ご略歴を教えてください。
大学までは韓国で育った韓国人です。偶然な機会に母国の大学で日本学に専攻を変え、日本語も独学で学びました。2016年の卒業後は日本の大学院に進学する計画を持っていましたが、諸事情により直前に断念せざるを得なくなったのです。4年生の夏だったので、そのタイミングで初めて就職という選択肢に目を向けたのですが、せっかく学んだ日本語力を生かそうと、社内の風通しが良さそうだった日本の大手Webサービス会社に入社しました。就活中にマーケティングに興味を持ち、英会話サービスをはじめとする5~6事業のマーケティング業務に従事しました。 3年半ほど働きましたが、大手として意思決定スピードの遅さが目につき始めたことと、違うドメインにチャレンジしたいと考えて、大手の音楽レーベル会社にマーケティングマネージャーとして転職します。プロモーションのプランニング&ディレクション、社内のDX推進やCRM構築などを3年ほど手掛けたところで、2022年に工場や物流倉庫などのペーパーレスを支援する現場DXのスタートアップに転じました。実は2社目を選ぶ際にに初めてスタートアップも視野に入れる様になり、関心を持ち続けていたのですが、とても面白そうな会社に出合えたので入社することにしたのです。 そこでも3年ほど働いたところで、違和感を覚え始めたことを機に転職を決め、当社を選んだという経緯です。 当社はまだスタートしたばかりで、カオスな環境でチャレンジできることと、65年間、旧態依然とした日本の就職活動の在り方を本気で変えようとしている当社代表の勝見の情熱にひかれたことが大きかったですね。
ご自身のミッションについて教えてください。
マーケティング部門のマネージャーという立場で、『BaseMe』のユーザーとなる学生を獲得することが主なミッションです。手法としては、広告や学生コミュニティへのアプローチが中心です。特殊なコミュニティをつくって活動している学生が多いので、そんなコミュニティに入り込んで活動を共にしながら接点を広げるというやり方です。また、当社には学生インターンも数多く出入りしており、彼らの価値観を吸収したり、サービスのアイデアをもらうことも日常的に行っています。 実際にこの業務に就いてまず感じているのは、日本の就職活動の在り方を変えていくことの難しさですね。就職は人生において非常に重要な選択の機会であるにもかかわらず、有名な就活プラットフォームで何となくこれまでの進め方で進めてしまう学生が多く、その固定観念をどう突き崩していくかが大きな課題であると捉えています。単に広告で学生を集めても『BaseMe』に長く留まってくれるとは限りません。ほかの就活プラットフォームと被らない『BaseMe』の価値や意義を理解してもらうことに努めていきたいと考えています。 65年間変わらないというインパクトは凄まじいものがあります。当社だけでどうこうできるものではなく、大学や企業とも問題意識を共有しながら少しずつでも変えていきたいと思っています。
株式会社ベースミーをどんな会社にしていきたいと考えていますか? そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いを聞かせてください。
『BaseMe』を、多くの学生が報われるサービスに育て上げていく必要があります。そのために、現在のカオスな状態を楽しみながら、メンバーと一緒にこのサービスをつくり上げていかなければなりません。幸い、シリーズAラウンドで累計6億円の投資を得られています。投資家と共に『BaseMe』の可能性に賭けていける環境があるので、メンバーには一緒に闘っていってほしいと願っています。 新たにお迎えする方も、既存のメンバーにも、プロ意識を持ってほしいと思っています。スタートアップとしてリスクを取りながらとにかく前進していく上で、各自にプロ意識がないと緩くなってしまうからです。逆に言えば、それさえあればほかはどうであっても大丈夫だと信じています。 また、社員は同じ世界観を共有する仲間として、一定のレベルを超えた時に見える、違う景色も共に眺めたいですね。
金さんの仕事観を聞かせてください。
自己表現の手段だと思っています。それで、“この仕事は社会にどういったインパクトを与えるのか”といったことは常に意識していたいと考えています。 これまでは自分の仕事のことだけに没頭してきましたが、当社では少し違ってきました。自分を信じてついてきてくれるメンバーのためにも責任感をしっかり持って、メンバーと共に仕事を楽しんでいきたいですね。 なお、当社の試用期間が終了した時に、代表の勝見から「仕事はどうですか?」と聞かれました。私は「楽しくて仕方ないです」と答えたのですが、その時と同じ感覚がずっと続いています。 就職の世界が変わるスピードはまだ遅いですが、でも着実に変わっている手応えがあります。問題意識のある学生や変わろうとしている企業と毎日会って刺激をもらえています。 こんな仕事がモチベーションに繋がりやすく、楽しめると思いますね。