自分たちにしかできない事業を通して、世界をもっとカラフルに
カラフル株式会社は、たくさん買ったり一緒に買ったりすることで、どのモールよりも必ず安く買うことができるECモール「ショッピン」の企画・運営をおこなう会社だ。2019年9月に設立され、東京都墨田区千歳に本社を置く。
代表取締役を務める齋藤康輔氏は、1983年生まれ。東京大学教養学部基礎科学科で半導体を研究するかたわら、人材紹介会社の株式会社ムービン・ストラテジック・キャリアでインターンを経験し、そこで人材紹介会社向け業務システムを制作した。大学卒業後の2007年3月、齋藤氏は人材派遣・人材紹介・採用管理のクラウドシステム「マッチングッド」を販売するマッチングッド株式会社を設立。その後の2019年1月に、齋藤氏はマッチングッドを株式会社じげん(東証一部上場)に譲渡し、その資金をもとにカラフルを立ち上げた。
齋藤氏が起業した理由は、社会問題を解決することだ。相対的貧困率の上昇といった問題に対して、生活が少しでも楽になるよう安く物を買える場を提供し、例えわずかであっても豊かさを感じてもらう。そうすれば人々は優しさを取り戻し、世界は今よりももっとあたたかな場所になるのではないか。
そんな世界が実現できれば、人は批判など気にせず、もっと自分がやりたいことを追求できるようになる。逆に、やりたいことを追求する人を、嫉妬ややっかみなく、気持ちよく応援できるかもしれない。一人ひとりが個性を発揮できるようになれば周りも幸せになり、世の中全体の「幸せ」の総量が増える。その結果として人それぞれの個性(色)が輝きを増し、世界はもっとカラフルになる…。
カラフルはそんな世界を目指して「ショッピン」を運営しているが、齋藤氏によると、目指す姿にはまだ程遠いという。多くの人たちに納得してもらえるようなサービスに、どんどん進化させていきたい。カラフルは人々の間に(物質的にも精神的にも)豊かさや安心感を増やし、彩(いろどり)豊かな社会、「カラフル」な世界を創造していく。
あらゆるジャンルの商品をお得に購入できるECサイト「ショッピン」
カラフルが企画・運営するソーシャルコマースサービス「ショッピン」では、キッチン用品、日用品、雑貨、家電、食品、美容商品、アウトドア商品、キッズ用品、おもちゃ、アクセサリーなど、実にさまざまなジャンルの商品が販売されている。購入者にとっては「グループ/シェア買い」することで他モールよりもお得に欲しい物を手に入れることができ、出品者にとっては一度にたくさんの商品を売ることができる。
「ショッピン」の最大の特徴である「グループ/シェア買い」とは、「グループ」と呼ばれる仮想の“問屋”をつくり、そのグループに購入者がSNSで誘い合い、複数人で同じ商品を買うこと。サイト内で商品の購入者を募ることもできる。一人で商品を買うことも可能で、一人で複数個買えば「グループ/シェア買い」と同じ割引率が適用される。
豊富な品数も特徴の一つで、出品者が掲載した商品に加えて、「ショッピン」自らが世界中の安くて良いものを厳選し、紹介している。サイトオープンは2019年12月だが、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大の時期にも重なり、2020年4月にはマスクの共同購入をスタート。2020年5月にはアイスシルクコットンを使用した冷感夏用マスクの販売を開始した。「ショッピン」のマスクはシリーズ累計販売数80万枚を超えるヒットとなり、冷感ひんやり夏マスクの商品レビューは、5段階評価で平均4.1(2020年8月15日時点)と高い。エリア限定ながらテレビCMもスタートさせ、ユーザー数、売上額、認知度ともに急成長している。
好調なスタートを切った「ショッピン」だが、カラフルにとってこの成功は通過点に過ぎない。今後は「ショッピン」のアプリ開発などにも取り組みながら、日本の生産物の世界展開や、リアル店舗とECの融合など、新たなサービスを展開していく。日本のEC市場は約18兆円規模といわれるが、世界規模で見ると伸び代はまだまだ大きく、カラフルは日本のEC率を伸ばす立役者となり、近い将来の上場を目指す。
リモートワークながら、効率的なコミュニケーションで業務を遂行
カラフルは、代表の齋藤氏を中心に正社員3名、業務委託のメンバー含め10名(2020年9月時点)のプロフェッショナルで運営されている。勤務形態はフレックスタイム制を採用しており、コアタイムの12:00-16:00は出社する形となる。コアタイム以外はいつ・どこで働いても構わない自由な環境だ。
カラフルで働くことの醍醐味は、自社サービスだからこそ、仕事の結果や効果が目に見えてわかりやすいことだろう。スピードドリブンで新しい施策やサービスを展開し、そのサービスが生み出される瞬間に立ち会えるのも、カラフルならではの面白さだ。代表の齋藤氏はエンジニア出身ということもあり、開発には最新のテクノロジーツールを積極的に導入。リモート環境でも効率よく仕事が進められるよう、マニュアル化も徹底している。
業務を通じて、生きた経営視点やビジネス視点に触れられるのも大きな魅力だ。「ショッピン」に関して言えば、マーケティング、エンジニアリング、運営のすべてに関わることができるほか、まだ市場に出回っていない“掘り出し物”を見つけ出す楽しみもある。
最後に、カラフルのコアとなっているバリューを紹介しよう。1つは「Customer」で、ユーザーに対して付加価値を高めることを究極の目的とする。2つ目は「Speed」で、ユーザーへの付加価値を最大化する仕事にフォーカスし、業務のスピードを上げる。3つ目は「Openness」で、積極的に情報を共有して新しいアイディアを生み出す。実際に「slack」で自分の仕事の状況を逐次つぶやくことで、リモートでも活発なコミュニケーションが生まれている。しかし、これらのバリューも自己満足になってしまっては意味がない。あくまでもお客様や仲間への思いやり(Love)に根ざして、これらのバリューを発揮することが求められている。
カラフルでは世の中を“カラフル”にしていくため、今後もサービス改善を絶え間なく続けていく。海外向けサービスが具体化すれば、グローバルに自身の力を試すこともできる。上場も視野に入れており、正社員にはストックオプションなどの特典もありえる。カラフルのビジョンやミッション、バリューに共感した人には、大きなチャンスが待っている。急激な勢いで会社が成長しているため、1年後だと今と同じようなチャンスはないだろう。