社員の“笑顔”を大切に成長を続け、さらなる事業拡大を目指す
エス・エー・エス(SAS)株式会社は、「常に質の高いサービスの提供とSAS全メンバーの生活水準の向上を図ると共に、社員、家族、お客様、ビジネスパートナー様、そして社会の笑顔に貢献していくことを大切にしています」。そう語るのは、執行役員でSI事業部事業部長を務める黒澤祐介氏だ。
「当たり前のことですが、会社にとっての財産は社員やその家族であり、共にビジネスを創り出すお客様やビジネスパートナー様です。当社の場合、代表を筆頭にこの考え方が非常に強く、その結果、SASに関わる人達が笑顔で充実した生活を送れるよう、会社としてできることに力を注ぐという基本的姿勢が徹底されています」
1995年の設立当初から、金融業界(証券・保険・クレジットなど)や流通業界(小売・通販・物流など)を対象としたシステム開発請負、ITコンサルティングによるSI事業が売上の多くを占めている。しかし、そこに漫然と甘んじるのではなく、新たなことに挑戦しながら事業領域を広げている点が同社の特徴であり、強みだといえる。
その挑戦の一つが、プライム案件、つまりユーザー企業と直接取り引きをする一次請負の拡大だ。設立当初は、ほぼ二次請け、三次請けの案件ばかりだったが、クライアントと真摯に向き合い信頼関係を少しずつ構築。徐々にプライム案件を増やし、2019年度時点で全体の6割以上を占めるまでに伸ばしている。
「全社員がお客様に価値を提供しようと、高度な技術力、幅広い開発力、深い業務理解、仕事を生み出す生産・管理力という『四つのスキル』に磨きをかけることで、お客様の多様なニーズに応えられる体制を築いてきた点を認めていただけているのだと思います。今後もこの姿勢を大切にしながら、プライム案件の割合をできるだけ100%に近付けていくことを目指しています」(黒澤氏)
他にも、自社サービスの開発にもチャレンジしている。SI事業で培った知見を活かしながら、多様な働き方を支援するクラウドサービスを開発、販売している。現在は勤怠管理サービス『勤労の獅子』とWEB給与・賞与明細を発行できる『eco@給与Lite』を展開。2020年1月時点で顧客数は約500社に達しているという。
このような「挑戦する姿勢」と「四つのスキル」を基本とした人材力によって、創業以来、無借金経営を続け、リーマンショック以外は増収、直近4年間においては平均10%の増収増益を継続する等、確実に実績を伸ばしているのだ。
兼 SI事業部事業部長
黒澤 祐介氏
やずやグループと共同で新会社を設立。新たな外販ビジネスに挑む
SASは、今、新たな挑戦を始めている。やずやグループと共同で、株式会社やずやソリューションズを設立。やずやグループが得意としている単品リピート通販のノウハウを凝縮したパッケージ・システムを開発・販売していく予定だ。
単品リピート通販とは、強い商品に絞り込んで経営資源を集中し、リピート率を高めることで売り上げを伸ばしていくビジネスモデル。やずやはその元祖ともいえる存在だが、これまでに培ったノウハウを自社で独占するのではなく、他の事業者にもお裾分けしていきたいと、このプロジェクトをスタートさせたという。
「売上規模10~30億円程の通販事業者が、100億円規模にまで成長できるスキームを詰め込んだパッケージ商品になる予定です。2020年10月に1社目への提供が決まっており、2社目との話も既にまとまっています。このプロジェクトには、やずや経営層もメンバーに名を連ねており、やずやグループにとっても、SASにとっても非常に大きな意味を持つ挑戦です」(黒澤氏)
このプロジェクトでは、Webアプリケーションフレームワークに「Ruby on Rails」を採用。また、インフラ基盤にはAWSを採用するなど、新しい技術を取り入れながら、高い可用性と柔軟性を兼ね備えたシステム開発に挑んでいる。
また、やずやグループとの共同ビジネスだけでなく、『勤労の獅子』や『eco@給与Lite』に続く自社サービスの開発にも積極的に取り組んでいく予定だと黒澤氏は続ける。
「2021年度までに新サービス立ち上げを目指しています。既存サービスについても継続して品質向上に取り組み、ユーザー数を拡大、経営基盤の新たな柱としてストックビジネスを育てていきます。このように、常に挑戦することを大切にしている会社なので、新しいことに興味を持ち、知識や技術を積極的に吸収していこうというマインドのある人、人を巻き込んで新しいことをやってみたい人、周囲に遠慮せず自分の意見を発言できる人、ポジティブな人―そんな新たな力を求めています」
ワークライフバランスを最重要視し、仕事も遊びも楽しめる環境づくりに注力
冒頭で説明したように、SASは社員の笑顔をとても大切にしている。それは、様々な教育体系や福利厚生制度等からうかがい知ることが可能だ。
教育については、上司による現場指導(OJT)が基本だが、ビジネスプランニングやチームビルディング、リーダーシップ、コーチングといった階層別研修のほか、職種別研修や目的別研修等を実施。近年ビジネスシーンにおいて欠かすことのできないハラスメント対策や、メンタルヘルス研修、コンプライアンス研修も行っている。ただ、これでも「技術を高める研修の不足」を課題と捉え、更なる研修メニューの充実に取り組んでいくのだという。
また、ワークライフバランスを最重要視し、港区と東京都の両方でワークライフバランスの推進企業認定を受けている他、健康優良企業として『銀の認定』も取得している。
「2018年度の平均残業時間は27時間程で有休消化率もおよそ70%ですが、2021年度までには月の平均労働時間140時間や有休消化率100%を目指します。テレワーク勤務制度も導入しており、いずれは働く場所を選べるようにもしていきたい。そのほか仕事面における充実等も随時改善していき、2022年2月までに社員満足度90%超を目標にしています。社員を大切にする会社が社会から大切にされる時代ですから、『日本で一番大切にしたい会社』として選んでもらえる企業を目指していきます」(黒澤氏)
社員同士の交流を促す仕組みの充実も“社員の笑顔”の源泉の一つになっている。月一回実施している全体会議後には飲み会を行い、ボウリングやBBQといったイベントも盛んだ。様々なクラブが活動しており、いくつも掛け持ちしている社員も多いという。
「毎年社員旅行を実施し、5年に一度は海外へ。そのほか、バースデーディナーや社員企画のイベント等もあります。もちろん強制参加ではありませんが、こういった企画への参加率がとても高いことも当社の特徴の一つですね」(黒澤氏)
その分、人との交流は敬遠したい人や、ワークとライフの両方を大切にできない人等は馴染みにくいかもしれない。ただ、「自分の笑顔も相手の笑顔も好きで人と話すことが好きな人なら、楽しみながら働ける環境がある」と黒澤氏は強調する。
「本当に社員同士の距離感が近い、アットホームな雰囲気のある会社です。仕事面においても、エンドユーザー様と直接やり取りができ、上流工程から携わる機会に恵まれている分、成長の機会も豊富にあると自負しています。まだまだ課題もありますが、会社の考え方に共感し、職場環境に魅力を感じたなら、話を聞きにきてください。会社の雰囲気を肌で感じもらえれば納得感も高まるはずです。お待ちしています」