幅広い経験が積める受託開発と、やりたいことが実現できる自社サービス
株式会社スタイル・フリーは、自由度の高い働き方とフレキシブルな会社運営で、業界の常識に左右されない独自のポジションを築いているシステム開発会社。数々の大手クライアントを得意先とするSIer事業と、自社サービスの開発に特化したメディア事業を2本の柱とし、東京、大阪、名古屋、福岡に拠点を構えている。
同社は2007年にホームページ制作会社として設立し、2013年にSIer事業を開始した。独自の営業ノウハウを生かして大手クライアントから直接業務を請け負う体制を確立、事業の開始からわずか数年で、上場企業120社以上をクライアントに持つSIerに成長を遂げた。
「受託開発の面白いところは、転職しなくてもいろいろな仕事が経験できるところです」
そう語るのは、取締役兼SIer事業部担当役員の三上光太郎氏。ゲーム会社の開発職を経て2014年に同社へ入社、SIer事業部でエンジニアとして数々の開発を手がけた後、取締役に抜擢され、SIer事業部の責任者を務めている人物だ。
同社のクライアントは業界・業種ともに幅が広いので、開発の規模が大きい仕事や、最先端の技術に触れる機会に事欠かない。多彩な開発経験を積むことのできる環境が、エンジニアにとってプラスになるのだ。
さらに三上氏は3か年計画として、自社サービスの大幅な強化を目標に掲げている。現状では事業全体の2割程度にあたる自社サービスの割合を、3年以内に5割まで引き上げたい考えだ。
「自ら何かをやりたいと思う意欲は、エンジニアにとって、非常に重要なものだと思います。自分が作りたい物をゼロから企画して作れるところが、自社サービスの面白さ。一人でも多くの社員に、そういう経験をしてもらいたいと思います」(三上氏)
現在、SIer事業部では全国で約150人のエンジニアが活躍している。三上氏は、数年以内にエンジニアの人数を倍増させ、受託開発に150人、社内事業にも150人が携わる体制を築きたい考えだ。一般的に、受託開発と自社サービスはエンジニアの働き方を考える上で比較されることが多く、受託開発から自社サービスへと転職を希望するエンジニアも少なくない。だからこそ、同社では自社サービスの強化に力を注ぎ、エンジニアが社内で好きな働き方を選べるようにしたいと考えているのだ。
社内コンペで新規事業を創出!グランプリには予算1000万円を支給
同社では、自社サービスの新規開発と、社員のモチベーションアップを促す目的で、2016年度から年に一度、新サービスの企画を募る社内コンペを実施している。初年度のグランプリに選ばれた事業が、まもなく正式リリースされようとしているファーマーズマーケットの『única(ウニカ)』だ。
『única』は、生産者が市場に出荷できない規格外の野菜を、スマートフォンひとつで手軽に出品できるマーケットプレース型のサービス。2016年度の社内コンペに寄せられた30件の応募企画の中から、社員による審査でグランプリに選ばれて、事業化に向け社から上限1000万円の予算が与えられた。市場調査などの準備期間を経て2018年から本格的な開発が始まり、現在、正式リリースを目前に控え、最後の調整が行われている。
『única』を考案したのは、SIer事業部ディレクターの工藤匡史氏。前職はソフトウエアの開発会社でプログラマーやSEを務めていたが、自社サービスの開発をやってみたいという気持ちから、2016年に同社に入社した。社会の課題に貢献できるサービスを作りたいという思いから、『única』を企画し、コンペに応募したという。
「手間暇かけて育てた野菜が、大きさや形が不揃いなだけで捨てられてしまうという食品ロスの問題を知って、そういう野菜が欲しい人とつなぐ方法はないかと考えました。ユーザーの声をどんどんシステムに反映し、使いやすくて社会の役に立つサービスに育てたいと思います」と、工藤氏は意欲を語る。
企画、設計、開発、テスト、リリースまでの全行程を一環して自ら手がけ、さらにリリースした後も、ユーザーから直接フィードバックをもらってサービスに反映できる点に、工藤氏は大きなやりがいを感じている。「転職してやりたかったことが、全部できていると実感しています」と、工藤氏は笑顔を見せる。それこそまさに、この社内コンペを企画した三上氏の、期待通りの成果なのだ。
「自社事業や社内コンペが活性化することで、当社で働くすべての社員に『スタイル・フリーは、自分がやりたいことをできる会社だ』と、感じてほしいと思っています。『única』がサービスとして形になりつつあることが、他の社員にとってもよい刺激になっているようで、初年度には30件だったコンペの応募件数が、次の年には50件に増えました。次はどんなアイデアが出てくるのか、私も毎回、とても楽しみにしています」と、三上氏は期待を語る。
仕事の内容も働き方も自由自在!自らキャリアパスを描いて成長しよう
同社では、すべてのエンジニアがストレスフリーな環境で働けるように、手厚いサポートを実施している。客先に常駐する社員に対しては、営業担当者が定期的な面談を行い、契約通りの待遇が守られているかどうか丁寧なヒアリングを行っている。ヒアリングの際に重視しているポイントは、本人にとって、仕事がつらくないかという点だ。クライアントとの交渉は必ず同社が間に立って行い、改善されない場合にはサービスの提供を中止することもあるという。
残業時間は月平均15時間以下。定時までに仕事が終わらない場合は残業をするのではなく、スケジュールを見直すよう促している。定時になったらすぐに帰る風土が当たり前のこととして、社内に定着している。
また、同社は全国4都市に拠点を構えているが、社員や家族の負担を考慮して、転勤は一切行っていない。ただし、本人が希望する場合には他の支店への転籍が可能。実際に、名古屋で採用された女性社員が、家族の引っ越しに伴って東京に移籍し活躍しているケースもあるという。
「働きやすさを実現するための改革は、まだまだこれからだと思っています」と語る三上氏。
現在、社員の要望を取り入れる形で福利厚生の見直しが行われており、子ども手当の支給など、これまでになかった制度も新設された。子育て支援策の充実に取り組み、時短勤務の活用や、男性社員の育児休暇取得実績などもさらに推進したい考えだ。
「やりたい仕事というのは、自分の経験や年齢、家族の事情などを背景に、年々変わるものだと思います。新しい仕事に全力で挑戦したい時期もあれば、家庭のために仕事をセーブしたい時期があってもいい。仕事の内容だけでなく、働く時間や場所もできる限り個人の希望をかなえられるように、制度を整えているところです」(三上氏)
「スタイル・フリー」という社名には、社員一人一人が自分のスタイルで、やりたいことを自由にできるように、という願いが込められている。その願いを実現するために、同社は日々、進化を遂げている途中なのだ。
事業の拡大と人員の増大に伴って、2019年11月には東京本社と分室が、新しく建設されるオフィスビルに移転することが決まっている。社員が一丸となって作り上げる真新しいオフィスが、エンジニアたちの意欲と実力を引き出す、絶好の環境になるだろう。