株式会社エンプラス

株式会社エンプラスは、超精密技術を核とした東証一部上場企業である。創業は1962年。一般のプラスチックとは異なり、高精密な機能性プラスチックの開発を行う「エンジニアリング プラスチック（エンプラ）事業」からスタートした。現在は、プラスチックギヤを中心に高精度・高機能プラスチックの開発・生産を行う「エンプラ事業」を基幹に据え、ナノ単位の技術で超精密光学製品を提供する「オプト事業」、半導体の性能確認試験に使用されるICソケットを主力とした「半導体機器事業」、省エネを実現する照明手段として期待が高まるLEDを支える「ディスプレイデバイス事業」の４つの分野で展開している。いずれも、高精度、高機能を満たす卓越した技術力で、業界で確固とした地位を築いている。

取引先は、インテル社をはじめ、各界の第一線で活躍する一流企業ばかり。当然求められる技術レベルは高く、「薄く」「軽く」などの難解な要求に応えることで、お客様自身も新しい展開が可能となる。世に出る新製品開発の一翼を担うことも数知れない。
こうした功績が評され、インテルの成功に貢献した製品やサービスの供給を称えた「プリファード・クオリティー・サプライヤー賞」を過去数年に渡って受賞。精緻な部品を求めて、同社を指名する企業も後を絶たないそうだ。この高い技術を生み出す原動力について、業務管理センター長を務め、執行役員でもある笹倉氏はこう語る。

「当社の社員は、“どんな難題にもチャレンジする”という姿勢で、誠実に仕事に取り組んでおります。また、期待以上の結果を出すことを信条としておりますので、お客様から“安心して注文できる”という評判をいただいております。」
堅実な社風のもと、お客様の良きパートナーとして、共に開発に励む。

同社はアジア諸国やアメリカを中心に、グローバルネットワークを持っている。世界各地の生産拠点にて、品質保証のグローバルスタンダードであるISO9000シリーズの認証を取得し、高い品質基準を保持している。
身近な製品では、OA機器や自動車で使われる高精度プラスチックギヤにおいて、プリンターでは綺麗な印字を実現し、形状を工夫したことで音を抑える効果も出した。また、自動車では熱への耐久性や高硬度、軽量化に貢献し、省エネを実現している。環境面に負荷をかけない製品作りへと発展しているのだ。

社員たちが異口同音にして唱えるのが、「やる気のある人にはチャンスが開かれた会社だ」ということだ。グループ全体で600名を擁するが、トップとの距離が近いという。

5年程前に大手製薬会社から転職してきた大瀬氏は言う。
「社長をはじめ、経営陣と話すチャンスが多数あることは、以前の会社では考えられないことですね。気軽に個人の意見を伝える場を作れるので、やりたいことを実現しやすい環境だと思います。実際、私自身もバイオ関係の新規事業のプロジェクトを任されていますが、つい先日までは研究所で開発やマーケティングに携わっていました。いよいよ本格的に製品化する段となり事業部が発足。個人の意見が通りやすい分、自分でやらなくてはいけないことも多くて大変ですが、手応えも大きいですね。」
自分の頑張り次第で、いくらでも仕事の幅を広げていけるというのだ。

社員仲が良いという社風も、仕事のしやすさを物語っている。クラブ活動やイベントも盛んで、年中行事の新人歓迎会やクリスマス会などでは、その都度企画が凝らされているという。あるイベントでは、流行のヨガを行ったようだ。
新事業や新技術を開発する上で、チームの力は欠かせない。社員同士の親睦を深める場が多数あることも、チーム力の強化につながっているのだろう。
<font size="1"><CENTER>基幹事業として同社を支える「プラスチックギヤ」</font></CENTER>

今後、同社では新規事業開発を加速させていく構えだ。ディスプレイデバイス事業では、これまで液晶画面の高輝度に寄与する導光板の開発を柱としていたが、次なる照明手段としてLEDに着目。LED用の拡散レンズの開発を進めている。
5年間の検討期間を経て、この9月から本格展開に向けて組織変更が行われた。スタート段階から開発に関わってきた石川氏はこう語る。
「サイン（看板）業界では今、LEDが注目されています。しかし、従来の内照式の看板に比べてコストが高く、実用ベースに乗っていません。しかし、CO2削減に向けて、熱を出さないLEDの需要は増すものと思われます。温暖化に対して国策として取り組んでいく動きも見られます。当社の商品は他社と比較し、LEDの数を64％に抑えて同じ明るさを実現しました。安価な上に、軽量化により設置もしやすく、エコ対策にもなります。当社にしかない技術力が成せる技なのです。」

他にも、大瀬氏が手掛けるバイオ事業をはじめ、新規事業絡みの数々のプロジェクトが始動している。新規事業や新技術の開発など、新しい取り組みに携われるチャンスは限りない。やる気のある社員には、無限に可能性を与えている。