日鉄ソリューションズ九州株式会社

日鉄ソリューションズ九州株式会社は、日本最大手の鉄鋼メーカー「日本製鉄」のソリューション事業を支えるシステムインテグレーター（SIer）。親会社である「日鉄ソリューションズ（NSSOL）」のグループ企業の一角を担っている。NSSOLは、ユーザー系SIerの中でも技術力に定評があり、日鉄ソリューションズ九州は地域子会社のうちの一社として九州・中国地方を中心に担当する地域拠点となっている。

事業の柱は四つ。一つ目は「製鉄システムの開発・保守」。創業時から日本製鉄の九州製鉄所（八幡地区・大分地区）および山口製鉄所のシステムを長年にわたり担当してきた。

「製鉄所は24時間365日連続稼働しています。当社では原料受入から製品出荷に至る生産工程を支える鉄鋼システムの開発・運用を手掛けています。製鉄所システムの心臓部をなす生産計画システムは、製造業の中でも最も複雑で開発レベルが高いとされていますが、当社は豊富な実績と経験を基に最新ITを駆使して、鉄鋼システムをフルサポートしています」（コーポレート管理部 人事センター センター長・宮前朋弘氏）。

二つ目の事業は、「親会社NSSOLと連携した大規模開発」。親会社は売上高の約8割を非鉄鋼分野の開発案件が占めており、日鉄ソリューションズ九州もその一翼を担い、関東大都市圏を中心に、製造業・流通業・公共分野等の幅広い業種のプロジェクトに参画している。

三つ目は、地域に根ざした「地場企業向けソリューション事業」。地場企業においてもDX推進の需要が高まる中、日鉄ソリューションズ九州はコンサルティングから企画、開発、運用保守まで一気通貫で支援する体制を整えている。

「地元の九州・中国地方の企業に対し、システム・ライフサイクルの全てにわたりフルサポートを手掛けています。地方の企業においてもDXは待ったなしの状況。これまでの開発経験で培った技術力・問題解決力を生かし、地域のお客様の企業DXをバックアップし、さらなるビジネス拡大、価値向上に貢献していきたいと考えています」（宮前氏）。

そして四つ目が、日鉄ソリューションズ九州が独自開発する「大学向けソリューション事業」。「学生」「教員」「職員」が情報を共有化し、必要な情報を迅速かつ正確に収集・提供できる環境を提供する「CampusSquare」を開発。九州を拠点に、全国の大学にWebシステムを導入し、大学運営をサポートしている。

「大学ソリューションは、大分オフィスが主導しています。受託開発した大学システムをベースにパッケージ化し、これまでに日本全国の100校以上に導入実績があります。NSSOLグループ内の地域子会社で自社パッケージを開発しているのは当社だけ。グループ内でもユニークな取り組みとして評価されています。5年以上継続して利用いただいているお客様が8割を超えており、当社の安定した収益基盤として、四つの事業の一つに位置付けられています」（宮前氏）。

日鉄ソリューションズ（NSSOL）グループは、日本のIT業界において由緒あるSIerだ。1980年代に新日本製鐵株式会社（当時）の情報システム部門としてスタートし、同社の情報関連事業の統合を経て、現在の組織体制となった。

その地域開発拠点として設立された日鉄ソリューションズ九州は、1995年にNSSOLの子会社「株式会社エニコムシステム西日本」「株式会社エニコムシステム大分」として発足し、2015年に両社が統合して現在の形になった。

「システム開発会社として、NSSOLとその関連会社は長い歴史を持っています。日本の製鉄産業および社会インフラを、システム開発の面から支えてきたという自負があります。その実績はお客様からの信頼に繋がり、順調に事業を成長させてきました。今後もグループの一員として活動を続けるだけでなく、これまで築いた信頼を土台に、九州・中国地方の企業DXを支える中核企業としてさらなる飛躍を目指します」（宮前氏）。

