自己裁量度が高く、新しい技術を使える、エンジニアにとって理想的な働く環境を実現
名古屋市に拠点を構えるシステム開発会社の株式会社creato。世界中の水環境の改善を目指す一般社団法人ClearWaterProjectと“一心同体”的に事業運営している点が、大きな特徴だ。CEOの瀬川貴之氏が、ClearWaterProjectの代表理事も務める。
同社の事業は、システムの受託開発とClearWaterProjectが運営する形の自社サービス開発、および公会計コンサルティングに分かれる。受託開発では高い技術力・仕事力を一つの強みに、スクラッチの新システム開発を得意とし、それらと親和性の高いGoogle Cloud Platform, Firebaseを利用したサーバーレスアーキテクトでの技術提案・利用を行っています。また、AI分野では基盤地図の自動生成サービスを開発している。
こうした技術力を強みに、3つの条件で仕事を選別し、エンジニアにとって理想的な業務環境を実現させている。その3条件とは、①持ち帰り開発、②直請け、③自社サービスとのシナジーだ。①により、フルフレックスタイム制およびリモートワークを実現。②により、自社の提案力を発揮させ、業務をコントローラブルにしている。③においては、cobolや.netなど自社サービスとは無縁の技術に関わることがないようにしている。
「完全ではありませんが、かなりこれらの条件にかなう業務を受託できています」(瀬川氏)
そんな同社の受託開発のポリシーは、ユーザーの求める理想形を提案し実現させること。
「一般的には、受注した案件予算の制約でベンダーとして提案内容を制限してしまいますが、当社では、予算は度外視して理想形を提案しますし、可能な限りシステムとして正しい形を追求していきます。結局顧客にとっても自社にとっても最終的にそれがベストだからです。それを買い叩こうとするようなところとは取引しません」(瀬川氏)
ClearWaterProjectが運営する自社サービスは、次のとおり。
・超簡単に遊漁券が買える『つりチケ』
・川ファンが集う『川遊びマップ』
・流域改善に特化したクラウドファンディング『カワサポ』
・流域で川をモニタリングする『AQMAP(アクマップ)』
代表作の『つりチケ』は、遊漁券のオンライン販売をはじめ、川の釣り場や漁協の情報も掲載する日本初のアプリ。「早朝に遊漁券売り場に行っても不在で、仕方なく買わずに釣りをすることにストレスを感じていた」といったユーザーの不満を解消。導入する漁協に対しては、遊漁券を販売する手間の解消や売上を確保する効果をもたらしている。導入先は、2021年度中に全国90漁協に達する見込みだ。
公会計コンサルティングは、自治体向けに複式簿記導入などのサポートを行うサービス。会計およびシステムに強いメンバーが手がけ、安定的な収益源となっていることも特長の一つだ。
一般社団法人ClearWaterProjectの代表理事も兼任し、社会的意義の高い事業を行っている。
“共創型ビジネスパートナー”として、ユーザーの理想形を追求
瀬川氏は、ERPパッケージ大手のワークスアプリケーションズでエンジニアとして就労システムの開発やHRコンサルティングを手がけた後、独立して2013年4月にClearWaterProjectを立ち上げる。その経緯について、次のように説明する。
「ワークスアプリケーションズはとてもいい会社で仕事も面白かったのですが、もっとエンドユーザーに近いところでその行動にダイレクトに関わりたいと思うようになりました。その時考えたのが、自分が大好きな海のことだったのです」
当時、ワークスアプリケーションズの名古屋拠点に勤務していた瀬川氏はサーフィンが趣味で、よく渥美半島の海に出かけていた。一帯の海の水は泳げるレベルではあるが、それほどきれいでもなかったという。
「この海が沖縄レベルならば全然違うだろうと思っていたのです。ならばどうすればいいか。海の水をきれいにするには、流れ込む川の水をきれいにすることが先決です。そこで、これをテーマとする事業を手がけようとClearWaterProjectを設立し、『AQMAP(アクマップ)』というサービスを開発しました」
