大手企業との信頼で築き上げた長きにわたる取り引き関係
1979年設立の株式会社エスペラントシステムは、システムの設計開発、インフラの構築、運用保守を手掛けるシステム開発会社。富士通のコアパートナーであり、富士通・富士通グループの仕事を数多く手掛けています。その他、長年にわたり複数の金融系会社との一次請け取引があり、継続して多くの案件を手掛けている。社歴の長い会社だけ、業績はとても安定しています。
時計の針を少し過去に戻して、同社の創業までさかのぼってみよう。設立当初、同社は川崎汽船のコンピュータ室の運営を任されていた。設立2年目に入社し、現在4代目代表取締役を務める寺平氏は創業当時を振り返る。
「川崎汽船のコンピュータ室を、当社のメンバー7人で運営していました。そのうちに、オペレーション業務だけでは発展性がないということになり、システム開発やインフラ構築を手掛けることになりました。富士通とは、川崎汽船の仕事で一緒に働いた間柄。その関係で富士通のお客様のインフラ構築を手掛けるようにもなりました」(代表取締役会長・寺平英昭氏)
川崎汽船の仕事を一緒に請け負っていたほかのシステム開発会社と合併し、規模を拡大してきたエスペラントシステム。川崎汽船グループとの仕事は今も続いているという。
当社で新しい技術を習得すれば、日本を代表する企業を相手に生かすことができる。スキルアップを狙うエンジニアには、働きがいのある環境といえるだろう。
※千葉県流山市に本社をおく会社ですが、元々は東京の会社で業務場所の殆どが東京23区です。本社は主に自社製品開発や受託開発、電子書籍運営を行っています。最近はコロナ禍の影響もあり、徐々に在宅勤務を推進しています。
創業2年目に入社してから、長きに渡り同社の成長に貢献してきた。
電子書籍事業に自社パッケージ開発。ITの枠を飛び越えた、積極的事業の多角化
システム開発とインフラ構築をメイン事業に、2002年6月からはITエンジニアの派遣業務も展開するエスペラントシステム。事業の多角化には積極的で、ビジネスモデルの転換にチャレンジしている。その一つが電子書籍事業。2008年に100%子会社「アイプレスジャパン株式会社」を設立して、電子書籍事業に乗り出した。amazonのkindleが上陸する前で、電子書籍はまだ一般に知れ渡っていなかった時だ。
「当時はIT企業がなぜ電子書籍?と周囲には言われましたが、その後の電子書籍市場の成長に着目し、DRM(Digital Rights Management)で勝負しようと考えました。ファイルの暗号化でコピーしても読めないようにする技術です。当時のDRMは端末に固定されていたため、DRMで保護されたファイルはほかのビューワーでは読めなかったんです。しかし、当社のDRMは『デバイスフリー端末フリー』『フォーマットフリー』『ビューワーフリー』をコンセプトにしていました」(寺平氏)
電子書籍事業は「コンテン堂」という電子書籍サイトとして結実した。無料立ち読みもできる電子書籍ストアとして、現在も営業している。IT企業の強みを生かして、タッチ操作で視覚的にキーワードを渡り歩いて、思いもよらない本と出会える「ワードサーフィン」など、ほかの電子書籍にはない独自の機能を盛り込んでいるのが特徴だ。
「コンテン堂には、約5万点の電子書籍が集まっています。ストア内には専門店もあり、全文検索機能でほしい本に出会うことができます。また、コンテン堂は専門書に強いのも特徴です。法律や医学などの専門書といった、厚い本だからこそ電子書籍の強みを感じていただけると思います」(コンシューマー企画本部・小林和佳菜氏)
本業のIT分野でも、新しいビジネスには積極的な同社。パッケージ製品の開発にも着手し、セキュリティとビッグデータ関連のパッケージを開発している。大量データ高速情報活用システム「Super DataChef VersionⅡ」は、「独自カラム形式(特許)」と「インメモリ処理技術」を活用し、最大10億行までの大量データを超高速で処理する製品。パソコンにインストールするだけで即座に利用可能で、数百万~数億件レベルの大量データを簡単に超高速で「検索・加工・集計・再生」することができる。
「ビッグデータを分析するツールを導入するには、高額の資金が必要です。しかし、当社のビッグデータツールなら低価格で導入可能。ビッグデータを手軽に扱いたいというニーズに応えるために開発しました。処理スピードにも自信があります」近年は大手会社にも導入頂いています(寺平氏)