ご略歴をお教えください。
大学を卒業後、出身地である岡山の広告代理店に入社しました。その後、先輩が起業した会社への転職を含めて3社を経験し、当社を創業したという流れです。職種としては、全て営業職で、新規開拓も既存顧客対応も行いました。 初めて転職をしようと決めた時は、かなり悩みましたね。先輩が会社を立ち上げた際に転職を誘われたのですが、会社に留まって上を目指す道も大事だと思ったからです。けれども、先輩は仕事がものすごくできる人で、大変お世話になった人。そこで、最終的にできたばかりの会社で沢山新しい経験ができるとも考え、自分が成長できる環境があると先輩の会社に加わることに決めました。 いろいろと経験を積むことができましたが、その後、別の会社からもお誘いを受けたのです。音楽配信のデジタル視聴機器を営業する仕事で、当時は月の半分を出張で全国を飛び回っていました。北海道と沖縄以外は全部行きましたね。この製品は全国で630店舗に導入されていたのですが、そのうち430店舗は私が営業したものです。 こうして自信が付いたところで、2010年8月、縁があった千葉市で当社を創業することにしました。 会社が倒産する理由の第1位は販売不振・売上不足といわれていますが、創業前に営業を経験したことが、特に当社の創業期を乗り越える力になってくれたと思っています。
株式会社エニプラを起業した背景についてお教えください。
最初に起業を意識したのは、社会人1年目の時です。同じ年に入社したある社員の将来の夢が、独立して起業することを知ったことがきっかけでした。彼が入社する前から、「すごい人が来るぞ」と社長が言うのを聞いて、まだ会ったこともない同期が褒められていることにカチンときたのです。当時まだ若かったので。 彼の入社後、「どんなヤツなんだ、どんなもんなんだ」と思い、サシ飲みに行きました。そこで、彼が起業のために学生時代から経済新聞を毎日端から端まで読んでいた話を聞いて衝撃を受けたのです。私は漫画雑誌は端から端まで読んでいたけれど、新聞を毎日読む習慣はなかったので。そんなことから彼の凄さを知りました。そして、そんな人と一緒に働くことで刺激を受け、自分もいつか起業するぞという気持ちが芽生えたのです。 その後、先述の通り、先輩が起業した会社で働くという大きな決断をしたことで、より起業を意識するようになりました。 創業する前にリーマン・ショックが起こり、当時IT業界にも大きな影響がありました。特にIT企業は営業職の数が不足していることを知り、IT企業に特化した営業支援をすることで、社会基盤として欠かせないIT業界に貢献できるのではないかと考えたのです。これが当社を創業する動機になりました。
今後会社として取り組みたいこと、挑戦したいことは?
まずは、ITプロジェクトにおけるエンジニア不足を解消する現在の事業を拡大したいです。具体的には、25期(2034年度)には売上高30億円、社員数265人の規模を目指しています。また同時に会社として新規事業の検討と立ち上げ、社会貢献にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。 新規事業としては、自社サービスの開発や、地域貢献を発展させる形で地域と連携した新規事業を展開したいです。例えば、千葉の飲食店のIT活用支援等、ITと疎遠な業種・職種の方向けのサービスや、大企業が振り向かない領域を拾い上げて事業展開できればと思っています。 また、最近では千葉市や市内の学校と連携し、同市の子供向けにキャリア教育を実施しています。実績はあまり多くはありませんが、こういったCSR活動も今後拡充したいです。 以上のように様々なことに取り組んだ結果、将来的には売上高として100億円規模の会社をつくりたいと思っています。
どのような人に来てほしいと思われますか?
私達は、会社の成長に伴って、16期(2025年度)から人事制度を刷新しました。その人事制度で定義した人物像になれる可能性のある人と一緒に働きたいと思っています。個の力のみならず、チームで働くこと、会社の事業成長に貢献することを考えられる人です。 入社後は、プロフェッショナリティ、顧客対応力、チームワークの三つの観点で自己成長とキャリアアップを目指してほしいと思っています。 働く中では、専門技術や知識が必要なのはもちろんですが、それだけでなく、メンバーとの関係づくりや、後輩や新人の育成力も大切です。私も働く中で沢山の方と関わり、チームで仕事をする大切さを体感しています。 また、会社で働くということは、必ず顧客という存在がいるので、顧客の意図を汲み取ったり、物事の折り合いをつけながら働くことも必要になります。そこで、チームで働く意識を持ち、課題に対して突破口を見つけられることも重視したいと思っています。
社長として大事にしている考え方についてお教えください。
当社は16期目になり、社員も増えたからこそ同じ方向へ進むための企業理念が大事だと考えています。企業理念である【情熱、愛情、素直さを心に刻み、お客様の発展と社会の発展をめざし、プラスの価値を実現する】を私自身も常に考えて、社員と一緒に未来に向かって仕事をしたいと思っています。 また、私自身も転職を経て当社を立ち上げました。今改めて振り返ってみると、かなり波乱万丈な人生だと思います。このように沢山の経験を通して強く思うのは、自分次第で未来は変えられるということです。私も沢山の信念を持って進んできました。そして当社を創業するという一つの夢を叶えました。なので、社員にも当社を自己実現できる場所にしてほしいと思っています。こんな自分になりたい。こんなことをしてみたい。それを実現できるのが、エニプラです。ぜひその思いを持って、みんなでこれからのエニプラをつくっていけたらと思います。