『AQMAP』は、水辺環境の現状を観察・記録・共有することによって問題の見える化を促し、“美しい水辺環境”実現のためのアクションを起こすポータルサイト。ところがビジネス化はなかなか難しいこともあり、2014年4月、収益事業のためcreatoを設立する。
一方、ClearWaterProjectの目的へのアプローチと事業化へのチャレンジも続け、人々が川に親しむ機会を増やし、遊漁券販売手数料を得る『つりチケ』などのアプリをリリースする。
こうして、creatoとClearWaterProjectの両者間でシナジーを図ってきた。
「これまで、それぞれの領域をつなぐ存在がなかったので、ベストなフォーメーションができたと自負しています」と瀬川氏は言う。
システム開発ベンダーとしてのcreatoが目指すのは、“共創型ビジネスパートナー”。前述の“ユーザーの求める理想形を提案し実現させる”ことを、取引リスクを承知で追求する。このことが、“エンジニアがつくりたいものをつくれる”環境づくりに直結するからだ。
一方、ClearWaterProjectとともに、世界中の水環境の改善も目指していく。即ち、事業の海外展開も図る構えだ。
「日本よりも、中国やインドなどのほうがはるかに水環境の汚染が問題化しています。壮大なテーマですが、足元を固めながらアプローチしていければと考えています」
フルフレックスタイム&リモートワークで柔軟に働ける環境
同社の社員数は21名(2022年2月現在)。平均年齢は36.0歳だ。
組織運営の基本テーマは“自主自律”。このテーマに即して、あらゆる制度やルールが決められている。その最たるものが“自己給与決定制度”だ。これは、自分の給与を、会社の収益状況や自らの貢献度、および世間の給与相場などをもとに自分で決めて申告するというもの。最終的には、メンバーと瀬川氏が話し合い、調整の上決定される。この狙いについて、瀬川氏は次のように説明する。
「自分の給与は自分で決めるのが、最も納得性が高いと思います。力を付けて成長すれば、給料も堂々と上げられます。さらにそうなっていれば、万一当社が潰れたとしても、どこに行っても通用する人材になれているでしょう」
こうして個々が強みを磨き、そんな個人が強みを持ち寄ってチームを組むことで、新しい価値あるサービスを生み出していけるという考えがあるのだ。
勤務体系においても、フルフレックスタイムとリモートワークを導入している。自分のライフスタイルやライフステージに応じて、柔軟に働くことができるのだ。
「例えば、フルタイム勤務の妻と保育園・小学生の子供がいて、毎朝保育園送るのと週何日か迎えに行く、というメンバーが普通にいます。子供がいるメンバーだと多かれ少なかれ似たような感じですね。家族のニーズを大事にする考えは会社としても尊重したいと考えています」
一方、思う存分仕事をしたいと考える独身社員には相応の仕事をしてもらい、マイペースで仕事をしたい社員には自社サービスの比率を増やすといった調整を行って全体最適を図っているという。
「完全雇用とフリーランスの中間より、ややフリーランス寄りといったイメージ」と瀬川氏。
そうであると、個々人がバラバラになったり、助け合わなくなるといったデメリットが想定できる。そこで、必須参加の週1回の全体ミーティングや年1~2回の合宿でチームビルディングも図っている。
また“お楽しみ系”としては、多くを占めるアウトドア好きのメンバーで川に遊びに行ったり、オフィス階下のキッチン付きのスペースで、川魚を焼いたり燻製にして堪能するパーティーを楽しんでいる。
こうした諸施策で、メンバーが最も力量を発揮できる環境をつくっているのだ。
同社が求める人材も“自主自律”が実践できる人。自ら考え、決め、発信・行動する人だ。
「かつ、『なぜ?』『どうすればいいか?』と本質まで深く考える“ディープシンキング”を意識してできる方であってほしいです」と瀬川氏は期待を寄せる。
天気の良い日にはとても気持ちよさそうだ。
株式会社 creatoの社員の声

20代前半
2018年08月入社

30代前半
2018年06月入社
上司の指示で動くのでは無く、...続きを読む

30代後半
2016年05月入社
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