国内有数の技術が高いSIerとして定評のある「NSSOLブランド」、そして日本製鉄という“看板”は、同社にとって非常に大きな事業資産。この安定的な企業基盤は、日鉄ソリューションズ九州に所属するエンジニアにとっても、安心してキャリアを築いていける環境となっている。

「企業経営の安定感は、従業員が業務に集中できる環境を与えてくれます。当社では事業領域が幅広く、エンジニアとして多様なキャリアを描ける会社でもあります。例えばNSSOLの案件では大規模開発に携われますし、九州の企業DX案件は規模こそ小さいものの、プライム案件が多いためエンドユーザーとの接点もあり、スキルアップのチャンスに恵まれています。個人の成長を志すエンジニアにとって、九州企業のDX推進に貢献できるフィールドがあります」（宮前氏）。

2025年3月期時点で従業員数622名、売上158億円と、単体でも中堅クラスのSIerに匹敵する規模を誇る日鉄ソリューションズ九州。博多本社のほか、北九州・大分・光（山口県）の3拠点を持ち、四つの主要事業を地域ごとに展開している。

「本社以外の各拠点は、日本製鉄の製鉄所敷地内にあります。博多の本社では主に九州企業のDX案件を担当。北九州オフィスでは製鉄システムの開発とNSSOL関連の案件を扱い、光オフィスは製鉄システム開発に特化した拠点です。大分オフィスでは製鉄システムに加えて大学向けソリューションの開発も行っています。それぞれ雰囲気は少しずつ異なりますが、どの拠点も基本的には真面目で、物腰の柔らかな技術者達が揃っています」（宮前氏）。

ワールドクラスの事業規模を誇る日本製鉄、そして東証プライム市場に上場する親会社・日鉄ソリューションズ（NSSOL）の影響もあって、日鉄ソリューションズ九州は就労環境・福利厚生・コーポレートガバナンスの面で非常に安定した基盤を築いている。

就業制度は、完全週休2日制（土日祝）のほか、年末年始や創立記念日等を含め年間休日は124日（2024年度）。年次有給休暇は年間20日付与され、残日数がある場合は翌年度に繰り越し可能（最大40日）。また、半日単位での取得も可能で、年間60回まで利用できる制度設計となっている。

「年に最低1回、平日5日間連続の有給休暇取得を推奨しており、週末を含めると最大9連休が可能です。個人の病気や家族の介護・育児等にも利用できる福祉休暇制度もあり、フレックス勤務、在宅勤務、短時間勤務等、多様な働き方に対応できる制度を整えています。社員の稼働時間をシステムのログで管理し、過度な勤務が発生しないようにも工夫しています」（宮前氏）。

日鉄ソリューションズ九州では、「2030年に九州で最も働きやすいIT企業を目指す」というビジョンを掲げ、柔軟な働き方と充実した福利厚生の両立を推進。現在、社員の約35%が経験者採用であり、新卒プロパー中心だった組織に対して、経験者採用の強化を進めている。

「日本経済の影響もあり、30代後半～40代のミドルクラスのエンジニアが不足しているのが現状です。そのためUターン・Iターン・Jターンの方を含めて経験者採用を積極的に進めています。他社で培った経験を生かして活躍してほしいですし、安定したエンジニアライフを送っていただきたい。独身寮、住宅手当、持ち家支援制度等、住宅関連制度も充実しており、長く安心して働ける環境づくりにも取り組んでいます」（宮前氏）。

九州での生活を望むエンジニアにとって、日鉄ソリューションズ九州はプライベートとキャリアの両立ができる魅力的な職場。安定した経営基盤と柔軟な勤務体系、手厚い福利厚生によって、仕事とプライベートを高い次元で充実させることが可能だ。

「ここ数年、社員が安心して働ける環境の整備を続けています。福岡県内の取得企業は10社程度といわれる『プラチナくるみん』を取得し、産後パパ育休の制度を整備して男性の育休率アップを支援しています。福祉休暇のほか、介護休暇・休業も充実させて、家族に万一のことがあった際のバックアップ体制も整えています。九州で働きたいと考えている人とは、ぜひ一度、話をさせていただきたいです」（宮前氏）。