株式会社なにする

クライアントの課題解決に向けて、戦略や企画を立案し、実行まで伴走する“コンサルタント”という仕事。経営戦略や市場分析、新規事業の立ち上げ、M&A等、経営層への価値提供を担う「戦略コンサル」だけでなく、現場の業務改善に焦点を当てた「業務コンサル」、IT戦略の策定やシステム導入を支援する「ITコンサル」等、役割は多岐にわたる。

ユニークな社名が印象的な「株式会社なにする」は、エンタープライズ向けに業務コンサルとITコンサルを提供する小規模なコンサルティング会社。数ある同業他社の中で、同社が強みとしているのは「現場力」。業界経験豊富なコンサルタントが、クライアント企業の現場に深く入り込み、担当者と共に課題解決を図っていく。

「5年後、10年後を見据えた持続的な成長を可能にする競争力の強化を支援するのが、私達の務めです。IT戦略の策定からシステム導入、運用保守まで一貫して付き添うITパートナーとして、徹底したヒアリングと分析を通じて、本当に必要な戦略と運用方法を見極め、最適解を提案します。経営層やマネジメント層だけでなく、現場で業務に携わる方々の声を大切にし、ボトムアップ型の改善提案を強みにしています」（代表取締役・中尾翼氏）。

同社はITコンサルと並行して、業務コンサルも提供している。BPOの最適化や効率化ツールの導入等、業務改善の提案と実行を担い、クライアント企業の日々の業務に外部視点を持ち込むことで、最適な改善策を導き出す。

「内部にいると自分達の仕事の問題点が見えないのは、よくある話です。業務を最適化するために外部の立場で提案と実行をするのが私達の役割。ただし、現場で作業に当たる人達の声にしっかり耳を傾け、その気持ちや思いをしっかり汲み取ることを大切にしています。業務DXが進まない組織は、現場の声を無視して改善を進めるからです。当社は現場に入り込んで、改善策を一緒に進めていきます」（中尾氏）。

業務理解を深めることで、ITコンサルとのシナジーが生まれ、より実効性の高い提案が可能となる。

「ITコンサルは業務コンサルの一部だと考えています。お客様の業務内容を深く理解した上でIT戦略やシステム導入を提案するからこそ、結果に繋がると信じています。テクノロジーに関する知識や経験だけでなく、業務フローや収益モデルを理解しているため、最適なシステム提案が可能になります。他方、業務コンサルを進める中で、自然とシステム導入の提案が生まれることもあります。今や業務とITは切り離せない時代。当社はその両領域において、価値を提供しています」（中尾氏）。

同社の創業者である中尾氏は、大手ベンダーでITコンサルタントとして活躍してきた人物。現場の声や管理者レベルの課題に寄り添い切れないコンサルティングの在り方に疑問を抱き、本質的な価値を提供するため、独立・起業に踏み切った。

現在、コンサルティング業界ではコンサルタントの質が問われている。形骸化した業務に従事するあまり、クライアント企業の本質的な課題解決に繋がらないケースが増えているという。

「お客様から“良いコンサル”と“悪いコンサル”がいるという話をよく耳にします。どの企業も良質なコンサルティングを求めていますが、自社にマッチしたコンサルタントに出会えないケースも少なくありません。お客様との対話を通じて、現場レベルの課題を確実に解決できる真のコンサルティングを提供するコンサルタント集団を形成したいと考えています」（中尾氏）。

良質なコンサルティングは、コンサルタント個人の資質に左右される。会社の看板ではなく、所属するコンサルタントの力量こそが信頼の源となる。クライアント企業にフィットしたコンサルタントと出会えた場合、継続的な取引が生まれ、担当者を名指しで指名するケースも珍しくない。

「コンサルタントは、バイネームで活躍する時代です。お客様との間に築いた『信頼』が、コンサルタントを選ぶ基準になってきます。そのためには、お客様の課題に当事者意識を持って向き合い、解決に向けてプロジェクトを推進する姿勢が不可欠です。当社は、そんな真のコンサルタントを大切にする会社を目指しています」（中尾氏）。

