スカイマークの現在地
スカイマークは、日本の航空業界において独自のポジションを築いています。FSC(フルサービスキャリア)と言われる従来の大手航空会社と、LCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安航空会社の中間に位置し、FSCよりも身近な価格でありながら、FSCに匹敵する運航品質を提供するエアラインとして、年間で800万人ものお客様にご搭乗いただいています。航空会社の実力、総合力を示す定時運航率は長きにわたりトップを競っており、大手を凌ぐ実績を上げています。外部機関による航空会社の顧客満足度調査においても、スカイマークは3年連続で1位を獲得しています。 スカイマークが多くのお客様からご評価いただいているのは、運航に必要なすべての機能を自社で保有していることが大きな要因です。新興の航空会社の中には、手荷物の搭降載などのランプハンドリング業務や航空機の整備業務などを外部に委託しているケースも見受けられます。一方、スカイマークは創業当初から、お客様の安心・安全に関わるサービスは自ら責任をもつべきだという信念のもと、すべての職種を自社で採用・育成し、ワンチームで事業を運営しています。ですから、何か問題が生じても、社内の力を結集してすぐに解決し、あらゆるサービスを自らの手でコントロールし、向上することができる体制なのです。 さらに、トップダウンではなくボトムアップの文化を醸成しており、現場のスタッフが「お客様のためにこうあるべきだ」と考えたことはすぐに実行に移す、そんな風土が培われています。たとえば、現場の工夫によって、航空機到着後、手荷物を受け取りレーンまで運搬する時間を短縮してお客様からご好評をいただくなど、こうしたお客様ファーストの姿勢が隅々にまで浸透していることが、スカイマークへの高い支持につながっているのだと思っています
スカイマークの成長戦略
現在、日本の航空市場は旅客数で約1億人、座席数は約1億3000万席であり、世界第4位の規模を誇っています。そのなかでスカイマークの旅客シェアは8%ほどであり、まだまだ開拓の余地が残されています。この国内の巨大なマーケットにおいて、私たちは3段ロケットで成長する戦略を掲げています。 まず1段目は、私たちがターゲットとするお客様をしっかりと捉えること。現状、スカイマークのお客様は2割がビジネス利用で、8割がレジャー利用のお客様です。このレジャー利用のお客様需要をさらに取り込んでいきたいと考えています。たとえば最近、「推し活」で自分の好きなものにはお金を惜しまない、という方も増えています。また、本格的な高齢化社会を迎えて、離れて暮らす親御さんの介護にたびたび帰省する方も増えていくでしょう。そうしたお客様の移動手段として、スカイマークがリーズナブルで魅力的だと真っ先に選ばれる航空会社になる。そのために、需要に合わせて価格を変動させるレベニューマネジメントに磨きをかけ、AIなどのテクノロジーも駆使しながら平日や閑散期の移動需要を掘り起こし、お客様にメリットを提供しつつ収益を向上させていきます。 2段目は、国内の運航ネットワークをさらに拡充していくことです。いまスカイマークは羽田空港を中心に全国に路線網を張り巡らせており、神戸空港、福岡空港、茨城空港などで高い旅客シェアを獲得し、地域のお客様の足となっています。昨今、円安によるインバウンドの急増や国内旅行への回帰により、航空機を使った旅客需要がいっそう高まり、神戸空港や福岡空港では発着枠が拡大されます。スカイマークはその受け皿となりたいと考えています。 そして3段目のロケットは、現在保有している機材を次世代型に更新していくことです。これから順次導入していく次世代型旅客機は、既存の機材と比較して座席数が20%ほど増加し、拡大する旅客需要を着実に捕捉することができます。また、低燃費で環境性能にも優れ、脱炭素化の流れにも対応しています。こうして未来に向けた体制をしっかりと整え、スカイマークはさらなる成長を目指していきます。
スカイマークが目指す未来
