RePath株式会社

RePath（リーパス）株式会社は、医療・介護業界に特化した人材紹介会社。
東証グロース上場企業で訪問看護事業を展開するRecovery Internationalグループの新事業として2024年12月に設立。
Recovery InternationalのCEO・柴田旬也氏が代表取締役を務め、医療・介護業界の人材会社で豊富な経験を持つ須藤仁司氏（企画・採用・マーケティング責任者）と共に立ち上げた。医療業界・人材業界に精通した人材が集まり、そこから生まれた独自のビジネスで業界の人材不足と社会課題の解決に挑んでいる。

同社のビジネスモデルの特徴は大きく2つ。そしてそれは大手人材紹介会社とは“逆張り”のビジネスだ。
1つ目は、“潜在看護師”をターゲットとしていること。現在日本にいる看護師資格保持者は170万人と言われているが、そのうち70万人は潜在看護師。例えば、年齢や病歴、転職回数等がネックとなり就職先が決まらない、はじめにつまずいてしまい看護の仕事から離れている、といった求職者が働ける環境をつくることを目的としている。
2つ目は、地方エリアに注力していること。地方は高齢化や過疎化によるニーズが顕著に増加しているにもかかわらず看護師は慢性的に不足。そんな地方の事業所に人材を紹介し、地域の方々が安心できる医療機関をつくることが目的だ。

「事業所が求めるのは20～30代が多いのが実状なので、大手は20～30代中心に集客しますし、エリアも大手の求人は首都圏に集中しています。私たちはそのような大手に対抗するのではなく、業界や社会の本質的な課題はどこにあるのかを考えました。
私たちの根底にあるのは、“機会の平等”と“変化”です。潜在看護師に一人でも多く働く場所をつくっていくことで、人材不足の解消に繋げたいと思いました。だから当社では年齢を絞らずに幅広く集客していますし、60代・70代の方が成約するケースも珍しくありません」（須藤氏）。

求職者へのカウンセリングは実に詳細で、“本音”を引き出すことを重視。求職者の固定概念や思い込みを正してあげることで求職者の選択肢が広がり、大事にしたいことを諦めずに自分に合う勤務先が見つかるとのこと。事業所側も、当初の希望条件と違う人材の採用が成功することで採用幅が広がる。逆張りのビジネスは、双方に新しい発見とスタートの機会を提供することに着実に繋がっている。

同社では、人材紹介事業に加えて新たな事業の立ち上げを進めている。
実現に向けて動いているのは、コーチング事業だ。看護師のキャリア構築をコーチングしている場所は日本にはほとんどないという。顕在化していない自分のキャリアビジョンを考えたときに、専門家に相談できる場所がない。もしくは相談できても導いてくれるような対応まではしてくれない。そんな現状を踏まえて、看護師や介護士へのコーチングを提供するサービスを立ち上げる。さらに、AIを活用したチャットボットもつくり、気軽に相談できる場所の提供も計画中だ。

また、日本の潜在看護師を減らして顕在看護師を増やすことを目指していく中で、看護師の待遇改善や事業所のメリットをつくっていく必要があるという。それを推進するにあたっては国や行政との連携が必要となってくることから、ロビー活動のような国や行政との連携を強めていく活動にも力を入れていきたいと考えている。

日本の医療・介護業界は全体的に人材不足だが、中でも特に深刻なのは在宅医療分野だ。高齢化に伴ってニーズがどんどん増える中で、訪問看護ができる人材を増やしていかないといけないという課題がある。若年層が訪問看護で働ける未来をつくるためにも、国を挙げて待遇や環境を改善していくことが必須だろう。

そして同社には、「将来的に日本の技術を世界に広めたい」という大きな目標がある。
「日本は世界的にも高齢化社会が進んでいる国です。そんな日本で今培っている看護や介護の経験値は他の国にはないものだと思っています。技術の継承の仕方は外国の方を技能実習で招き入れるのではなく、日本の技術を海外に広める動きを、高齢化社会や医療、介護という切り口で行えればと考えています。他の国も若手人材が不足していくと思いますので、先駆けて技術を広めることで今日本が抱えている課題が世界の国々で起きたときに貢献できるはずです」（須藤氏）。

設立して間もないながら、次のフェーズに向けて走り出している同社。
「生まれてから亡くなるまでの人生の中で、RePathを利用する起点を複数つくっていきたい」と語る須藤氏。その中に身を置いて視野を広げ、新しいビジネスをつくり出す体験に関われるのも同社で働く魅力だろう。

同社の正社員は15名（2025年8月時点）。オフィスには社長室などはなく、代表や役職者と近い距離で仕事ができる。フラットな組織で意見や相談がしやすく、経験豊富なキャリアアドバイザーから直接OJTで教えてもらえる環境だ。そのため未経験入社の社員も多く、成長スピードが早いという。

組織強化においては、キャリアアドバイザーはメンバー・リーダー・部長の3階層に加えてエリアマネージャーを新設し、チーム制を導入予定。また、事業企画などの事業づくりを担うBizDevのポジションを新設する。

採用のポイントは、「変わりたい」「成長したい」というマインドを持っていること。医療業界の経験やスキルは一切不問で、医療業界への興味も特に必要ないという。
「重視しているのは、自分はこうなりたいという想いがあるかどうかです。具体的であれば分かりやすいですが、明確でなくても構いません。うまく言語化できなければ一緒にしていくので口下手でも良いんです。むしろ不器用な方が合っているかもしれません。今の自分から変わりたいという想いがあって、その一歩を踏み出すために手を挙げた人を全力で応援したい、というのが当社のカルチャーです」（須藤氏）。

また、同社は「ワークインライフ」の文化。仕事とプライベートを完全に分けて考えるような社員はいないのだそう。「小さな称賛とフィードバック」を大切にしており、お互い切磋琢磨し合う風土だ。その一方で、成長するには自分への厳しさも必要。“問題解決の主題者は自分”と考え、仕事を楽しみながら愚直に取り組む人は必ず成長できる。

「創業期なのでこれからいろいろと会社が変わっていくと思いますが、だからこそチャンスが多い環境です。私たちが今求めているのは将来的にボードメンバーになってくださる方。役職に就くなど自分の価値を高めていってほしい。もちろん当社でずっと働いてくれるのが一番嬉しいですが、それだけではなくどこに行っても高く評価される人材になってほしいと思います」（須藤氏）。

社名の「RePath」には、「Re＝再び・新たに」「Path＝道筋・方向」という意味が込められている。これは求職者だけではなく、自社の社員に対しても同じ。今の自分から変わりたい、きっと自分は成長できる――。そんな強い想いを持った方がジョインしてくれるのを同社は待っている。