日本メディケア株式会社

1996年に設立された日本メディケア株式会社。東京・神奈川のエリアで面分業を行なう調剤薬局をチェーン展開している。2009年6月現在の店舗数は6店舗。その内の1店舗（平和島薬局）では、介護相談コーナーを設け、ケアマネージャーによる最適なケアプランの作成も行なうなど、在宅医療にもきめ細かく対応している。

今後の同社を語る上で鍵となるのが、JR大森駅近くのビルの2階と3階にある「大森リフレッシュ教室デイサービスセンター」と「大森リフレッシュ整骨院」だ。デイサービスセンターでは高齢者向けにスポーツやエクササイズ、筋トレを行い、整骨院では柔道整復師やマッサージ師による治療やマッサージを行なっている。デイサービスセンターは数多く存在するが、同社の特徴はスポーツや筋トレを行なっていること、そして、それらと合わせて整骨院でマッサージも行なっているということだ。これは全国にも例のない取り組みだという。過剰なサービスで高齢者の身体能力を低下させてしまうのではなく、現状の体力維持を目指す予防介護を目的としたサービスとして注目を集めている。

通常のデイサービスセンターの場合、利用者の大半は女性だが、同社の施設の利用者は約6割が男性。「みんなで集まって、ご飯を食べて、おしゃべりして、お風呂に入る、というデイサービスセンターが多いですが、女性には人気があっても男性をひきつけるのは難しい。当社の場合はスポーツや筋トレができる施設という点が評価されているようです。男性患者のリピート率が高いというのは当社の強みの一つですね」（代表取締役三浦氏）

今後は、デイサービスと整骨院、そして訪問介護・訪問医療を組み合わせた施設の展開をメインに行なっていく。2店舗目がまもなくオープン予定だが、現在の大森店のすぐ近くに出店する予定だという。その理由は大森店が順番待ちが出るほどの人気を博しているから。高齢者から高い支持を得ていることが、このことからもうかがえる。2店舗目のオープン以降は、毎年2～3店舗のペースで店舗数を拡大していく予定であり、全国展開も視野に入れている。

「大森リフレッシュ教室デイサービスセンター」「大森リフレッシュ接骨院」で中心となって働いているのは柔道整復師のスタッフだ。

「2000年の介護保険法の施行に伴い、柔道整復師には機能訓練指導員の資格が与えられました。つまり柔道整復師は、国から医療と介護の両方の分野での活躍が期待されているんです。しかし残念なことに、多くの柔道整復師は、自分にそういう資格が与えられていることを知らない人が多い。ぜひ多くの柔道整復師の方にこの事実を知っていただきたいですね。自分の職能をもっと高めることのできるチャンスですから。医療と介護の両方で患者をサポートできる仕事にぜひチャレンジしていただきたいです」（三浦氏）　

柔道整復師にとって、同社で働くことのメリットはもう一つ。それは安定した収入を得られるということだ。国家資格である柔道整復師だが、主として活躍する接骨院や整骨院は、民間資格者による施設と競合になることも多く、顧客獲得競争は激しさを増している。また、完全歩合制で働く場合も多く、収入が不安定だと感じている人も少なくない。デイサービスの場合はケアマネージャーとの連携による顧客獲得が容易であり、特に同社の場合はサービスに特徴があるため、顧客を獲得しやすいのだという。
「長時間労働・低賃金という柔道整復師の置かれた状況に不安を感じている方も多いと思います。当社の場合は給与体系が整っていますし、当たり前のことですが残業代もきちんと支給しています。安心して長く仕事を続けていただくことが可能な環境を整えています」（三浦氏）

最後に、三浦氏に求める人物像について聞いてみた。
「柔道整復師を取り巻く業界の現状について、問題意識を持っている方だと、当社の良さをより深く理解していただけるのではないかと思います。逆にその部分を意識せず、単に今いる職場が嫌だからという理由でご入社いただいても、医療と介護を融合させた当社の事業を本当の意味では理解できないでしょう。医療と介護という二つの分野で仕事をしていくということの意味と意義をご理解いただける方にぜひ来ていただければと思います」


同社が展開しようとしているのは新しいサービスであり、その中心を担う柔道整復師の仕事もこれまでにない新しいものだ。しかし、これからの日本の医療・介護を考えたときに非常に将来性のある仕事であることも間違いないだろう。新しいことに柔軟にチャレンジできる、意欲あふれる、志の高い人にぜひ挑戦してほしい。