同社がコンサルテーションを提供する上で重視しているのは、「個の力」。コンサルタントそれぞれが持つスキルや経験だけでなく、クライアント企業との円滑なやり取りを可能にするコミュニケーション力を何よりも大切にしている。

「コンサルタントに必要なのは、技術的な知見や業務の深い理解だけではありません。お客様が何を望んでいるかを的確に察知するコミュニケーション力が不可欠です。たとえ言葉数が少なくても、丁寧な発信と慎重な受信を心掛けていれば、自然とお客様との間に絆が生まれます。課題に正面から向き合う姿勢と、解決まで伴走する覚悟。当社が提供したいのは、そうした良質なコンサルティングです」（中尾氏）。

社名に日常的な言葉である「なにする」を採用した背景には、真のコンサルティングを提供できる会社を目指すという思いが込められている。

「『なにする』という社名は、どんな新しいことに挑戦するのかという前向きな問いかけです。お客様や仲間と『次の一歩』を考え、行動し、未来を切り開くスタート地点だと考えています。加えて、停滞して立ち止まった時に、前を向くための自分達への戒めの意味も込めています。お客様のニーズを満たすためには、時に壁にぶち当たることもあります。そんな時、『では、何をする？』と自分へ問いかける思いを表現しています」（中尾氏）。

2019年に創業した同社は、これまで中尾氏を中心に、リファラル採用によって集まったメンバーで運営されてきた。全員がクライアント企業から厚い信頼を得ており、バイネームでプロジェクトに参画している。真のコンサルティングを提供するという理念が実を結び、新たな案件の依頼が次々と舞い込む状況。こうした要望に応えるべく、同社はコンサルタントの増員に踏み切り、広く人材を募集する方針を打ち出した。

ITコンサルも業務コンサルも、基本的にはチームでの参加を予定している。既存のクライアント企業は先輩社員のバイネームで取引しているが、新たに入社するメンバーがその信頼を引き継げるよう、体制づくりを進めている。

「チームでプロジェクトに参加することで、新しく入社したメンバーにも実力を示すチャンスがあります。仕事を通じて信頼を得ることで、バイネームを引き継ぐ。当社のお客様はエンタープライズ企業ばかりなので、信頼を得られれば新しい仕事は自然と広がっていきます。そうして事業を拡大し、真のコンサルティングを提供できる人材を増やしていきたいと考えています」（中尾氏）。

同社では、個人のスキルや成果に応じた給与体系を構築しており、クライアント企業からの信頼が厚くなるほど年収も上がる仕組みを整えている。

「社員の成果を正当に評価し、積極的に還元する体制を目指しています。真のコンサルティングは、コンサルタントのスキルなくして成立しません。お客様から勝ち得た信頼は、コンサルタントの成果です。当社はそれをしっかりと評価し、報酬に反映させます。ただし、成果が下がった場合は、給与が下がることもあります。ベテランになっても価値提供できる人材であってほしい。そうした思いから、成果にコミットする報酬体系にしています」（中尾氏）。

働き方については、社員の自主性を尊重し、クライアント企業のスタイルに合わせて柔軟に対応。リモートワークが中心で、自社オフィスは持たず、社員間のコミュニケーションもオンラインが基本となっている。

「現場はリモート中心ですが、必要に応じてオンラインとオフラインを使い分けています。社員は自律的に動ける人ばかりなので、マイクロマネジメントは不要です。今後、メンバーが増えてコミュニケーションの密度が必要になったタイミングで、オフィス設置も検討しています」（中尾氏）。

コンサルタントを志すITエンジニアやビジネスパーソンにとって、ファーストステップとして最適な環境を提供できる。さらにいえば、既にフリーランスとして活躍しているコンサルタントにとっても、ナレッジやバックオフィス業務を共有する場として活用できる。

「独立して活動しているITコンサルや業務コンサルの方も歓迎しています。一人で働いていると雑務が多く、メイン業務に集中できないこともありますよね。当社に所属することで、事務作業を任せてコンサル業務に集中できる。フリーランスのように自由に働きながら、仲間との交流や福利厚生、退職金制度等、種々のバックアップを受けられる。正社員のような安定した生活を保障される自由な働き方を、当社で実現してほしいと思っています」（中尾氏）。