“ITコーチ”という独自ポジションとベンダーフリーの中立性、グループ会社の強み
中堅・中小企業の情報システム(IS)部門に対する組織機能強化を支援している、ハイブリィド株式会社。“HiBlead”という社名の由来はIT人材(Human)の育成に貢献し情報システム(IT)× 事業・経営(Business)が融合された状態へと導く(Lead)
、というコンセプトにある。2015年3月に設立された新鋭だ。
同社は、現場密着型でITコンサルティングサービスを提供する。クライアントのIS部門に入り込み、IT戦略の立案から、システム構築の要件定義、開発、運用・保守をはじめとする、ITライフサイクルの一連のプロセスにおいて日々発生する諸業務の実行支援やマネジメントの支援を手がけるというものだ。
「そういった支援業務はコンサルティング会社でもカバーできることですが、多くの企業においてフィーが見合わないことが多い。
一方、IT人材派遣は決められた業務を効率的にこなす点に強みがあるが、柔軟なマネジメント支援を期待することは難しい。当社はその中間的な領域で、お客様のIS部門メンバーの育成を意識しながら業務ノウハウを移植し、自立するまでを支援します。そこが“ITコーチ”を標榜する所以でもあります。
また、ハードやソフトのメーカーから完全に中立的な立場であるため、お客様に真に必要なシステムの構築・運用支援が可能です。
こうしたコンセプトのITサポート業はほとんど存在していません。だからこそ多くのお客様が必要としているのです。」と同社を創業した代表取締役CEOの中山大輔氏は強調する。
同社の強みは、そういった独自のポジショニングだけではない。
IT人材派遣も手がける人材会社のセントメディア社を事業子会社にもつウィルグループに属するとともに、国内大手独立系ITコンサルティングファームであるスカイライトコンサルティング社と提携関係にあるという強みも有する。
かつ、中山氏自身、スカイライトコンサルティングで活躍したITコンサルタントの出身。したがって、必要に応じてIT戦略立案などの最上流から、現場のIT業務の相談までの全領域をワンストップでカバーできるのだ。
事業の成長とともに、コンサルティングサービスの質も向上を続ける
中山氏は、大手SIerでプログラマーやSEとして勤務の後、システム構築のより上流から関わるべく、スカイライトコンサルティングに転じた。そこで、“ITコーチ業”の必要性を実感するような複数の経験をしたことが元となり、2015年3月にハイブリィドを設立するに至った。
右肩上がりの成長を続ける同社にはどのような変化があったのだろうか。中山氏は次のように語る。
「取り引きのあるお客様から、『ハイブリィドのメンバーを増員してほしい』という声をいただく機会が多くなりました。弊社サービスの質の高さを認めていただいているのだと思います。本当にありがたいことです」
同社が高品質なサービスを提供できている要因はどういった部分にあるのだろうか。その要因として、“業務改善の提案が継続的にできていること”と“社員間でナレッジを共有できていること”が挙げられると中山氏は続ける。
「弊社は、お客様の課題解決を支援するだけではなく、どうすればより良い情報システム部門になるかを常に考えながら支援を行っています。具体例を挙げると、お客様の要望に単に応えるだけではなく『どうすれば継続的な改善体質を構築できるか』という視点から提案を行います。そうすることで、情報システム部門はより強化されますし、それが最終的にはお客様からの信頼につながるのです。
また、社員数や案件数が増えてきたことによって、社員同士でナレッジの共有が効果的にできるようになってきました。例を挙げると、特定の業界で新規顧客に入る際、類似の経験を有した社員にヒアリングし、その業界特有の改善ポイントや注意点などを事前に学ぶということができるようになったのです」
企業が成長したことで相乗効果が生まれ、同社が提供するサービスの質もそれに伴って向上している。それは、これから同社に入社する社員にとってもメリットの大きいことだと中山氏は語る。
「先ほど述べたように、弊社は社員同士の横のつながりが強いです。そのため、たとえコンサルタント未経験の方が入社したとしても、他の社員からナレッジの共有を受けることで、早いスピードで成長できるでしょう」
高いモチベーションを持った社員だからこそ、顧客の課題に向き合える
同社は業務の性質上、基本的にクライアント先に常駐する事が多い。それでは、普段はなかなか直接話をする機会が少ない社員同士は、どのようにして情報交換を活性化させているのだろうか。その重要な役割を担うのが、月に一度開催される全体会議と懇親会である。
「懇親会は社員の息抜きの場でありながら、同時に貴重な意見交換の場にもなっています。たとえば、新しく社員が入った際に『前職でどのようなことをしていたのか』『どういった分野が得意なのか』を聞くことで、その社員の得意分野を把握しているのです。そうしておくことで、何かの案件で特定のノウハウが必要になった際に『そういえば、○○さんがその分野に詳しかったな』とすぐにわかりますから。そこで得られた知見が、業務の中で活きたケースは数多くあります」と中山氏は語る。
また他にも、社員のスキルアップに寄与している制度として、カフェテリアプランを利用した書籍購入補助が挙げられる。業務に何かしらの形でプラスとなる本ならば、ジャンルは問わずどのような本でも購入可能なのだという。
「参画している業界を学ぶための本はもちろん、テクノロジーに関する本やアカデミックな本、ハウツー本など、どんなものでも構いません。学ぶことが当たり前だという企業風土をつくり上げていきたいですね」(中山氏)
そんな同社が求める人材は、“積極性”と“コミュニケーション力”がカギとなる。
「当社のメンバーは、IT施策の実行局面において、ステークホルダー間の“ハブ”となって、要所要所をつなぐことを求められる。いろいろな物事のすき間に落ちている問題を積極的に拾いに行き、解決に繋げることが重要な業務になります。いわば、試合で常に変化する戦況の中、生まれる“危険地帯”を見つけ、走り込んでいち早くカバーする選手のような役割です。
それは“能力”というより“モチベーション”のなせる業ではないかと思っています。また、私とはフラットな関係を築き、“本気で言い合える仲”にしていきたいですね」と中山氏は呼びかける。
情報システム部門の課題に寄り添い、その中にいる人々と一緒になって汗をかきながらともに成長するという醍醐味はなかなか味わえるものではない。上昇気流に乗る同社でコアメンバーの1人として働くことは、大きなやりがいのある仕事だ。
メンバーは、お客様のIT施策の“ハブ”となって、要所要所をつなぐことが仕事だ。