株式会社システック

株式会社システックは1996年の創業以来、創業者である田中雅治氏が掲げた「おもしろきこともなき世をおもしろく」という理念を基盤に、モノづくりを担う顧客の課題解決を通じて成長してきた企業だ。創業当初は少人数かつ限られた資金でのスタートであったが、国内に調達余地が乏しい半導体を海外から直輸入し、外資系半導体に強い商社としての優位性を確立した。その後もリーマンショック等の外部環境の変化に直面しながらも、営業力と提案力、そしてグローバルなネットワークを生かして危機を乗り越え、成長を続けている。

同社の企業理念は、顧客が直面する「うまくいかない」状況を「うまくいく」ように変え、共に喜びを分かち合うことだ。単なるモノ売りではなく、ハード・ソフト両面から最適なソリューションを提供し、新たな価値を生み出すことで持続可能な関係を築く。この姿勢は事業活動に止まらず、社員一人ひとりの生活や成長にも通じており、ビジネスと日常の両方に「面白さ」を見出すことが同社の文化となっている。

事業領域は多岐にわたる。電子部品販売事業では、国内外1,000社以上のメーカー製品を取り扱い、経験豊富なFAEによる設計サポートやBOM管理システムを活用し、顧客に迅速かつ高付加価値のサービスを提供している。モノづくり事業では、開発から量産までを一貫して受託し、国内外のパートナーと連携して最適なソリューションを実現する。また、購買代行事業では調達業務や在庫管理、キャッシュフロー改善等を支援し、顧客の経営効率向上に貢献。さらに、精密板金加工事業においては高品質かつ柔軟な対応を強みとし、IoTルーター事業やLCD・BOARD事業では市場ニーズに即した新規分野にも積極的に取り組んでいる。

2015年以降はモノづくりへの本格参入を契機に売上規模を大きく拡大し、現在では設立当初の数倍の規模へと成長した。商社機能を軸に据えながらも、EMS事業や新規商材の拡充を通じて上流工程へと事業領域を広げており、国の支援による国内半導体市場の活性化を追い風に新たな挑戦を続けている。

同社の強みは、商社機能に止まらず、多彩な事業展開を可能にする柔軟性と総合力にある。第一に挙げられるのは、国内外にわたる豊富な仕入れルートの確立である。アジア、アメリカ、ヨーロッパ等、世界各地で新たな供給先を積極的に開拓し、語学力や交渉力を備えた営業担当者が顧客ニーズに応じた商材調達を実現している。

同社の営業推進部にてシニアマネージャーを務める山口康弘氏は以下のように語る。
「特定のメーカーに縛られずに動けるのが我々の強みです。お客様の要望に『できません』とは言わず、最適な提案を持ち帰って提示できる。フットワークの軽さと提案の幅の広さが当社の最大の強みです」

さらに、同社は世界中の在庫先や協力会社と連携することで、幅広い商材を迅速に確保できる体制を築いている。2024年には自社倉庫を稼働させ、基幹システムと物流システムを連携させることで在庫管理の精度を高め、入庫から出庫まで確実な運用を実現した。これにより市場変化への即応性が一層強化されている。

全国展開においても、東京本社のほか岩手、長野、大阪、愛知、福岡に拠点を設け、地域密着型の営業を推進している。また韓国、台湾、香港にも拠点を持ち、国内流通が難しいメーカーの商材にも対応可能だ。こうしたグローバルかつ地域密着のネットワークは、顧客に安心感と信頼をもたらしている。

加えて、同社は技術サポート力の高さにも強みを持つ。多様なメーカーや製造現場に対応できる技術者を採用し、営業担当者や協力会社と連携しながら知見を積極的に取り入れているからだ。

「部品の調達力があるからこそ、モノづくりの提案も可能になるのです。実際に電子基板や完成品の供給に至るまで、お客様の部品管理の負担を軽減する提案を行い、効率化に努めています」（山口氏）。

また、グループ会社の株式会社エイワ機工による精密板金加工事業も大きな柱だ。筐体製品の生産と品質管理を担い、システックはその拡販を担当する等、相互補完的な関係を築いている。

「単なる部品提供に止まらず、基板から外装の板金まで、トータルでお客様の課題に応えることができます」と山口氏は強調する。こうした連携により、同社は顧客の多様な要望に柔軟に応えることを可能にしているのだ。

さらに、購買代行やIoT、LCD・BOARDといった新規事業にも積極的に取り組み、事業領域を拡大している。IoT分野では通信機器やAI関連装置の需要を背景に提案力を強化することで、今後の成長が期待できるだろう。

業務効率化の面では、クラウドベースのグループウェアやノーコード・ローコードで業務アプリを作成するツール、名刺管理ツールといった最新ツールを導入し、IT化・DX化を推進。これにより情報共有のスピードを高め、営業活動や新規開拓にも直結させている。

「社会貢献活動も当社の特徴的な点です。熊本地震支援やウクライナ難民救済等を含む寄付活動が評価され、当社は5回にわたり紺綬褒章を授与されています。これは業界内でも類を見ないことです」（山口氏）。

同社では現在、新設した技術部において「組み込みエンジニア」と「技術営業」の2職種を募集している。背景には、ある代理店が取り扱いを終了した事業を同社が丸ごと引き継いだことがある。これに伴い、技術的なサポートを担うエンジニアが同社へジョインし、新たな部門が立ち上がったのだ。既存顧客の支援はもちろん、同社の幅広い営業網を生かし、より多くの顧客に技術的な提案を行うため、人員強化と後進育成が急務となっている。

募集する「組み込みエンジニア」は、電子基板に搭載されるマイコンへプログラムを組み込み、顧客の求める動作や機能を実現する役割を担う。一方「技術営業」は、電子部品や基板構成への理解を基に顧客課題を解決し、最適な部品やシステム高度な専門性と柔軟な発想を必要とするが、専門性と柔軟な発想を必要とするが、必ずしも即戦力である必要はなく、1～2年程度の経験やC言語等の知識があれば挑戦可能だ。

「ピンポイントで“この技術がなければならない”という条件はありません。人柄やポテンシャルを重視しています」（山口氏）。

同社ならではのやりがいは、既存顧客に縛られず、新規市場や多様な顧客に自由に挑戦できる点だ。取り扱い製品の幅広さ、世界各国に広がる仕入れルート、そしてグループ会社との連携により、営業・技術共に豊富な選択肢を持ちながら提案できるのは大きな強みと言える。

「お客様に対して切れるカードが多い。だからこそ面白みがあり、やりがいに繋がります」（山口氏）。

また、同社にはポジティブな社風が根付いている。成功体験を共有しながら互いに切磋琢磨する文化があり、相談しやすい環境や部門を超えた協力体制も特徴だ。加えて、残業は少なく、ボーナスが19期連続で年3回支給されている等、働きやすさと高い定着率を誇る。

「あまりネガティブな人はいません。お互いに刺激を受け合いながら前向きに挑戦していける雰囲気が当社ならではと言えるでしょう」（山口氏）。

最後に山口氏から応募者へのメッセージを頂いた。
「今回の募集は、単なる人員補充ではなく、新設部門の成長を共に牽引する仲間を求めるものです。能動的に動き、自ら計画を立てて挑戦できる方にとって、当社は大きな飛躍の場となるでしょう。前述のようにお客様の要望に対して『できません』と言わず、最適な提案を持ち帰る姿勢を持てる人であれば、きっと当社で活躍できるはずです」