株式会社スプー

株式会社スプー（Spoo! inc.）は、編集的なセンスを持ったWebディレクターが中心となって活動しているWeb制作会社だ。設立は2000年3月で、東京・渋谷区松濤に本社オフィスを置く。コンテンツに対する知識とこだわり、愛情で、エディトリアル目線によるWebサイトを設計。オウンドコンテンツやオウンドメディアをはじめ、キャンペーンサイトやコーポレートサイトなど各種Webサイトの企画から、サイトデザイン、構築、コンテンツの更新・運営に至るまで、ワンストップで対応している。また、編集機能の一部してタレントアサインや取材・撮影・執筆などができるところも特徴だ。

現在の企業は、ステークホルダーとの間で質の高いコミュニケーションを行うことが求められている。コミュニケーションは断片的なイメージにとどまらず、説得力のあるストーリーにより価値観を共有し、企業とステークホルダー、双方の「約束」を再確認し続ける必要がある。スプーはこうしたコミュニケーションをデザインし、具体的なコンテンツに落とし込み、企業とステークホルダー間の信頼関係の構築と維持を支援している。

質の高いコンテンツの編集・制作力という点は、同規模のほかのWeb制作会社にはない優位性だ。SEOライティングだけでなく、本質的なコミュニケーションのための価値あるテキストやビジュアルの提供を心掛け、大手企業のWeb制作事例も多数ある。そのため、多くのユーザーの目に触れるフィールドでキャリアを磨くことができるだろう。また、インタビューや取材が入る案件も少なくなく、タレントやモデル撮影のためにカメラマンをアサインするなど、通常のWebディレクションの枠に留まらない経験を積むこともできる。

代表取締役を務める川崎和哉氏は、1990年代から音楽誌やカルチャー誌、書籍の編集者/ライターとして活動してきた人物。1997年、米『WIRED』誌のオンライン版だった『HotWired』（当時の名称）の日本版として、当時のNTTグループの3社が合弁で立ち上げた『HotWired Japan』の編集部に参加し、副編集長を務めた。スプーは、川崎氏が自ら立ち上げたコミュニティサイト「OOPS! Music Community」の事業化のための母体として設立され、社名は「OOPS!」を逆から読んで名づけられた。

斬新なギミックや美しいレイアウトなど、驚くほどの進化を遂げてきたWeb制作の世界。しかし、いつまでも変わらない部分もある。川崎氏は、「それはコンテンツの大切さ」だと語る。「どんなにクールで魅力的なWebサイトでも、“伝えたいこと”がなければ意味がないし、面白くなければユーザーは読んでくれない」。

スプーが提供するサービスは、クライアントが抱える課題に対して、それを解決するためのコンテンツを企画するところからはじまる。企画に沿ってコンテンツを練り上げ、取材や撮影を行い、ライティングや編集を経て記事をつくり上げる。必要に応じて、タレントや文化人などのアサインも行う。また、並行してWebサイトの情報設計や、デザイン、コーディングも実施。デザインではロジック（必然性）と直感的なチャーミングさの両面から検討し、必要に応じてCMSの導入や、システムの構築も行っている。

そのほか、一部、紙の雑誌の編集・制作も手掛けている。もちろんオウンドメディアの主流はデジタルだが、紙メディアには紙でしか表現できない手触りや重さ、存在感といった、フィジカルな情報を託すことができるからだ。また、違うチャンネルでユーザーと接触できるのも、面白いところだと川崎氏は言う。

公表できる範囲で制作実績を紹介すると、バンドエイド（R）快適プラスの紹介コンテンツ「スゴ指6」がある。これは、「スゴい指ワザ」を持ったアマチュアを見つけ出し、商品を貼った指でスゴ指を披露してもらうというものだ。全国の「スゴ指」たちを多数発掘し、そこから厳選された6組をアサイン、取材、撮影し、動画とインタビュー記事でコンテンツを展開。また、東芝クライアントソリューションズ株式会社のWindows 10搭載IoTデバイスの案件では、プロモーション素材のデザインや原稿作成を担当し、Webサイト・パンフレット・展示会用パネルを制作した。製品写真が存在しないため、ブツ撮りからキャストのアサイン、ヘアメイク、スタイリングの手配などもスプーが担当。こうしたことを体験できるのも、スプーの業務のユニークなところだ。

2018年7月時点の従業員数は10名（役員2名、業務委託3名含む）で、平均年齢は29歳（役員除く）、男女比は1：1の比率だ（役員除く）。新卒・中途の割合は中途採用が中心で、20代の社員もプロジェクトで重要なポジションについて活躍している。各プロジェクトには真剣に取り組みつつ、仲間同士を尊重し合い、オープンで感じのいいコミュニケーションを大切にしている風土がある。

スプーには自由な働き方を愛する社風があり、勤務時間はフレックスタイムを導入。10：00～15：00のコアタイム以外なら、個人の裁量で、いつ、どこで仕事をしてもOKだ。そのため、退勤後に映画や展覧会、ライブなどに行くメンバーも多く、映画などを見た後に仕事に戻る、といった働き方も可能だ。アートやイベントなど、新しいカルチャーやエンターテイメントに触れることで自分自身の「ライフ」を充実させ、そこから「ワーク」にフィードバックできる、そんな理想的な循環を実現できる。

ミーティングは、週1の全体会議以外はプロジェクトごとに随時に開かれる。情報共有はSlackやBacklog、G Suiteなどのツールで行われ、勤務時間が異なっていてもスムーズにコミュニケーションが交わされている。教育制度は、社員全員がグループリーディングなど常時なんらかの学習を進めている状況をつくっている。また、書籍購入サポートやセミナー/勉強会費用をサポートする制度もある。

今回の採用では、四年制大学卒業以上であれば性別は問わず、企画を考えてカタチにすることに興味がある人材を求めている。Webディレクターの経験があれば歓迎だ。Webが好きで、特にWebコンテンツへの興味が強く、新しい技術やカルチャー、あるいは音楽やアート、デザイン、マンガ、文芸、映像、芸能、旅、スポーツなど、自分の趣味や“好き”がある人材が求められている。アイディアを出すことを楽しみながらモノをつくることを喜び、ポジティブで感じのよいコミュニケーションができる人材なら、エディトリアル（編集力）をグングン磨くことができるはずだ。