには理由があって、それぞれ自分の事務所を持っている旧知のクリエイターに声を掛けたから。内製化を進めた背景には、会社としてのプレゼンスを高める戦略的な狙いも当然ありましたが、“どうせやるなら、気心の知れた仲間が集まって一緒にやった方が面白い”という思いの方が強かったですね」（尾崎氏）。

守備範囲の拡大は顧客接点の広がりを意味する。動画制作のオファーに端を発し、「Webマーケティングも」「次は販促イベントを」と、取引内容が大きく広がるケースも少なくない。300社を数えるクライアントの多くは本社を置く岡山の企業だが、コロナ禍でリモート対応が広がる中、Webサイト制作等を中心に不動産業界をはじめとする関東の大手企業との取引も広がった。今後は自社プロダクト開発やアプリ開発も含めたWeb領域に一層注力し、毎年120%成長を目標に着実な事業拡大を目指していく。

2021年4月現在、同社のスタッフは総勢28名。その多くが20代で、40歳前後の経営陣の百戦錬磨のスキルを日々の業務を通じて無理なく学びながら成長している。また大半が中途入社で、岡山に何らかの縁があるUターン社員が目立つが、山口と佐賀にイベント事業の拠点がある関係で、県外出身者も少なくない。「今後は関東在住でリモート勤務、といった働き方もウエルカムです」（和氣氏）。

「元々“一緒に働きたい”と思える仲間が集まって立ち上げた会社だからでしょうか、仲間意識の強いカルチャーが社歴の浅いスタッフにも自然と浸透しています。2020年の最初の緊急事態宣言下でフルリモートを経験し、自分で体制を整えさえすれば自由にワークスタイルを選べますが、大半のスタッフが普通に出社しています。営業、クリエイティブ、動画制作等、案件ごとにチームを組んで進めるので、直に相談しながら取り組んだ方が早いという実務上の理由もありますが、若手のみんなも“一緒にやった方が楽しい”と感じているのだと思います。もちろん私もそうです」（岩崎氏）。

飲み会等の社内イベントやスタッフ同士の交流も活発だ。設立以来、沖縄、台湾、グアム、北海道等、毎年のように社員旅行も行ってきた。コロナが終息すれば、こうした社内コミュニケーションも復活させる方針だ。

「社内の空気は、いい意味で“ゆるい”」と、クリエイティブを担うグループ企業・株式会社マルコグラフィックスの小山修司代表。「勤務時間は9時半から18時半までが定時ですが、自分の裁量で柔軟に動かせます。服装は原則として自由で、年齢や社歴に関係なく、誰にでも気軽に相談できるし、相談された方もフラットに教えています。もちろん上司を役職名で呼ぶスタッフもいませんよ」（小山氏）。

動画制作やWeb領域のオファーが年々増える中、今後はWebサイトの構築・運用を担うエンジニアやデザイナー、映像クリエイター、提案を束ねる営業ディレクターの活躍の場が、これまで以上に大きく広がりそうだ。グループの映像制作部門・株式会社エスアレッジの重成泰郎代表は「これから仲間に加わってくれる若いクリエイターから、どんな最新技術を学べるか。楽しみにしています」と、期待を明かす。

「創業時、“To Grow Together”の理念と並んで、“日本を代表する会社を創る”というビジョンを策定しました。売上高や社員数ではなく、様々な個性を持った人が集まり、それぞれの個性を日々の提案や業務を通じて磨き上げ、それこそ日本を代表するレベルまで高め合える会社にしたい、という思いを込めた言葉です。採用活動を通じて、色んな個性を持った人に会いたいですね」（岩崎氏）。

気心の知れた仲間と自由に個性を伸ばしたい。そう考える人には間違いなく、絶好の環境といえるだろう。