新卒入社したキューサイでは、どんな仕事をしましたか?
キューサイ株式会社は、あの有名な「まず〜い、もう一杯!」のテレビCMで知られる青汁を製造・販売する企業です。 新卒で入社後、私は開発部門に10年、通販事業部門に10年間勤務し、商品開発と通販モデルの構築に携わってきました。 私のキャリアの原点は、まさにものづくりの現場にあります。 当時、青汁市場では冷凍タイプが主流でしたが、競合メーカーが粉末型を発売し、競争が一気に激化しました。 これを受けて、同社でも粉末化の開発が急務となり、創業者と共に新しい商品の開発に取り組みました。 文系出身で開発の知識に乏しかった私ですが、創業者の自由な発想と発明家気質に大いに刺激を受け、試行錯誤の末、栄養価を保持し、のど越しや溶解性にも優れた粉末青汁の商品化に成功しました。 しかし、当初は既存の販売網での拡販が難航。そこで新たに通信販売事業を立ち上げることとなり、私はその立ち上げメンバーとして参画。 通信販売専用のビジネスモデルを構築しました。 その結果、わずか4年で売上は100億円規模に達し、さらに新たに開発した「コラーゲン」も青汁に並ぶヒット商品となりました。
ファビウスに通販事業責任者として入社するまでのキャリアは?
2010年創業家から資本が変わり、上場企業の傘下に入ったことを契機に、開発や営業活動において次第に壁に直面するようになりました。 意思決定に時間と労力がかかり、進捗が思うように進まない状況に。 営業部長、開発部長として経験を積んだ後、ものづくりの原点を再認識し、次のステップを求めて退職を決意しました。 その後、2016年に福岡から東京へ拠点を移し、物販事業の責任者としてRIZAPグループに入社。 商品開発から拡販まで広範に携わり、ボディメイク向けサプリメントや低糖質冷凍食品の開発・販売を行いました。 その結果、わずか1年で売上は5倍に拡大しました。 続いて、全国展開している「カラダファクトリー」を運営するファクトリージャパングループに取締役として赴任。 ここでは、物販事業の強化をミッションに掲げ、オリジナルのプライベートブランド商品を開発。 雑貨から機能性表示食品まで多岐にわたる商品をサービスと組み合わせて拡販し、参画から5年間で物販事業売上は10倍に、営業利益率も向上しました。 しかし、サービスが主軸となる物販における限界を感じ、2022年には新たな挑戦を求めるようになりました。 そんな中、既存サービスに依存しない広範なターゲットに向けた、開発から販売まで一貫した物販事業を行うファビウスに出会い、その柔軟な発想とチャレンジ精神に共感し、入社を決意しました。
新社長としてファビウスの経営課題を、どのように考えていますか?
事業の急成長により統制が失われ、過剰な広告投資や非効率な販売活動が業績悪化を招いた結果、意思決定の遅れ、コスト管理の甘さに加え、人材流出といった経営課題が顕在化していました。 これにより、組織としての一体感や事業の推進力が大きく損なわれていました。これは、組織が大きくなる過程で、官僚的な傾向が強まり、柔軟性が失われたことが原因だと感じています。 このような状況を打破するためには、組織改革と根本的な事業構造の見直しが急務だと考えました。 特に、顧客との接点を見直し、通販事業の基本であるストック型ビジネスモデルに立ち返ることが不可欠です。 D2C(Direct to Consumer)ビジネスにおいては、ユーザーとの信頼関係をしっかり築き、顧客基盤を拡大することがブランドの継続的な成長に繋がります。そのためには、新規顧客の獲得に加えて、既存の顧客との関係をどれだけ深められるかが重要になります。 ファビウスでは今後、ユーザーとの継続的な関係構築を中心に据えた、ストック型のD2C戦略を推進していく方針です。これにより、より強固なブランド基盤を築き、長期的に安定した成長を実現することを目指していきます。
ファビウスをどんな会社にしていきたいですか?
ファビウスはD2C市場での成功を収め、これまで多くのヒット商品を生み出してきました。 しかし、近年の競争激化により、広告費を増やして新規顧客を獲得する戦略に偏りがちだったことも事実です。新規顧客の獲得はもちろん重要ですが、私たちが目指すべきは、お客様に長く愛用していただける商品を提供することです。 特に、スキンケアや健康食品などのD2Cビジネスにおいて、最大のポイントはリピート率。お客様が効果を実感し、満足していただける商品を提供することこそが、ファビウスのブランド成長には欠かせません。 今後、ファビウスは本来の姿へ原点回帰し、よりお客様に長く愛用していただける商品開発を第一に考えます。商品開発において、さらに品質へのこだわりを強化し、お客様が継続して使用することでその効果を最大限に実感できる商品を提供します。 一度きりではなく、使い続けることで真の価値を感じていただける商品を届けることが、私たちの目指すべき方向です。 さらに、商品開発の過程においても、お客様との長期的な関係を築くために、彼らのニーズに寄り添った商品づくりを徹底し、期待を超える体験を提供することに注力します。これにより、今後の成長を加速させ、ファビウスブランドの確固たる基盤を築き上げていきます。