スカイマークは、日本の航空業界において、そして社会において、なくてはならない存在になりたいと考えています。現状、日本の航空業界は大手2社が影響力を持ち、LCCを傘下に収めるなど系列化が進んでいます。そうしたなかで私たちは、すべて自社の力で運航する独立したエアラインであり、業界のキープレイヤーとしての役割を果たしていきたい。もし、私たちがいなくなってしまうと、日本の航空業界は寡占化がいっそう進み、航空運賃が高止まりしてしまう可能性もあります。大手航空会社でも格安航空会社でもない、スカイマークがお客様の本当に必要としているサービスを追求し、それを実現するためのチャレンジを繰り広げていくことで、航空業界が健全に活性化していく。私たちが担う責任は極めて大きいと感じています。 お客様へのサービスの品質を向上させるためには、デジタル技術の活用もこれからいっそう進展させなければなりません。その一方で、ヒューマンタッチのサービスも大切にしていきたい。ご利用いただいたお客様からは、客室乗務員や旅客スタッフのハートフルなコミュニケーションへの評価も高く、そうしたスカイマークならではのマインドは継承していきます。 そして、人々の移動を大きなスケールで支える航空旅客事業を営むからには、人と人、地域と地域、人と地域を結ぶ「触媒」となる航空会社でありたいと思っています。私たちの拠点がある地域に根づき、人々の交流を支えていく。事業を通して、いま日本が抱える大きな課題である地域創生にも貢献していきます。さらに、将来に向けては国際線の就航も選択肢に入れており、グローバルで人の交流を生み出すことで社会を盛り上げていければと考えています。
スカイマークが目指す未来におけるITの役割
自社PCサイトやスマホサイトは、いわば当社の“お店”です。 しかし、現状のサイトのコンバージョン率は必ずしも満足できるものではありません。様々な規制があって難しい面もありますが、UI/UXを高めて1%でもアップさせていく必要があります。こうした諸施策を通じて、“新生スカイマーク”にふさわしいブランド作りをしていかなければなりません。 よく、ITを強化するには外部のSIerさんに依頼すればいいという意見も聞きます。 しかし、全面的に依頼することには、リードタイムがかかりすぎる、コストが見えなくなる、我々の要望がどこまで反映されているのかわかりにくいといったデメリットもあります。 そこで我々は、最重要の競争優位性の構築に関わるシステムは、すべて内製化するという方針を取っています。一方、給与や会計などの事務的なシステムは、パッケージを使うなどのメリハリを利かせます。 前述のとおり、ITは当社の経営における極めて重要なツールであり、その企画・開発・運用に関わる社内SEは“コア中のコア”人材といえると思います。 また、SIerさんで受託開発を手掛けるエンジニアは、その開発が終了し納品すれば終わり、という場合がほとんどですね。自分がつくったシステムが、その後、ユーザーや社内にどのように役立っているのか、なかなか知り得る機会がないと思います。 当社の場合は、少数精鋭ということもあり、プロジェクトを個人の裁量に任せる部分が非常に大きいです。社内の各部署を巻き込んでつくりあげ、お客様の反響をダイレクトに把握して改修するという“手触り感”に満ちた仕事の醍醐味が味わえると思います。
未来の仲間へメッセージ
航空業界は、本当にダイナミックでエキサイティングな経験ができる場です。私は過去、金融業界に身を置いていましたが、融資契約を結んで成功に導いたとしても、果たして自分が提供した資金がどう役に立ったのか、あまり実感が持てませんでした。しかし、航空業界でのビジネスは、自分の意思決定したことがサービスにそのまま反映され、空港で搭乗されるお客様の笑顔を目の当たりにすることができる。逆に、もし誤った判断をしてしまうとお客様からの厳しいお声がダイレクトに伝わってくる。まさに「手触り感」のあるビジネスなのです。 お客様との距離が近く、お客様の反応にリアルに触れてお応えできることが、この仕事の大きなやりがいです。スカイマークはそれほど大きな組織ではないため、搭乗されたお客様から寄せられたお褒めやお叱りの言葉は、翌日には経営陣も含めて全員が共有し、改善すべき点があればすぐに一体となって実行に移す。そこでは社内でのポジションなど関係なく、若手でも良い意見を出せば採用され、会社がより良く変わっていく姿を肌で感じることができます。 スカイマークは小粒でもピリリと辛い企業を目指しており、そうした唯一無二のユニークさに惹かれる方に仲間になっていただきたいと思っています。航空業界を舞台に何か面白いことを仕掛けて、少しでも世の中をより良く変えてみたいという志のある方に参加してほしい。その機会は、スカイマークならいくらでも提供できます。時代を振り返れば、2000年代からスマートフォンが台頭してモバイル革命が起こり、人々の生活を大きく変えました。これからはモビリティの分野で革命が起こり、人々の移動の形が大きく変わっていく。数十年後には、航空機を使った移動のあり方も一新されているかもしれません。私たちのビジネスも変わらざるを得なくなるかもしれない。それをポジティブに捉え、時代の変化を機敏に察知し、それに対応すべく柔軟にチャレンジできるような、そんなプロフェッショナル集団にスカイマークを進化させていきたい。そこにぜひ、みなさんの力をお借りできればと思っています。