株式会社スケールフリーネットワーク

株式会社スケールフリーネットワークは、名古屋市に本社を置くシステム開発企業だ。設立は2008年5月。立ち上げ期にある若い会社だが、パートナーを含めて総勢23人の社員が集い、システムのプロフェッショナルとして自らの理想とする開発を実現するべく、事業を展開している。少数精鋭を旨とする同社では、1990年代後半のITバブルとその崩壊を経て、当時の問題点を分析。その結果から、今後あるべきITサービスの姿を思い描き、新しい挑戦を始めた。

社員の平均年齢は34歳（2009年11月現在）。経験と実績を積み、さらに上を目指してスキルを磨いていく意志のある人材がそろい、またその理念に共感する優秀なエンジニアを社員の紹介のみによって採用してきた同社。同社の目指すものに共感した者達が心を一つにして、顧客へのサービス提供を行なってきた。そしてその過程では、開発における仕組みや、エンジニアに対する教育や業務支援などの体制を構築。新しいメンバーを迎える準備が整ったところで、広く人材を募集し、さらなる成長を試みる。

同社がITシステム開発において問題視しているのが、｢開発に関わる人員数の多さ｣である。旧来の開発手法では多大なマンパワーが必要となり、メンバー間のコミュニケーションロスが発生する確率が高かった。また、参画するプログラマの個々のスキルにばらつきがあり、そのことがシステムの品質に大きな影響を与え、結果として納期の遅延や予算の超過、低品質で不満の残るシステムとその改修にかかる多大なコストなど、多くの問題を生んでいた。

そこで同社では、人員数を減らしても開発が可能になるという究極的なソリューションを考案した。それが、同社独自の開発技法「TERIOS」だ。長年蓄積してきた技術を結集したソフトウェア自動生成技術は、上流設計から開発、テスト、運用保守と広範囲にわたってカバーしており、マンパワーをかけずに構築が可能となる。その分の費用を、上流工程に回し、システム要件の精度を高めることで満足度も上げられる。また、設計や開発を人の手で行なわないことにより、エンジニアのスキルによって品質が左右されるということもなくなる。

開発にかかわる人数が減ると、その結果、チーム内のコミュニケーションが密になることで間違いが減るほか、速く正確に開発が完了し、納期短縮、予算削減、高品質保証といった結果がもたらされる。「人が開発する時代は終わった」。これが同社のメッセージなのである。

このほか、同社ではデータマイニング事業、小規模企業向けIT化推進支援事業なども行なっており、様々な角度から顧客のニーズに応えている。

同社では、様々な企業に対して直接契約を中心にサービスの提供を行なっている。社員達は技術力、業務知識共に持ち合わせ、さらにリーダーシップのある人が多いという。実力ある社員が、独立系SIerであることの強みを生かして、最新の技術動向を見極めた上で取り入れ、数々のプロジェクトを成功に導いている。同業他社からのヘルプ要請に応えるといたケースもあり、同社の業界内での存在感が推し量られる。

今後、こういった社員をひとりでも多く育てていくために、同社では、技術者への充実した支援体制を築いている。一つは、技術力のサポート。社内調査室を置くことで業務を管理し、新技術の情報提供やノウハウのフィードバック、精神的なケアなどを総合的に行なっている。行き詰った時には必ず相談できる相手がいる、そういった体制を整えているのも、同社ならではである。

また同社では、一般的なエンジニアの業務知識レベルの低さを課題と考えており、その解決策として、「ゼネラリスト教育」を提唱している。実際に、ITだけでなく、会計、語学などといった総合的なスキルを身につけることを推奨し、個々の取り組む技術習得の費用を会社が全額負担している。簿記、税理士資格、TOEICなど、同社ではすべての社員がいろいろな分野に関心を持って学習を進め、人間力・総合力の向上を目指している。

そんな同社が求める人物は、非常に厳選された人となる。同社の方向性に共感し、ポジティブで周囲に良い影響を与えられる人、評論家にならずに自ら動ける人、チャレンジし続ける姿勢を持つ人など、そのハードルは決して低くはないが、挑戦してみたい人にとっては多くのチャンスを与えてくれる会社であるだろう。